目次
監修者

佐々木 健也 医師
<経歴>
高知医科大学医学部卒業。現在はフリーランス。専門は消化器内科(肝・胆・膵)。
消化器内科医として10年以上の経験があり、これまで大学病院などで、肝炎や脂肪肝、肝臓がんといった専門的な治療に携わってきた。最新の医療知識に基づく高度な治療から、地域に根ざした身近な診療まで、幅広くわかりやすいアドバイスを提供可能。
<研究分野>
消化器内科医10年以上の臨床経験を有する。大学病院および基幹病院において、肝胆膵領域、特にウイルス性肝炎、NASH/MASH、肝細胞がんの高度専門医療に従事。
こんにちは♪
今回の記事では、「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」「休日に休んでも月曜日にはもう限界…」と感じている方に向けて、慢性疲労の原因や対処法を医学・生活習慣・心理の観点から整理して解説します。
慢性疲労は「年齢のせい」「気合いが足りないから」と捉えられてしまうこともありますが、実際には睡眠・栄養・ストレス・生活習慣など複数の要因が重なって生じる可能性が指摘されています。
原因を整理し、生活習慣を見直していくことで、疲労感の軽減につながる場合もあります。
この記事では
- 慢性疲労の基礎知識
- 疲れが取れない主な原因
- タイプ別の対処のヒント
- 今日からできるセルフケア
- 医療機関に相談する目安
をまとめています。
※本記事は医療行為を代替するものではなく、体調に不安がある場合は医療機関への相談をご検討ください。
慢性疲労とは?まず知っておきたい基礎知識
一時的な疲労との違い
日常生活の中で感じる疲労の多くは、睡眠や休養によって回復することが多いとされています。
一方で、慢性的な疲労では
- 十分に休んでも回復しにくい
- 数週間〜数か月以上続く
- 生活や仕事に影響を感じる
といった状態がみられることがあります。
このような疲労感は、睡眠・生活習慣・心理的要因など複数の要素が関係している可能性があります。
慢性疲労症候群(ME/CFS)との関係
慢性疲労の中には、**慢性疲労症候群(ME/CFS)**と呼ばれる病態が含まれる場合があります。
この病態では
- 強い疲労が長期間続く
- 休養しても回復しにくい
- 軽い活動でも疲労が悪化することがある
といった特徴が報告されています。
慢性疲労症候群は
World Health Organizationの疾病分類(ICD-11)においても関連する病態として分類されています※2。
あなたの疲労タイプは?セルフチェック
疲労の原因は人によって異なる場合があります。
以下はあくまで参考ですが、当てはまる項目を確認してみましょう。
睡眠関連のチェック
□ 寝ても疲れが残る感覚がある
□ 夜中に何度も目が覚める
□ 朝起きてもすっきりしない
2つ以上当てはまる場合、睡眠の質が関係している可能性があります。
ストレス関連のチェック
□ 休日でも気持ちが休まらない
□ 常に考え事をしている
□ 最近ストレスを強く感じる
複数当てはまる場合、心理的疲労が影響している可能性があります。
栄養関連のチェック
□ 立ちくらみが起こることがある
□ 食事量が少ない
□ 肉や魚をあまり食べない
このような場合、栄養状態が影響している可能性も考えられます。
慢性疲労の主な原因と考えられている要因
慢性的な疲労にはさまざまな要因が関係している可能性があります。
睡眠の質の低下
睡眠時間が確保されていても、睡眠の質が低下すると疲労感が残る場合があります。
厚生労働省の
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠が健康維持や生活習慣に関係する重要な要素として紹介されています※3。
睡眠の質に影響する可能性がある例
- 就寝時間が不規則
- 寝る前のスマートフォン使用
- 寝室環境(光・温度など)
自律神経のバランス
自律神経は、体の活動と休息のバランスに関係する神経系です。
ストレスや生活リズムの乱れなどによって、
このバランスが乱れる可能性があると考えられています。
その結果、休息をとっていても疲労感が続くことがあるとも言われています。
栄養状態
体のエネルギー代謝にはさまざまな栄養素が関わっています。
特に鉄は
- ヘモグロビンの構成要素
- 体内で酸素を運ぶ働き
に関係しているとされています。
鉄が不足すると、倦怠感などの症状がみられる場合もあるとされています※4。
心理的ストレス
精神的なストレスが強い状態では
- 疲れやすい
- 集中力が低下する
- 睡眠が浅くなる
などの身体的な症状があらわれる場合もあります。
国立精神・神経医療研究センターでは、うつ状態において疲労感などの身体症状がみられることがあると説明されています※5。
精神的・認知的な疲労
情報量の多い生活環境では、長時間の集中や情報処理によって精神的疲労を感じることがあります。
このような疲労は
- 集中力低下
- 思考の鈍さ
- 倦怠感
として感じられることがあります。
タイプ別疲労対策のヒント
疲労の原因が一つとは限らないため、生活習慣を少しずつ見直すことが参考になる場合があります。
睡眠関連の疲労
- 起床・就寝時間をなるべく一定にする
- 寝る前の強い光を避ける
- 寝室環境を整える
ストレス関連の疲労
- 休息時間を意識的に確保する
- 呼吸法やリラクゼーションを試す
- 必要に応じて専門家に相談する
栄養関連の疲労
- 極端な食事制限を避ける
- タンパク質・鉄などの栄養を意識する
- 気になる症状がある場合は医療機関で相談する
運動不足・過労
- 軽い散歩などから始める
- 無理に運動量を増やさない
- 疲労が強い場合は休息を優先する
今日からできるセルフケア
疲労ログをつける
疲労のパターンを把握するために
- 睡眠時間
- 食事
- 運動
- 疲労の程度
などを簡単に記録する方法もあります。
デジタル機器との付き合い方
スマートフォンやPCの使用時間が長い場合、
- 使用時間を区切る
- 就寝前の使用を控える
といった工夫が参考になることがあります。
生活リズムを整える
生活リズムを整える習慣として
- 朝日を浴びる
- 入浴で体を温める
- 深呼吸などのリラックス法
などが紹介されることがあります。
医療機関への相談を検討する目安
次のような場合には、医療機関への相談を検討してもよいかもしれません。
- 強い疲労が長期間続いている
- 日常生活に支障を感じる
- 休養しても改善しない
慢性疲労症候群の診断では、
他の病気がないか確認するための診察が行われることもあります※1。
まずは内科やかかりつけ医に相談する方法もあります。
私自身もこの記事を読んで、自分の体や心の状態などをチェックしてみました。「疲労ログをつける」など、とりあえず今日からやってみようと思えるような提案もあって、「まあ、これくらいなら試せるかな」と背中を押してもらえる感じがします。
医学的な観点から見ても、嘘や誤魔化しのない記事です。厚生労働省やWHOといった信頼できる情報源を出典として明記、特に、一時的な疲れと、ME/CFSのような医療が必要な状態をきちんと区別しているところです。セルフケアだけで完結させようとせず、(自分の力だけでなんとかしようとせず)、専門家に相談するところまで正しく解説されています。ただし、まずは6ヶ月を待たず、医療機関で他の器質的疾患を除外することは重要です。
まとめ
慢性的な疲労は
- 睡眠
- 栄養
- ストレス
- 生活リズム
など複数の要因が関係している可能性があります。
無理を続けるのではなく、生活習慣を見直したり必要に応じて専門家に相談したりすることで、体調改善のヒントが見つかる場合もあります。
参考文献
※1
厚生労働省
慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000104377.pdf
※2
World Health Organization
ICD-11: Postviral fatigue syndrome
https://icd.who.int/browse11/l-m/en#/http://id.who.int/icd/entity/569175314
※3
厚生労働省
健康づくりのための睡眠ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
※4
厚生労働省
健康情報サイト「鉄」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-022.html
※5
国立精神・神経医療研究センター
こころの情報サイト「うつ病」
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?%40uid=9D2BdBaF8nGgVLbL




