寝起きにこめかみが痛い原因は?朝の頭痛の対処法と受診の目安を解説
睡眠コラム by 松本 恭2026年4月25日読了目安時間: 7

寝起きにこめかみが痛い原因は?朝の頭痛の対処法と受診の目安を解説

目次

監修者

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

朝起きた瞬間からこめかみがズキズキ痛むと、「昨日の疲れが取れていないのかな」「水分不足かな」と不安になりますよね。痛みが軽い場合でも、朝から頭が重いと仕事や家事への意欲が下がってしまいます。

コアラマットレスの上級睡眠健康指導士である松本も、以前は毎朝こめかみがずきずきと痛み、「前日の疲れが残っているだけ」とやり過ごしていた時期がありました。ところが、調べてみると使用していた枕に原因があったことがわかり、適切な枕に変えてからは、朝のこめかみの痛みがほぼ解消された経験があります。

実は、寝起きのこめかみ痛の原因はひとつではありません。睡眠不足や水分不足といった生活習慣から、片頭痛や緊張型頭痛といった頭痛自体の特性、さらには枕の高さや睡眠時無呼吸症候群、歯ぎしりといった睡眠環境の問題まで、さまざまな要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、寝起きにこめかみが痛くなる主な原因を整理し、自分に当てはまる可能性が高いのはどれかを見分けるヒントをお伝えします。また、朝すぐに試せる対処法や、放置せずに受診を検討すべき危険なサインについても解説します。

寝起きにこめかみが痛いときにまず考えたい原因

松本 恭
松本 恭
朝起きてすぐに感じるこめかみの痛みには、いくつかの代表的な要因が考えられます。

一般的に頭痛は、脳の血管が急激に拡張して神経を刺激するタイプと、筋肉の過度な緊張が原因となるタイプに大別されますが、起床時の頭痛に関しては、これらに加えて睡眠中の呼吸の状態や、顎周りの筋肉にかかる負担が影響しているケースも少なくありません。まずは、自分の痛みがどのような原因から来ているのかを把握しましょう。

片頭痛はこめかみに出やすく吐き気や光刺激を伴うことがある

こめかみ周辺がズキズキと波打つように痛む場合は、片頭痛である可能性が高いです。片頭痛は頭の片側だけが痛むというイメージがありますが、実際には両側のこめかみが痛むことも珍しくありません。朝は体内のホルモンバランスや血圧が変化する時間帯であるため、脳の血管が拡張しやすく、起床時に強い痛みを感じる人が多いのです。

痛みに加えて吐き気を感じたり、光や音をいつもよりまぶしく、あるいはうるさく感じたりするのも片頭痛の大きな特徴です。動くと痛みが響くため、朝の準備がスムーズに進まないという悩みを抱える方も多くいらっしゃいます。また、頭痛が始まる前に視野にチカチカした光が見える「前兆」が現れる方もいるため、こうした症状に心当たりがある場合は片頭痛を疑ってみてください。

緊張型頭痛は首肩のこりや寝姿勢の悪さと関係しやすい

頭をぎゅーっと締め付けられるような重い痛みがこめかみや頭全体に広がる場合は、緊張型頭痛が疑われます。首や肩、背中の筋肉が硬くなることで血流が悪くなり、神経を刺激するために起こる頭痛です。

寝起きのタイミングで緊張型頭痛が起きる背景には、寝姿勢の悪さや、体格に合わない枕の使用、寝返りの少なさなどが隠れていることがあります。特に、高い枕で首が不自然に曲がっていたり、スマートフォンやパソコンの使用による「ストレートネック」の状態で眠りについたりすると、睡眠中に筋肉の緊張が解けず、朝から頭痛を招く原因となりかねません。こめかみだけでなく、後頭部や首の付け根まで痛みが広がる場合は、筋肉の緊張が主な原因である可能性が高まります。

睡眠時無呼吸や歯ぎしりなど睡眠中の異変が背景にあることもある

毎朝のように頭痛が続き、しっかり寝ているはずなのに日中に強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を疑いましょう。日本神経学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」では、睡眠時無呼吸による頭痛は「朝に発現する頭痛」として定義されており、通常は両側性で4時間未満とされています。※1

睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることで脳が酸素不足になり、結果として起床時にこめかみなどの頭痛を引き起こすのです。

また、起床時に顎のだるさや歯の違和感がある場合は、睡眠中の「歯ぎしり」や「食いしばり」が原因かもしれません。日本睡眠口腔医学会誌の報告によれば、睡眠ブラキシズム(睡眠中の歯ぎしりや食いしばり)の覚醒後徴候として、起床時の顔筋の疲労や側頭部の頭痛が挙げられています。※2

いびきを指摘されたことがある方や、朝起きたときに口がひどく渇いている方は、こうした睡眠中のトラブルを疑ってみましょう。

痛みの特徴から原因を切り分ける見分け方

朝の頭痛の原因は多岐にわたるため、「自分はどのタイプに当てはまるのか」を把握することが大切です。病院を受診する際にも、痛みの出方やその他の症状を正確に伝えられると、よりスムーズな診断につながります。自分の頭痛の傾向をセルフチェックするためのポイントを整理しました。

ズキズキするか締めつけられるかで傾向が変わる

まずは、こめかみがどのように痛むのかに注目してみてください。心臓の鼓動に合わせて「ズキズキ」「ガンガン」と響くような拍動性の痛みであれば、血管の拡張が関わる片頭痛の傾向が強くなります。一方で、きつめのヘルメットをかぶっているような重苦しい感じや、紐で締め付けられるような圧迫感がある場合は、筋肉の緊張による緊張型頭痛である可能性が高まります。

ただし、これらはあくまで目安であり、両方の特徴を併せ持つ「混合型」の方もいるため、痛み方をメモしておくとよいでしょう。受診時に医師へ症状を伝える際に役立ちます。

吐き気や光音のつらさがあるかを確認する

痛みの強さだけでなく、体全体にどのような反応が出ているかも重要な判断材料です。片頭痛の場合、強い痛みとともに吐き気や嘔吐を伴うことが多く、明るい光やテレビの音、周囲の話し声に敏感になりやすいという特徴があります。

もし、朝の頭痛が始まったときに「部屋を暗くして静かに横になっていたい」と感じるようであれば、それは片頭痛のサインかもしれません。逆に、体を動かしても痛みがそれほど悪化せず、日常生活をなんとか送れる程度の重だるさであれば、緊張型頭痛の可能性を考慮します。自分の症状を言語化しておくと、受診時の説明がしやすくなるメリットがあります。

いびきや口の渇きや顎の疲れがあるかも手がかりになる

睡眠の質そのものに問題がある場合、本人も気づかない症状がヒントになります。家族から「いびきがうるさい」「寝ている間に呼吸が止まっていることがある」と言われた経験はないでしょうか。日本睡眠学会によると、睡眠時無呼吸症候群の主観的な症状として、起床時の口の乾燥・頭痛・日中の眠気などが挙げられています。※3

起床時に口の中がカラカラに乾いていたり、日中に座っているだけで眠気が襲ってきたりする場合は、睡眠時無呼吸症候群による酸素不足が朝の頭痛を招いているかもしれません。

さらに、鏡を見てエラの部分の筋肉が張っていたり、起きたときに顎を動かしにくかったりする場合は、夜間の食いしばりがこめかみの痛みを引き起こしている有力な証拠となります。思い当たる症状が複数ある場合は、睡眠の専門医や歯科医に相談することを検討してみてください。

寝起きのこめかみ頭痛をやわらげる対処法

松本 恭
松本 恭
朝の忙しい時間帯に頭痛が起きてしまったとき、少しでも早く症状を和らげるためにできる方法を知っておくと気が楽です。

薬に頼る前に、まずは日常的なケアで改善が見られるか試してみましょう。対処法は原因によって異なりますが、どのタイプの頭痛にも共通して効果が期待できるアプローチから始めるのがおすすめです。

起きた直後はまず水分をとり刺激を避ける

寝ている間、私たちはコップ1杯分以上の汗をかくため、朝の体は思っている以上に水分不足の状態にあります。水分が不足すると血液の巡りが悪くなり、頭痛を誘発しやすいため、起きたらまずコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。

また、特に片頭痛が疑われるときは、脳の神経が非常に敏感な状態になっています。カーテンを一気に開けて強い朝日を浴びたり、大きな音のテレビをつけたりするのは控え、しばらく静かな環境で過ごすようにしてください。痛みが激しい場合は、こめかみの血管が拡張している可能性があるため、タオルで巻いた保冷剤などを痛む部分に優しく当てて冷やすと、痛みが落ち着くことがあります。

首肩や顎まわりの負担を減らす工夫をする

緊張型頭痛や食いしばりが原因と思われる場合は、筋肉のこわばりをほぐすことが有効です。ただし、寝起きの筋肉は冷えて固まっているため、いきなり激しいストレッチをするのは逆効果になる恐れがあります。

まずは、首をゆっくり左右に傾けたり、肩をすくめてから一気に脱力したりする程度の軽い動作から始めてください。日中も無意識に歯を食いしばっていないか意識することも大切です。上下の歯が触れ合わないように意識するだけで、翌朝のこめかみの負担が軽減されることがあります。また、肩や首をこまめに動かして血流を促すと、緊張型頭痛の再発予防にもつながるでしょう。

枕や寝姿勢や寝室環境を見直す

毎朝のように頭痛が起こる場合、使っている枕が合っていない可能性があります。枕が高すぎると首の筋肉が常に引き伸ばされ、低すぎると頭に血が上りやすくなり、どちらも頭痛の原因となります。寝返りがスムーズに打てるかどうか、肩と枕の間に隙間ができていないかを確認してみてください。寝返りは睡眠中の血流を促し、筋肉の凝りを防ぐために不可欠な動作です。

また、室温や湿度も睡眠の質に影響します。夏場は高温多湿による脱水、冬場は乾燥による喉や気道への刺激が、睡眠時無呼吸症候群の症状悪化につながることもあるため、寝室環境を整えておくことも重要です。寝具の選び方や枕の高さについては、自分に合ったものを探しながら継続的に調整することをおすすめします。

関連記事:【専門医監修】寝起きに背中が痛いのはなぜ?その原因や対応策、予防方法を紹介

放置しないほうがよい危険なサイン

多くの場合、寝起きの頭痛はセルフケアや休息で改善しますが、中には重大な疾患が隠れている「二次性頭痛」の可能性もあります。日本神経学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」では、覚醒時頭痛は一次性と二次性の両方を含む「要注意の徴候」として整理されており、見逃してはならない症状が明示されています。※1

以下のような症状がある場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。

いつもと違う強い痛みや神経症状があるとき

これまでに経験したことがないような「バットで殴られたような」激しい痛みや、日に日に痛みが増していくような場合は、脳出血や脳腫瘍などの緊急を要する病気が疑われます。

また、頭痛に加えて「言葉がうまく出ない(ろれつが回らない)」「手足に力が入らない、あるいはしびれる」「視界が二重に見える」といった神経症状が現れたときは、脳の血管に異常が起きているサインかもしれません。これらの症状は一刻を争うため、迷わず救急外来や脳神経外科を受診するようにしましょう。

毎朝続く頭痛やいびきを伴う頭痛は相談を検討する

命に関わるような激痛でなくても、毎日のように頭痛が続いて生活に支障が出ている場合は、適切な治療が必要です。特に、強いいびきや日中の耐えがたい眠気を伴う頭痛は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。日本睡眠学会の解説でも、睡眠時無呼吸症候群は適切な治療によって起床時の頭痛が改善・消失することが知られていますので、「ただの頭痛だから」と我慢せず、睡眠外来や呼吸器内科、耳鼻咽喉科などへの相談を検討してください。※3。

関連記事:【医師監修】朝の体温が高い・低いのはなぜ?起床時の体温と睡眠の質・病気の関係を解説

毎朝つらい人が見直したい生活習慣と睡眠環境

松本 恭
松本 恭
朝の頭痛を根本から防ぐためには、日頃の生活リズムを整え、睡眠の質を高めることが欠かせません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」でも、睡眠不足は頭痛などの心身の不調の増加と関連していると指摘されており、質の高い睡眠が心身の健康に直結することが示されています。※4

対処療法だけでなく、毎日の習慣を見直すことが長期的な改善につながります。

睡眠不足と寝すぎの両方が頭痛の引き金になることがある

睡眠時間が足りないのはもちろん良くありませんが、実は「寝すぎ」も頭痛の原因になります。休日に平日の不足分を取り戻そうと長く寝すぎてしまうと、副交感神経が優位になりすぎて脳の血管が拡張し、こめかみが痛む「週末頭痛」を引き起こすことがあるのです。

平日は睡眠不足で休日は寝だめというサイクルは、脳にとって大きなストレスです。できるだけ毎日同じ時間に起き、太陽の光を浴びて体内時計をリセットするよう心がけてください。週末の起床時間を平日とあまり変えないことが、週明けの頭痛を防ぐために効果的です。

飲酒やカフェインや就寝前のスマホ習慣を整える

寝る前の行動も翌朝の状態を大きく左右します。アルコールは一見眠気を誘いますが、睡眠の質を著しく低下させ、脱水症状を招くため、翌朝の頭痛につながりやすいです。また、カフェインの過剰摂取も脳を興奮させ、眠りを浅くします。就寝の3〜4時間前からはカフェインを含む飲み物を控えることが望ましいです。

さらに、スマートフォンから発せられるブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。寝る直前まで画面を見ていると、脳がリラックスできず、翌朝の筋緊張や頭痛を招きやすくなるため、就寝の1〜2時間前からはデジタルデバイスから離れましょう。

枕の高さや寝返りしやすさも確認する

寝具は「体を支える道具」であり、自分に合っていないものは体に負担をかけ続けます。特に枕は重要で、頭だけでなく、首のカーブを適切に支える構造になっているかどうかがポイントです。枕が高すぎると首の屈曲が強まり、低すぎると頭への血流が増加しやすくなります。どちらも朝の頭痛の原因になり得るため、自分の体格や寝姿勢に合った枕の高さを選ぶことが大切です。

また、マットレスが柔らかすぎて腰が沈み込んだり、逆に硬すぎて体が圧迫されたりすると、スムーズな寝返りが妨げられます。寝返りの回数が減って同じ部位の血管や神経が圧迫され続けると、起床時の痛みとして現れやすいです。もし現在の寝具に違和感があるなら、一度フィッティングを試してみてもよいでしょう。

よくある疑問に答える

最後に、寝起きのこめかみ痛に関してよく寄せられる疑問にお答えします。原因が複数あるため、検索してもなかなか答えにたどり着けないという方のために、よくある疑問を中心にまとめました。

片側だけ痛いときは片頭痛や群発頭痛の可能性がある

こめかみの片側だけが「えぐるように激しく痛む」場合、稀ではありますが群発頭痛の可能性も考えられます。群発頭痛は特定の期間に集中して起こり、目の奥が痛むのが特徴です。

一方で、多くの「片側だけの痛み」は片頭痛であることが多いのですが、人によっては緊張型頭痛でも左右どちらか一方が強く痛むことがあります。特定の側ばかりが痛む場合は、痛む頻度や持続時間をメモして、医師に相談する際の資料にしてください。どちらの頭痛であっても、「薬物乱用頭痛」を招かないために自己判断での市販薬の長期使用は避けてください。

寝すぎや水分不足でも朝の頭痛は起こりうる

前述の通り、水分不足は血液の粘度を上げ、脳への酸素供給を不安定にします。寝る前にもコップ1杯の水を飲むと、朝の脱水症状を防げます。

また、「休日にたっぷり寝たのに頭が痛い」というのは、長く寝ることで血管が拡張し続け、周囲の神経を圧迫してしまうからです。寝すぎによる頭痛が起きたときは、軽くカフェインを摂って血管を収縮させたり、少し体を動かしたりすると症状が緩和される場合があります。寝すぎも睡眠不足と同様に頭痛の引き金になるという点は、意外と知られていない重要な知識です。

まとめ:寝起きのこめかみ頭痛は原因を切り分けて対処することが大切

寝起きにこめかみが痛む原因は、片頭痛や緊張型頭痛といった体質的なものから、睡眠時無呼吸症候群や歯ぎしり、そして枕や生活習慣といった身近なものまで多岐にわたります。まずは自分の痛みが「ズキズキ」なのか「重苦しい」なのか、他に吐き気やいびきなどの症状はないかを確認してみましょう。そして、水分補給や睡眠環境の改善といった自分にできるセルフケアから始めてみてください。

もし激しい痛みや手足のしびれ、あるいは毎日のように続く不調がある場合は、決して無理をせず専門の医療機関を受診することが大切です。質の高い睡眠は健やかな一日の基盤ですので、自分に合った対策を見つけて、すっきりとした朝を取り戻したいですね。

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・参考

※1 頭痛の診療ガイドライン2021(睡眠時無呼吸性頭痛の定義・覚醒時頭痛) | 日本神経学会

※2 睡眠ブラキシズムと起床時の側頭部頭痛の関係 | 日本睡眠口腔医学会誌

※3 睡眠時無呼吸症候群の基礎知識 | 日本睡眠学会

※4 健康づくりのための睡眠ガイド 2023(睡眠不足と心身の不調) | 厚生労働省