「朝起きると口の中がカラカラ」「喉が痛い」「いびきをかいていると言われる」——これらは睡眠中に口が開いて口呼吸になっているサインかもしれません。
人間は本来、鼻で呼吸するように設計されています。睡眠中に口呼吸が続くと、睡眠の質が下がるだけでなく、全身にさまざまな影響が出ることがあります。
目次
口呼吸が体に与える影響
① 虫歯・歯周病リスクの増加
口呼吸をすると口の中が乾燥し、唾液の量が減少します。唾液には細菌を洗い流す自浄作用や、虫歯・歯周病菌の増殖を抑える抗菌作用があるため、唾液が減ることで虫歯菌や歯周病菌が増えやすくなります。特に睡眠中は副交感神経が優位になり、もともと唾液の分泌量が少なくなるため、口呼吸だとさらに口内が乾燥しやすくなります。
② 睡眠時無呼吸症候群のリスク
口を開けたまま寝ていると、下あごや舌が重力で奥へ下がり、気道を圧迫・閉鎖することで睡眠時無呼吸症候群のリスクになります。睡眠時無呼吸症候群は命に関わることもある病気です。
③ 睡眠の質の低下
口呼吸をすることで睡眠の質が低下し、日中の倦怠感・眠気・疲労感・集中力の低下を引き起こすことがあります。
④ 感染症リスクの増加
鼻の穴には鼻毛や粘膜があり、吸い込んだ空気中のウイルスや病原菌、アレルギー物質をフィルタリングする役割があります。口呼吸ではこれらが直接気管に入るため、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなります。
なぜ寝ているとき口が開いてしまうのか
口呼吸の主な原因として、顔面の骨格や歯並びの影響、慢性的なアレルギー性鼻炎、口周りの筋肉の衰え、姿勢の悪さなどが挙げられます。アレルギー性鼻炎では慢性的な鼻づまりにより鼻呼吸が妨げられ、口呼吸が習慣化しやすくなります。
口を閉じて寝るための5つの方法
1. 口閉じテープを使う
口呼吸防止用テープは、就寝中の口呼吸を防ぐ一般的な方法です。口を閉じるように貼るタイプや、鼻に貼って鼻腔を広げるタイプがあります。物理的に口が開かなくなるため、口内の乾燥や口臭を防ぐ効果が期待できます。 貼り方は、唇の中央に縦に貼るのが基本で、鼻づまりのある方は使用を控えてください。
2. あいうべ体操で口周りの筋肉を鍛える
「あいうべ体操」は口呼吸を鼻呼吸へ改善するためのトレーニング方法です。「あ・い・う・べ」の4つの動作を順に繰り返し、1日30回以上を目標に毎日続けることで、口周りの筋肉が鍛えられ自然と口を閉じられるようになります。
3. 舌の位置を正しくする
就寝直前に、舌先を上の前歯の裏側に軽く当て、舌全体を口蓋に押し付けるようにします。この姿勢を保つことで口が自然に閉じ、鼻呼吸が促進されます。
4. 室内の加湿・アレルゲン対策
鼻づまりがある場合は、部屋の加湿やアレルゲン対策、必要に応じて耳鼻科への受診を検討しましょう。鼻呼吸をしやすい環境を整えることが口呼吸予防の第一歩です。
5. 飲酒は就寝4時間前までに
アルコールが体内から抜けきる前に寝ると筋肉が弛緩して口が開きやすくなり、いびきが出やすくなります。いびきが気になる人は、就寝4時間前には飲酒を終えることを意識しましょう。
こんな症状があれば専門医へ
以下に当てはまる場合は、慢性的な鼻疾患や睡眠時無呼吸症候群が疑われるため、耳鼻咽喉科や睡眠専門外来への相談をおすすめします。
- 慢性的な鼻づまりがある
- 毎朝喉が痛い・乾いている
- パートナーから無呼吸・いびきを指摘されている
- 日中に強い眠気・倦怠感が続いている
まとめ
口を閉じて寝るためには、口閉じテープや口周りの筋トレ、環境整備の組み合わせが効果的です。睡眠中の呼吸の質を上げることは、翌朝の目覚めの良さや日中のパフォーマンスにも直結します。まずは今夜から一つだけ試してみてください。
参考文献
- 新井歯科(大阪府茨木市)「口呼吸で生じる体への悪影響と治し方・鼻呼吸のススメ」https://www.adc-arai.com/nose_breathing/
- いびきメディカルクリニック「睡眠中も鼻呼吸を意識!口呼吸によるトラブルと鼻呼吸に治す方法を解説」https://www.ibiki-med.clinic/column_n/sleep-quality/nasal-breathing/
- 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック「口呼吸がいびきにつながる理由と予防のためにできること」https://www.kamimutsukawa.com/blog2/kokyuuki/8620/
- 新潟西歯科クリニック「就寝中の口呼吸を防ぐためにはどうすれば良いのか?」https://niigatanishi-dc.jp/staffblog/?p=1762
- グレースメディカルクリニック「口呼吸から鼻呼吸への変化で睡眠の質が向上!効果的な呼吸パターン改善法」https://gmc.kumamoto.jp/sleep/from-mouth-breathing-to-nose-breathing/
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。




