睡眠コラム by 田中かつら2026年2月26日読了目安時間: 6

眠りさそう料理 2026春

監修者

田中かつら

辻日本料理専門学校を卒業後、懐石料理、エスニック、ビストロ等で経験を積み、2013年に東京・池尻大橋に《季節料理・酒処さそう》をオープン。季節の食材に、ハーブやスパイスを取り入れた料理を得意とする。NHKラジオや「dancyu」「和樂」など数多くの雑誌でレシピを提供するほか、料理教室を主宰。現在は夫の転勤に伴い、福岡県に暮らしている。

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季節は春

『春眠暁を覚えず』寒さ厳しい冬が終わり、ぽかぽか陽気の春を迎えて、寝ても寝ても眠気を感じる方も多いのではないでしょうか?

春になると眠気を感じる要因は四つあります。

①日照時間の変化

春になると日照時間が延び、急激な変化についていけず、体内時計が乱れます。これにより睡眠の質が低下し、日中の眠気を感じやすくなります。

②気温の変化

春は一日の気温差が大きく、気温の変化に体が対応しようと頑張り、そのためエネルギーを消耗し、疲労感や眠気を引き起こすことがあります。

③花粉症

春は花粉の飛散がピークを迎える季節です。鼻づまりや目のかゆみなどの症状が睡眠を妨げます。これにより、眠りのリズムが乱れることがあります。

④新しい環境の変化

春は入学や就職、異動などの新生活で生活環境が大きく変わる時期です。慣れない環境による疲れやストレス、緊張感が自律神経のバランスを乱し、睡眠の質の低下や疲労感を引き起こす原因となります。

 

そこで、日々の料理に眠りさそう食材を取り入れてより良い眠りにつなげましょう。

眠りに大切な栄養素「トリプトファン」。

「トリプトファン」は脳をリラックスさせる睡眠ホルモン「セロトニン」を作る必須アミノ酸のひとつです。

そんな「トリプトファン」は、私達の身近にあるタンパク質を多く含む食材から摂取出来ます。

乳製品や大豆製品、卵やバナナが多くあげられ、一番身近なお米や醤油、味噌に鰹節や煮干し、海苔やワカメにも「トリプトファン」は多く含まれています。

 

また、我が家もそうなのですが、じゃが芋を常備野菜として置いているご家庭も多いのではないでしょうか?

じゃが芋にはリラックス効果のある「GABA」や「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」が腸内環境を整え、消化が良く、疲労回復にも適した食材です。そして、間接的に睡眠をサポートします。

今回はそんなじゃが芋を使った眠りをさそうレシピ《生姜香る和風ポテトサラダ》をご紹介します。

 

《生姜香る和風ポテトサラダ》

【材料 二人前】

じゃが芋メークイン(1個130〜140g)4個

ゆで卵 1個

赤玉葱or玉葱 少々

米酢 大さじ1

きび糖 大さじ2

◎お好みで三つ葉や黒胡椒

(自家製マヨネーズ)

卵黄 1個

米油 30g

ディジョンマスタード 25g

(生姜醤油漬け)

生姜みじん切り 15g 

醤油 大さじ1

 

【事前準備】

①生姜みじん切りと醤油を合わせて“生姜醤油漬け”を作り、半日以上置きます。

②茹で卵を作り、冷やしておきます。

③赤玉葱or玉葱をスライスし、水で洗い、しっかりと水気をしぼります。

④自家製マヨネーズの材料を合わせてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やしておきます。

ボールに材料を合わせて泡立て器で混ぜます

米油がしっかりと混ざり、泡立て器の線が出たら出来上がりです。

 

【作り方】

①じゃが芋を蒸して皮を剥き、米酢ときび糖を加えてじゃが芋の粒が無くなるくらいまでよく混ぜ、常温で一時間ほど冷まします。

☆混ぜていると、だんだんと重たく粘り気が出てきて、写真の様に一体化してきます。ここまで頑張って混ぜると、食感のいい美味しいポテトサラダが出来上がります。

 

②常温でしっかりと冷ました①に自家製マヨネーズを加え、よく混ぜます。ここに“生姜醤油漬け”を加え、さらに混ぜます。

☆ここでもしっかりと、写真の様に一体化してまとまるまで混ぜます。

 

③赤玉葱スライスとゆで卵を②に加え、ゆで卵を潰しながら混ぜます。

器に盛り、お好みで三つ葉や黒胡椒をふり、出来上がりです。

○《生姜香る和風ポテトサラダ》は冷蔵庫で保存し、自家製マヨネーズで生卵を使っている為、2〜3日で食べ切って下さい。

○このポテトサラダでご紹介している“自家製マヨネーズ”はとても簡単に作れますので試してみてください。

市販のマヨネーズを使う際には、塩味が強くなりますので、生姜醤油漬けの量で調整してください。

○ディジョンマスタードの原料のマスタードシードには、筋肉をリラックスさせ、脳への血流をよくする働きのある「マグネシウム」や、睡眠ホルモンの「メラトニン」が豊富に含まれているため、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

○今回のように、ペースト状のポテトサラダには、程よい甘さとねっとりとした食感の「メークイン」や「キタアカリ」がおすすめです。

じゃが芋がごろごろとしたポテトサラダには、ホクホクとした食感の「男爵芋」がおすすめです。

○三つ葉の爽やかな香り成分「ミツバエン」に高い鎮静作用があり、神経の興奮を鎮め、不眠症を改善する効果が期待できます。

セロリやパセリと同様にストレス解消の「アロマベジタブル」です。

熱に弱いので、生のままお料理に添えてください。味だけでなく、その香りにも癒されます。

○多めに作って冷蔵庫に入れておくと便利な“生姜醤油漬け”は、餃子の具やつみれ団子の下味に、オリーブオイルと酢を加えたら生姜ドレッシングに、胡麻油とすり胡麻と一緒に和えたらナムルに…手軽に作れる万能調味料です。

 

ここからは《生姜香る 和風ポテトサラダ》の2日目、3日目のアレンジ料理をご紹介します。

今が旬の春野菜。

春野菜の苦味や香りには、寒さで停滞した自律神経を整え、ストレスを和らげ、心地よい眠りに導くデトックス効果があると言われています。

そこで、身近に買うことの出来る“春キャベツ”や“新玉葱”や“菜の花”と合わせて春を感じ、食事を愉しみながらより良い眠りに繋がるアレンジ料理を二品ご紹介します。

 

《春キャベツとポテトサラダのチーズトースト》

【材料 二人前】

生姜香る和風ポテトサラダ 適量

春キャベツ 適量

チーズ 適量

お好みのスライスパン 適量

黒胡椒 少々

 

【作り方】

①春キャベツを1cm位のざく切りにカットします。

②スライスパンの上にポテトサラダを2cmほど盛ります。

チーズを乗せます。

春キャベツをたっぷりと乗せます。

 

③トースターやオーブンで焼き、黒胡椒をふって出来上がりです。

☆春キャベツに少し焦げ目がつく位焼くのがおすすめです。香ばしい香りが食欲をそそります。

 

○春キャベツには、抗酸化力が高い「ビタミンC」や、「βカロテン」が豊富に含まれており、疲労回復や免疫力アップを助け、「キャベジン」が夜の腸内環境の修復をサポートする効果も期待できます。

○春キャベツの代わりに、芽キャベツやタケノコをソテーしてポテトサラダの上にのせ、チーズをかけて焼いても美味しいです。

○チーズには、神経を鎮め、眠りを誘う成分「トリプトファン」や「カルシウム」を多く含んでいます。春キャベツと合わせて頂くと、睡眠の質を効率よく高めることが出来ます。

○パンは、全粒粉を使ったパンや胡桃の入ったパンがおすすめです。

全粒粉には、豊富な「ビタミンB群」や「マグネシウム」が睡眠を誘発する「メラトニン」の生成をする効果が期待できます。

また、血糖値の急上昇を抑えるため、夜間の血糖値スパイクを防ぎ、夜中に目が覚めてしまうのを改善します。

胡桃には、豊富に含まれる「トリプトファン」が、血中のメラトニン濃度を上げ、自然な眠りを誘う効果があると言われています。

 

《新玉葱・ポテトサラダと鯵のグリル》

【材料 二人前】

生姜香る和風ポテトサラダ 適量

鯵(三枚おろしにしたもの)2枚

新玉葱 1cm厚さの半月輪切り2枚

菜の花 2〜4本

オリーブオイル 大さじ1

料理酒  大さじ1

塩  少々

黒胡椒 少々

 

【作り方】

①鯵の下処理→三枚おろしにした鯵の中骨とゼイゴを取ります(皮はお好みで、そのままでも剥いてもどちらでも大丈夫です)

お酒をふります。

しっかりと拭きます。

切り込みを入れます。

 

②バットやトレーに“くっつかないアルミホイル”を敷き、その上に玉葱を置きます。

玉葱の上に《生姜香る和風ポテトサラダ》をのせます。

その上に①の鯵を置き、軽く押しながら形を整えます。鯵の上に塩をひとつまみづつふります。

③魚焼きグリルやトースター、オーブンで鯵に火が入るまで焼きます。(200〜220度、15〜20分)

④焼いてる間に、フライパンにオリーブオイルと菜の花を入れソテーします。

⑤焼き上がりの③と④を器に盛り、黒胡椒をふり出来上がりです。

○鯵以外にもサバやイワシ、サワラも美味しいです。切り身に厚みがある時は、鯵の薄さにカットしてポテトサラダの上に乗せてください。

○青魚に豊富に含まれる「DHA・EPA」が脳の神経伝達をスムーズにし、睡眠ホルモン「メラトニン」の合成を助けます。また、含まれている「ビタミンB12」が体内時計を調整し、「トリプトファン」が睡眠リズムを整えます。

○新玉葱に含まれる「硫化アリル」にはイライラを鎮め、高ぶった神経を落ち着かせる鎮静作用と疲労回復効果があります。また、玉葱の香りには血行を促進し、脳をリラックスさせ、入眠を誘う効果があるとも言われています。

そんな新玉葱の代わりに、山菜のウドもおすすめです。ウド独特の香りと苦味には、疲労回復や抗酸化作用により、体がリラックスモードになりやすく、自然な眠りを誘います。

 

○菜の花の他にも山菜の“ふきのとう”や“タラの芽”や“田芹”などをソテーして添えても、山菜特有の苦味や香りが青魚の味わいによく合います。

○2日目、3日目の《生姜香る和風ポテトサラダ》は、使用するじゃが芋によって、ねっとりとした固さが少しゆるくなります。

グリルして、盛り付ける際には崩れやすくなるので、耐熱皿に乗せてグリルし、そのままテーブルに並べるのも簡単で、後片付けも楽になるのでおすすめです。

 

旬の食材を取り入れた料理をする事で、季節の美味しさを感じ心が満たされます。

栄養バランスの取れた食事は体調を整え、健康の維持を助けます。ひとつの食材に特化せず、さまざまな食材を組み合わせ、バランス良く取るように心がけましょう。

春の香り感じる日差しをたっぷりと浴びて、ゆったりと食事を愉しみ、睡眠の質を高めましょう。