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監修者
石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。
赤ちゃんの頭の形や向き癖が気になる一方で、枕を使っても安全なのか不安に感じる方は多いのではないでしょうか。新生児に枕を使うことの危険性や窒息リスクも心配になりますし、ドーナツ枕やくぼみ型、メッシュ素材などベビー枕には種類が多く、どれを選べばよいのか判断しづらいものです。
本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、専門的な知見と日々の寝具開発のノウハウを交えながら、赤ちゃんの睡眠環境における安全性の重要性や、月齢に応じた適切な寝具の選び方について詳しく解説します。
赤ちゃんに枕は必要?
大人の場合、首から背骨にかけてゆるやかなS字カーブがあるため、その隙間を埋めて負担を減らす目的で枕を使います。一方、生まれたばかりの赤ちゃんの背骨は丸みを帯びたカーブに近い状態にあるとされており、首元に大きな隙間ができにくいため、枕がなくても寝苦しさにつながりにくいと考えられています。
ベビー枕の購入を検討する前に確認しておきたいのは、赤ちゃんの寝床全体の安全性です。1歳未満の赤ちゃんの睡眠環境については、こども家庭庁があおむけ寝や寝具の硬さなど具体的な考え方を示しています。※1
枕を使うかどうかを決める前に、まずはこうした基本的な安全対策を理解しておきましょう。
枕を使う場合の注意点
赤ちゃんに枕を使う場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
赤ちゃんの睡眠中の事故で特に注意したいのが窒息です。消費者庁が厚生労働省の人口動態調査をもとに分析したところ、2010年から2014年までの5年間で、0歳児の就寝時の窒息死事故は160件確認されました。これは0歳児の不慮の事故死全体502件のうち、32%を占めています。
事故の内訳をみると、「顔がマットレスなどに埋まる」が33件ともっとも多く、「掛け布団などの寝具が顔を覆う、または首に巻きつく」が17件、「ベッドと壁の隙間などに挟まれる」が13件と続きます。※2
この結果からわかるのは、柔らかい寝具が顔の周りにある状態がリスクを高めやすいということです。枕も柔らかい寝具のひとつと考えれば、赤ちゃんの顔が沈み込まない硬さかどうか、寝返りで顔が枕に近づいても自分で向きを変えられる発達段階かどうかなどをよく確認し、目の届く範囲で様子を見守ることが欠かせません。
関連記事:枕の種類を徹底比較!素材・サイズ・高さで失敗しない選び方と快眠への近道
枕を使い始める時期
「赤ちゃんの枕はいつから使えるか」という疑問に対して、月齢だけで一律に答えるのは難しいところがあります。目安のひとつとしてよく挙げられるのは、寝返りが上手になり、自分で顔の向きを変えられるようになる1歳前後です。赤ちゃんの頭の骨は生後6か月を過ぎたころから少しずつ固まり始め、1歳ごろには形がほぼ定まってくるといわれており、この時期を目安に枕の使用を検討する家庭が多く見られます。
ただし、月齢が目安に達していても、首すわりや寝返りの状況、寝床の周りに余計なものがないかどうかは赤ちゃんによって差があります。1歳を過ぎたからといって枕を必ず使わなければならないわけではなく、寝相や体格に合わせて無理に取り入れる必要はありません。
ベビー枕を使う主な目的
ベビー枕の使用を検討する理由として多いのは、頭の形や絶壁の予防、向き癖への対策、吐き戻しの軽減の3つが挙げられます。ただし、いずれの目的についても、枕を使えば必ず効果が得られるわけではない点を押さえておくことが重要です。
1. 頭の形や絶壁の予防
赤ちゃんの頭の形や、後頭部が平らになる「絶壁」と呼ばれる状態が気になる保護者の間では、中央がくぼんだドーナツ型やくぼみ型の枕が候補として検討されることがあります。頭の一点にかかる圧を分散させる目的で使われますが、枕だけを使えば頭の形が必ず整うというわけではありません。実際には、寝る向きの偏りや抱っこの時間、うつぶせ遊びの機会なども頭の形に影響するといわれており、枕はひとつの対策として捉えることが大切です。
なお、FDA(アメリカ食品医薬品局 )は、頭の形を整えることをうたうベビー枕について「医学的な効果を裏づける根拠はなく、窒息や乳児突然死のリスクを高める可能性がある」として使用を推奨していません。※3
頭の形が気になる場合は、枕だけに頼らず、乳幼児健診などの機会に相談することも検討しましょう。
2. 向き癖への対策
赤ちゃんがいつも同じ方向を向いて寝る向き癖がある場合、枕の形状で向きを調整しようとする声もよく聞かれます。ただし、枕で無理に頭の向きを固定してしまうと、赤ちゃんが苦しさを感じても自分で姿勢を変えられなくなるおそれがあります。向き癖が気になるときは、授乳の向きを左右で変える、起きている時間に向きを変えて声をかけるなど、日常の関わり方の中で少しずつ調整し、枕を使うにしてもあくまでも補助的役割と考えておくとよいでしょう。
3. 吐き戻しの軽減
授乳後の吐き戻しが気になる場合、上体にゆるやかな傾斜をつけるクッションや枕が候補にあがることがあります。しかし、自己判断で高さをつけすぎると、かえって赤ちゃんの姿勢が不安定になり、寝返りで顔が沈み込みやすくなることも考えられます。吐き戻しへの対策としては、授乳後にしばらく縦抱きで様子をみる、げっぷをしっかり促すといった過ごし方とあわせて、寝床の安全性を優先することが基本です。
関連記事:あなたに最適な枕の選び方
赤ちゃん枕を選ぶときのポイント
ベビー枕にはさまざまな種類がありますが、商品ランキングの上位を見るだけでは、自分の赤ちゃんに合うかどうかを判断しにくいですね。
| 枕の種類 | 特徴 |
| ドーナツ型・くぼみ型 | 中央がくぼみ、頭の一点への圧を分散させる |
| 傾斜型 | 上体にゆるやかな傾斜をつけられる |
| 平型 | 厚みが少なく、日常的に使いやすい |
1. 硬さと形状を確認する
枕を選ぶうえでまず確認したいのが、硬さと形状です。柔らかすぎる素材は赤ちゃんの顔が沈み込みやすく、こども家庭庁が示す「身体が沈まない硬めで平坦な寝具」という考え方にも合いにくくなります。※1
ドーナツ型やくぼみ型は頭への圧を分散させる目的で使われますが、頭をしっかり固定しすぎる形状は避け、寝返りをしたときに顔の向きを変えやすいかどうかもあわせて確認しましょう。
2. 通気性と洗いやすさを確認する
赤ちゃんは大人よりも汗をかきやすく、よだれや吐き戻しで枕が汚れることも少なくありません。メッシュ素材など通気性のよい生地を選ぶと、蒸れを軽減しやすくなります。
また、清潔な状態を保てるよう、カバーが取り外せるか、家庭の洗濯機で洗えるか、乾きやすい素材かどうかも確認しておきましょう。洗える枕を選んでおくと、汚れを気にせず日常的に使い続けやすいです。
3. 対象月齢とサイズを確認する
商品によっては「新生児から使用可能」と表示されているものもありますが、表示だけで判断せず、赤ちゃんの発達状況に合っているかどうかを確認することが大切です。大きすぎる枕や高さのありすぎる枕は、赤ちゃんの体格に対してバランスが悪くなることがあります。対象月齢の目安や厚み、普段使っている寝床との相性を確認したうえで、無理のないサイズを選びましょう。
枕以外にも整えたい赤ちゃんの睡眠環境
枕選びに気を配ることも大切ですが、赤ちゃんの安全な眠りを考えるうえでは、寝床全体を整えることが優先されます。こども家庭庁は、1歳になるまではあおむけに寝かせること、身体が沈み込まない硬めで平坦な寝具を使うことを基本的な考え方として示しています。※1
1. 赤ちゃんの周りに物を置かない
ぬいぐるみやタオル、クッションはかわいらしく、つい寝床に置きたくなるものですが、こども家庭庁はこうしたやわらかいものが赤ちゃんの窒息リスクにつながると説明しています。※1
タオルを枕代わりに使う場合も、厚みや置き方によっては顔をふさぐ可能性があるため注意が必要です。寝ている間の赤ちゃんの顔まわりには何も置かない状態にしておきましょう。
2. 布団を重ねすぎない
赤ちゃんが寒くないか心配になり、掛け布団を重ねたくなることもあるかもしれません。しかし、こども家庭庁は掛け布団の代わりにスリーパーなど着るもので温度を調整する方法を紹介しています。※1
掛け布団を使う場合は、顔にかからないよう肩までの高さにとどめる、室温を調整するなど、状況に応じた工夫を組み合わせるとよいでしょう。なお、公益社団法人日本小児科学会は、掛け布団の使用を一律に禁止するような表現については、実際の家庭の状況との乖離が大きく、保護者や保育関係者に混乱を招きかねないとも指摘しています。※4
目の前にいる赤ちゃんの様子をしっかり観察しながら、対応しましょう。
赤ちゃん枕に関するよくある疑問
ここまでの内容と重なる部分もありますが、赤ちゃんの枕について特によく聞かれる3つの疑問を、あらためてQ&A形式で整理します。
Q1. 赤ちゃんにドーナツ枕は使ってもいい?
ドーナツ枕は、頭の形や向き癖が気になる場合に検討される枕のひとつですが、すべての赤ちゃんに必ず必要というわけではありません。使う場合は、対象月齢・硬さ・通気性が適切かを確認したうえで、使用中は目の届く範囲で見守るようにしましょう。頭の形について強く気になる場合は、自己判断だけで進めず、乳幼児健診などの機会にかかりつけの医師へ相談することも選択肢のひとつです。
Q2. 新生児から使える枕は安全?
商品説明に「新生児から使用可能」と書かれていても、その表示だけですべての赤ちゃんに適していると判断してはいけません。赤ちゃんの発達や体格には個人差があり、同じ枕でも顔が沈み込みやすいかどうかは寝床の状態によっても変わります。使用する場合は、寝具全体の硬さや、赤ちゃんの顔まわりに余計なものがないかもあわせて確認することが大切です。
Q3. ベビー枕をプレゼントしてもいい?
出産祝いとしてベビー枕を選ぶこと自体は問題ありません。ただし、デザインの好みだけでなく、対象月齢・安全性・洗いやすさも確認しておくと親切です。生まれたばかりの時期はまだ枕を使わない家庭も多いため、贈った枕をすぐに使ってもらえるとは限りません。相手の育児方針を尊重しながら、月齢が上がってからでも使いやすいシンプルな形状や、寝具全体になじみやすいアイテムを選ぶとよいでしょう。
まとめ:赤ちゃんに枕は必ずしも必要ではない
ここまで見てきたように、赤ちゃんに枕は必ずしも必要なものではなく、使うかどうかは月齢や発達の状況、寝床全体の安全性を踏まえて判断することが大切です。新生児期は枕がなくても首に負担がかかりにくいとされており、使い始めを検討する場合も、寝返りや首すわりの状況を見ながら1歳前後を目安にするとよいでしょう。
頭の形や向き癖、吐き戻しが気になるときも、枕だけで解決しようとしないことです。あおむけ寝や硬めで平坦な寝具、顔まわりに物を置かないといった基本的な睡眠環境を整え、必要に応じて枕を取り入れると安心です。
・参考
※1 乳幼児突然死症候群(SIDS)について | こども家庭庁
※2 0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください! | 消費者庁
※3 Recommendations for Parents/Caregivers About the Use of Baby Products | FDA
※4 乳児の安全な睡眠環境の確保について | 公益社団法人日本小児科学会











