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監修者
石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。
「最近なかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「眠れているはずなのに日中もぼんやりする」—こうした睡眠の悩みが続いていると、心身への影響が心配になりますよね。倦怠感やイライラ、集中力の低下だけでなく、このまま放置して大きな病気につながらないかと不安を感じている人も少なくないでしょう。
厚生労働省の令和4年国民健康・栄養調査によれば、ここ1ヶ月間で睡眠によって十分な休養がとれていないと感じた人の割合は20.6%にのぼります。1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性37.0%、女性39.9%であり、男性の30〜50代、女性の40〜60代では4割を超えているというデータを見ると、眠れない悩みは多くの人が抱える問題ともいえます。※1。
本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、不眠が続くと起こりやすい心身の変化や日中に出やすい不調、慢性化した場合に注意したいリスクをわかりやすく解説したうえで、自宅で見直せる睡眠環境や就寝前の習慣についても紹介します。
不眠が続くと出やすい不調
不眠が続いたとき、最初に影響が出やすいのは「日中の状態」です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、不眠症とは、「夜間の不眠が続くこと」だけでなく、「日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下すること」の2点が認められたときに診断される状態と示されています。※2
つまり、夜眠れないだけでなく、翌日の体調や生活への影響も重要な判断軸になります。
日中の不調は、体調面・メンタル面・仕事や生活面のそれぞれに現れることが多く、見落としがちなサインも含まれています。それぞれの側面から、不眠が続いたときに出やすい変化を確認していきましょう。
1. 体調に現れるサイン
不眠が続くと、身体にはさまざまな不調が現れます。代表的なものとして、だるさや倦怠感、頭が重い感覚(頭重感)、めまい、食欲不振、疲れが取れない感覚などが挙げられます。※2
単に「眠れない」だけの問題ではなく、目が覚めた後も体が十分に回復できていないような感覚が積み重なることで、日常生活の質が低下していきます。
特に、熟睡感が得られない状態が続くと、体の修復が不十分なまま朝を迎えることになります。「最近ずっとだるい」「しっかり休んだはずなのに疲れが取れない」と感じるようになってきた場合、睡眠の質や量の問題が背景にある可能性が高いです。「疲れているだけ」と片付けず、睡眠との関係を一度確認してみてください。
2. 気持ちや感情として現れるサイン
不眠は、気持ちや感情にも影響を及ぼします。イライラしやすい、不安感が強くなる、気分が落ち込む、やる気が出ないといった変化は、睡眠不足が続いたときに現れやすいサインです。※2
日本睡眠学会の不眠障害の診断基準においても、気分不調やいらいら、睡眠への心配や不満といった症状が、夜間の不眠と並ぶ重要な日中症状として挙げられています。※3
また、「眠れないこと」への焦りや心配が強くなると、ベッドに入るたびに「また眠れないかもしれない」という不安が高まり、さらに眠れなくなる悪循環に陥りやすいことも知られています。気持ちの変化を「ただのストレス」として捉えるのではなく、睡眠との関係も視野に入れることが大切です。
3. 仕事や家事のパフォーマンスに現れるサイン
不眠が続くと、集中力や判断力の低下、ミスの増加、日中の強い眠気、家事や仕事の効率の低下などが起こりやすく、仕事や家事など日常の活動にも支障が出てきます。
日本睡眠学会のガイドラインでも、注意力・集中力・記憶力の低下、社会生活・家庭生活・職業生活上の支障、過失や事故を起こしやすくなることが、不眠障害の日中症状として記載されています。※3
「最近ミスが増えた」「午後になるとぼんやりする」「以前はすぐできた作業に時間がかかる」といった変化を感じていたり、周囲から指摘を受けたりしているなら、睡眠の問題が影響している可能性を視野に入れてみてください。
一時的な不眠と慢性的な不眠の違い
不眠には、数日〜数週間で自然に解消する一時的なものと、慢性化して継続する場合があり、対処の方向性が異なりますので、「まだ様子を見て良いのか、それとも相談すべき状態なのか」を判断するための基準を知っておきましょう。
国立精神・神経医療研究センターによれば、不眠が週3日以上、かつ3ヶ月以上続く場合は、治療が必要な慢性不眠症の可能性があります。※4
一方、試験や引越し、仕事上のプレッシャーなどをきっかけに数日〜数週間眠れなくなる「一時的な不眠」は、原因となるストレスが解消されることで自然に改善するケースも多くあります。※5
ただし、一時的な不眠が慢性化するケースも少なくありません。眠れなかった経験から「また眠れないかもしれない」という不安が生まれ、その不安がかえって眠れない状態を引き起こすという悪循環が続くと、慢性不眠症へと移行しやすいです。※5
慢性化しているかどうかを判断する際は、頻度(週3日以上か)、期間(3ヶ月以上か)、日中の支障があるかの3点を確認してみましょう。3つの条件が重なる場合は、セルフケアだけで様子を見るよりも、医療機関への相談を検討するタイミングです。
関連記事:不眠症と脳の異常の関係|症状の見分け方と改善アプローチを徹底解説
不眠のタイプとその対処法
不眠といっても、その症状は一様ではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、不眠の症状として入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害の4つが挙げられています。※2
単独の場合だけでなく、複数の症状が組み合わさっている場合もありますので、それぞれのタイプを確認し、自分の状態を整理してみましょう。
入眠困難:寝つきが悪い
入眠困難とは、ベッドに入ってもなかなか眠れない状態のことです。横になってから30分〜1時間以上眠れない状態が続く場合が該当します。
寝つきが悪くなる背景には、就寝直前のスマートフォンの使用、カフェインの摂取、強いストレス、ベッドの中で考えごとをしてしまう習慣などが関係していることが多いです。「ベッドに入るとかえって頭が冴える」「眠ろうとするほど目が覚める」という経験がある場合は、後述する就寝前の習慣の見直しが改善のきっかけになるかもしれません。
中途覚醒:夜中に何度も目が覚める
中途覚醒は、眠り始めることはできても、睡眠の途中で何度も目が覚めてしまう状態です。目が覚めるたびに再び眠れなくなる場合もあり、トータルの睡眠の質が大きく低下します。
中途覚醒には、加齢による眠りの浅化、就寝前の飲酒(寝酒)、騒音や光などの寝室環境、強いストレス、夜間のトイレの回数の増加などが関係していることが少なくありません。特に寝酒は一時的に眠りやすくなる感覚があるものの、睡眠の後半に覚醒を引き起こしやすいため、習慣になっている場合は見直しを検討してみてください。
早朝覚醒:朝早く目が覚めて眠れない
早朝覚醒は、本来起きる予定の時刻よりも2時間以上早く目が覚め、その後眠れなくなる状態です。加齢とともに体内時計が前倒しになる傾向があり、高齢者に多く見られる不眠のタイプの一つです。
早朝覚醒は、生活リズムが前倒しになることで起こることが多いとされています。また、気分の落ち込みや意欲の低下を伴う場合は、うつ状態との関連が指摘されることもあるため、こうした症状が重なっている場合は、早めに医療機関への相談を検討してみてください。
熟眠困難:眠ったはずなのに疲れが取れない
熟眠困難(熟眠障害)は、睡眠時間はある程度確保できているにもかかわらず、眠りが浅い感覚が続いたり、起きたときに疲れが取れていないと感じたりする状態です。「8時間は寝ているのになぜかいつもだるい」という悩みは、熟眠困難に当てはまることがあります。
背景には、寝室環境の問題(光・音・温度・湿度)、体に合わない寝具による寝返りのしにくさ、睡眠時無呼吸症候群など、睡眠の「量」ではなく「質」に関わる要因が関係していることがあります。症状が続く場合は、まず寝室環境や寝具の見直しから始め、それでも改善しない場合は医療機関への相談も選択肢の一つです。
不眠が続く原因として考えられること
国立精神・神経医療研究センターでは、不眠を引き起こしたり慢性化させたりする要因として、ストレス、不適切な睡眠習慣(睡眠衛生不良)、床上時間が長すぎることによるミスマッチ、日中の活動量の低下などを挙げています。※4
また、不眠が精神疾患や身体疾患に伴って生じる場合があることも指摘しています。
代表的な原因を3つに整理して解説します。
1. ストレスや不安による緊張
強いストレスや不安がある状態にあると、脳や体が交感神経優位の緊張状態になり、寝つきの悪さや夜中の途中覚醒につながりやすくなっています。仕事のプレッシャーや人間関係の悩み、生活上の大きな変化などが引き金になることが多いです。
また、「眠れなかったらどうしよう」という焦りや恐怖が加わると、ベッドに入ること自体が不安と結びついてしまい、さらに眠れない状態を引き起こすという悪循環に陥りかねません。就寝前に頭の中を整理する時間をつくる、深呼吸や軽いストレッチなどリラックスできる行動を取り入れるといった工夫が、悪循環を断ち切る一助になります。
2. カフェインや寝酒などの生活習慣
日常生活の中のちょっとした習慣が、不眠を悪化させる原因になっていることがあります。午後以降のコーヒーや緑茶・エナジードリンクなどのカフェイン摂取、夜のたばこ(ニコチン)、寝酒としてのアルコール、夜更かし、昼間の長すぎる昼寝などは、睡眠の質を下げる可能性がある習慣です。
カフェインの覚醒作用は摂取後4〜6時間程度持続するため、夕方以降のカフェイン摂取には注意しましょう。アルコールは一時的に寝つきを良くする感覚があるため、寝酒として習慣化しているケースも多いですが、実際には睡眠の後半に覚醒を引き起こしたり、眠りを浅くしたりするため、長期的には不眠を悪化させます。まず今日から見直せることとして、カフェインの摂取を昼頃までに切り上げること、就寝前の飲酒習慣を振り返ることから始めてみてください。
3. 寝室環境や寝具が合っていない
睡眠の質は、寝室の環境にも大きく影響されます。寝室の明るすぎる照明、外からの騒音、夏の暑さや冬の乾燥、体に合わない寝具の硬さや寝姿勢のサポート不足などが、眠りを浅くしたり途中で目を覚ましたりする原因になることがあります。
自分の睡眠環境が整っているかどうかを一度見直してみることは、薬や医療機関への相談の前にできる重要なセルフケアの一つです。特に、毎晩使う寝具は睡眠の質に直結するため、体型や寝姿勢に合ったものを選ぶことが大切です。
関連記事:不眠や睡眠不足が脳に与えるダメージとは?多くの研究でわかった驚きの影響と回復方法
不眠が続くと生活習慣病のリスクにも注意
不眠や睡眠不足が長期間続くと、日中の不調だけでなく、肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病との関連も指摘されています。睡眠は食事や運動と並ぶ健康習慣の一つであり、質・量ともに十分に確保できていない状態が続くと、体全体に影響を及ぼす可能性があります。
過度に不安になる必要はありませんが、不眠を「気の持ちよう」や「自分の体質だから仕方ない」と捉えて放置し続けることもよくないといえます。睡眠を意識的に整えることは、生活習慣病の予防や健康維持にとっても重要な取り組みです。日々の眠りを「ついでに改善する」のではなく、食事・運動と同じように意識して整える習慣として位置づけてみましょう。
不眠が続くときに見直すべき習慣
不眠が続いているとき、まず取り組みやすいのが生活習慣の見直しです。医療機関での治療と並行して行われることも多く、「睡眠衛生指導」として推奨されているアプローチです。
今日から実践しやすい習慣の改善ポイントを3つ紹介しますが、あくまでも生活習慣の改善の提案であり、治療行為の代替になるものではない点にご注意ください。日中の支障が大きい場合や症状が長期間続く場合は、後述する受診の目安も併せて検討してください。
1. 起きる時間を一定にする
睡眠習慣を整えるうえで、寝る時間を一定にするよりも「起きる時間を毎日同じにすること」を優先することが重要です。光を浴びて目が覚める時刻を基準に設定される体内時計は、起床時刻を一定にすることで安定しやすくなるためです。※5
休日に遅くまで寝る「寝だめ」や、長時間の昼寝は、夜の眠気を弱めて就寝時刻を後ろにずらしてしまうため、かえって不眠を悪化させかねません。昼寝をとる場合は、午後の早い時間帯に15〜20分程度にとどめてみてください。「なかなか眠れないから、眠れるまでベッドにいる」という行動も、かえってベッドと眠れない感覚を結びつけてしまうことがあるため避けましょう。眠れない状態が続く場合は、一度ベッドから出て別の場所でリラックスして過ごし、自然に眠くなるのを待つのがおすすめです。
2. 寝る前のスマホやカフェインを控える
就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は、画面から発せられるブルーライトが脳を覚醒させ、眠りに入るために必要なメラトニンの分泌を抑制する可能性があります。就寝1〜2時間前からは使用を控えることが望ましいです。
また、カフェインの覚醒作用は摂取後4〜6時間程度持続するため、夕方以降のコーヒーや紅茶、エナジードリンクの飲用には注意が必要です。そして、就寝前の時間帯はスマホを見る代わりに読書や軽いストレッチ、温かい飲み物(カフェインを含まないハーブティーなど)でリラックスする時間に置き換えてみましょう。完全にやめることが難しい場合は、実践しやすい方法を一つだけ決めて始めると、習慣化しやすくなります。
3. 寝室の光や温度と寝具を見直す
快適な睡眠環境を整える基本は、暗さ・静かさ・適切な温度と湿度の3点から考えることです。就寝時の寝室は、遮光カーテンなどを活用して暗目に設定し、外からの騒音が気になる場合は耳栓などを使った防音対策を試してください。
室温は夏に26〜28度前後、冬に16〜19度程度が快適な睡眠に適しているとされています。また、マットレスや枕が体型や寝姿勢に合っていないと、寝返りがうちにくくなったり、体圧が特定の部位に集中して眠りが浅くなったりしやすいです。長年使い続けている寝具がへたっていたり、起きたときに体のどこかに痛みを感じることが多い場合は、寝具の見直しを検討しましょう。
病院へ相談した方がよいケース
生活習慣の見直しで改善するケースも多い一方で、不眠の状態や背景によっては、早めに医療機関へ相談することが重要になります。国立精神・神経医療研究センターが示す慢性不眠症の目安(週3日以上かつ3ヶ月以上)に当てはまる場合や、不眠に加えて身体的な症状や強いメンタルの不調を伴う場合には、自己対処だけで様子を見ることには限界があります。※4
「まだ病院に行くほどではない」と感じていても、以下のポイントを参考に、ご自身の状態を確認してみてください。
1. 日常生活への支障が出ている
仕事でのミスが目立つようになった、家事が以前のようにこなせない、強い眠気で運転や機械操作が危険に感じる、気分の落ち込みが続くなど、日常生活に具体的な支障が出ている場合は、早めに医療機関への相談を検討してください。
「我慢すれば乗り越えられる」と感じていても、日中の支障が続く状態は心身にとって大きな負担です。不眠症は適切な治療や生活指導によって改善が期待できる状態ですので、一人で抱え込まずに専門家への相談を検討してください。不眠の治療には、睡眠薬や抗不安薬などの薬物療法のほか、認知行動療法など薬を使わないアプローチもあります。自分の状態に合った方法を知るためにも、まずは相談することを考えてみましょう。
2. 身体の病気や薬の影響が気になる
不眠は、睡眠そのものの問題だけでなく、甲状腺の疾患、慢性的な痛みやかゆみ、呼吸器の問題(睡眠時無呼吸症候群など)、服用中の薬の副作用などが影響している場合もあります※4。
「不眠の原因が身体の病気かもしれない」と感じる場合は、自己判断で服用中の薬を中止したり変更したりせず、医療機関で相談することが大切です。特に睡眠時無呼吸症候群は、本人が自覚しないうちに睡眠の質を大きく低下させることがあり、熟眠困難や日中の強い眠気が続く場合の確認ポイントとして覚えておくと役立ちます。いびきが激しい、朝起きたときに頭痛がする、昼間に抗いがたい眠気があるといった症状が重なる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も念頭に置いて受診を検討してみてください。
まとめ:不眠が続くときは日中の支障と期間を確認しよう
不眠が続くと、体調・メンタル・仕事や生活の質にさまざまな影響が現れます。「ただ眠れない」だけでなく、日中の倦怠感・集中力の低下・イライラや気分の落ち込みが重なっている場合は、不眠が生活全体に支障を与えているサインとして捉えることが大切です。
どの不眠タイプに当てはまるかを把握したうえで、起床時間の固定や寝室環境と寝具の改善など生活習慣のセルフケアから取り組んでみてください。
一方で、週3日以上かつ3ヶ月以上不眠が続いている場合や日中の支障が強い場合、気分の落ち込みや身体症状を伴う場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、医療機関への相談を検討してください。睡眠は食事・運動と同様に、健康を支える大切な柱の一つです。今日から見直せる習慣を一つずつ積み重ねながら、必要に応じて専門家のサポートも活用していきましょう。
・参考
※1 令和4年 国民健康・栄養調査報告 | 厚生労働省
※2 e-ヘルスネット「不眠症」 | 厚生労働省
※3 睡眠障害のスクリーニングガイドライン | 日本睡眠学会
※4 不眠症 | 国立精神・神経医療研究センター
※5 こころの情報サイト「不眠症」 | 国立精神・神経医療研究センター











