目次
監修者

本多 洋介
群馬大学医学部卒業。
伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院(いずれも循環器内科)を経て、Myクリニック本多内科医院院長。
- 免許・資格
総合内科専門医、循環器内科専門医、日本心血管インターベンション学会専門医、軽カテーテル的大動脈弁植え込み術指導医(Sapienシリーズ、Evolutシリーズ)
冬の夜、暖房をつけたまま寝るべきか、それとも消して布団に入るべきかで悩んだ経験がある方は少なくないはずです。
私自身も以前、電気代が気になって暖房を切って寝たところ、夜中の冷えで何度も目が覚め、翌朝は体が重く感じたことがありました。一方で、つけっぱなしにすると今度は喉の乾きや空気のこもりが気になり、結局どちらも正解に思えなかったのです。
実は、寝る時の暖房は「つけるか消すか」の二択ではなく、室温と湿度のバランスやタイマーの使い方、寝具の工夫を組み合わせると快眠に近づき、電気代も抑えやすいです。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、寒さや乾燥に振り回されず、無理なく続けられる冬の寝室づくりを、具体的な目安と実体験を交えながら分かりやすく解説していきます。
冬の睡眠は室温と湿度で決まる:まずは目安と理由を押さえる

冬の寝室づくりでは、「寒いから暖房を強くする」という感覚的な判断から一歩進み、睡眠の質と健康の両方を支える数値の目安を知っておくことが重要です。室温や湿度は目に見えない要素ですが、入眠のしやすさや夜間の目覚めやすさに直結するからです。
室温は18〜20℃を起点に考える:寒すぎも暖めすぎも避ける
冬の室温で最初に知っておきたいのは「18℃」という数値です。国土交通省がまとめた住環境に関する資料では、冬の室内温度は18℃以上を保つことが推奨されています※1。これは寒冷な環境に長くさらされると血圧が上がりやすくなり、健康リスクが高まるためです。
ただし、健康のために暖めれば暖めるほど良いというわけではありません。人は眠りに入るとき、深部体温がゆるやかに下がることで脳と体が休息モードへ切り替わります。室温が高すぎるとこの体温低下が妨げられ、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしやすくなります。そこで実務的な目安としては、まず18〜20℃前後を起点に設定し、自宅の断熱性能や自分の寒がり・暑がりの傾向に合わせて微調整する考え方が現実的です。
なお、室温は部屋の中央と足元、ベッド周りで差が出やすいため、温湿度計は枕元付近など実際に眠る位置で測ることが大切です。
湿度40〜60%が乾燥対策の要:喉・鼻の不快を減らす
室温と並んで冬の睡眠を左右するのが湿度です。暖房を使うと空気中の水分量が下がりやすく、湿度が40%を下回ると喉や鼻の粘膜が乾燥しやすくなります。粘膜の乾きはウイルスへの抵抗力を下げるだけでなく、呼吸の違和感やイガイガ感で夜中に目が覚める原因にもなります※2。
快眠の観点では50〜60%前後が理想ですが、窓の結露やカビが気になる住環境では、無理に上げすぎず40〜60%の範囲を安定して保つことを目標にしましょう。加湿器を使う場合は一晩中フル稼働させるのではなく、就寝前に部屋全体の湿度を底上げする意識がポイントです。加湿器がない場合は、濡れタオルを室内に干すなどの方法で一定の効果が期待できます。
寝室の温度と寝床内環境は別物:布団の中の快適さも設計する
室温の数値だけを追いかけていると、必要以上に暖房を強めてしまいがちです。そこで知っておきたいのが、布団の中の環境を指す「寝床内環境」という考え方です。長寿科学振興財団によると、理想的な寝床内は温度がおよそ33℃、湿度が50%前後とされています※3。
この数値は、部屋全体を33℃にするという意味ではありません。布団や毛布、パジャマの組み合わせによって体の周りに適度な空気の層をつくり、その中を快適な温湿度に保つという発想です。寝床内が整っていれば、室温を18〜20℃に抑えたままでも十分に暖かく眠ることができます。
関連記事:寝る時の暖房はつけるべき?睡眠の質と電気代を両立する冬の室温管理術
寒さによる血圧の急激な変化は、高血圧の方や高齢者にとって深刻なリスクになりますので、寒暖差を避けることは重要です。夜間の冷えを軽く考えず、枕元に温湿度計を置いて数値を確認する習慣を、今夜からぜひ始めてみてください。
寝る時の暖房をつけるか迷ったら:判断基準はこの3つ

「結局、寝るときの暖房はつけっぱなしが正解なのか、それとも切ったほうがいいのか」と迷う人は少なくありません。実際には、どの家庭にも当てはまる唯一の正解はなく、体の状態や住環境、何を優先したいかによって選ぶべき運用は変わります。
自分の状況に当てはめて判断できる3つの基準について解説します。
基準1:体調と同居家族の条件で「寒さリスク」を優先する
最初に考えたいのは、寒さが体調に与える影響をどの程度避けるべきかという点です。夜中に寒さで目が覚めやすい人や、トイレに行く回数が多い人、小さな子どもや高齢者と同じ住まいで眠っている場合には、寝室を極端に冷やさないことが重要です。夜間に室温が下がっていると血圧が変動して体への負担が大きくなるため、無理に暖房を完全に切ることがリスクになりかねません※1。
一方で、暑さや乾燥で喉の痛みや不調が出やすい人は、つけっぱなしよりもタイマーを活用したほうがいい場合があります。「暖房を使うかどうか」というよりも「寒さによる負担と乾燥による不快のどちらを避けたいか」を軸に考えることが大切です。
基準2:家の断熱と寝室の冷え方で必要な暖房量が変わる
同じ設定温度でも、実際の体感は住環境によって大きく変わります。築年数が経過した住宅や窓が大きい寝室、北側に位置する部屋では、夜間から明け方にかけて室温が想像以上に下がります。特に窓際や床付近は冷え込みやすいため、布団に入っていても冷気を感じて中途覚醒の原因になりやすいです。
温湿度計を実際に寝る位置の高さに置いて確認し、適温に調節できるようエアコンを使う方法が有効です。カーテンや断熱シートで冷気を抑えるといった方法も検討しましょう。
基準3:電気代と乾燥の許容度で運用を決める
最後に、コストと快適性のバランスをどう取るかを整理します。暖房をつけっぱなしにすると、夜間の温度変化が少なくなり快適性は高まりますが、その分電気代や空気の乾燥が気になりますね。反対に完全にオフにすれば節約にはなりますが、朝方の冷え込みで目が覚めたり、体がこわばったりする原因になります。
節約を優先したい場合は、就寝後に室温が下がりすぎない範囲でタイマーを設定し、下げ幅を小さくする運用が現実的です。乾燥がつらい人は、加湿を前提に一定の室温を保つほうが眠りやすいかもしれません。どのような状態が眠りやすいのか、いくつか試しながら最適な方法を見つけることが大切です。
関連記事:【医師監修】ぐっすり眠る方法6選:質の高い睡眠が心身を変える
つけっぱなしで寝るなら:失敗しない5つのポイント

暖房をつけっぱなしで眠る選択は、寒さによる中途覚醒を防ぎやすい一方で、設定を誤ると暑さや乾燥によって睡眠の質を下げてしまいます。失敗の多くは、必要以上に温度を上げてしまうことと、乾燥対策を後回しにすることにあります。
そこで、今日からそのまま実践できる5つのポイントを解説します。読みながら自分の寝室を思い浮かべ、当てはまるかどうかを確認してみてください。
1 設定温度は高くしすぎない:まず18〜20℃から微調整する
つけっぱなし運用で最初に守りたいのは、設定温度を上げすぎないことです。暖房は強くすれば快適になると思われがちですが、室温が高くなりすぎると深部体温が下がりにくくなり、寝つきの悪さや夜中の目覚めにつながります。資源エネルギー庁が示す省エネの考え方でも、暖房時は必要以上に設定温度を上げないことが推奨されています※4。
基本は18〜20℃前後を起点にし、寒さを感じたら一度に大きく上げるのではなく、1℃ずつ調整しましょう。就寝直後だけ寒さが気になる場合は、寝る前に短時間だけ室温を上げておく「予熱」を行い、布団に入る頃には通常設定に戻すと、快適さと眠りやすさを両立しやすいです。
2 湿度40〜60%を維持する:加湿はやりすぎない設計にする
つけっぱなし運用では乾燥対策が欠かせませんが、加湿器を置けば安心というわけではありません。目標は湿度40〜60%の範囲を安定させるために、50%前後を一つの目安にすると喉や鼻の不快が出にくくなります。
加湿器は顔の近くではなく、部屋全体に湿気が回る位置に置き、就寝中は必要以上に加湿しすぎないようにします。湿度を上げすぎると結露やカビの原因になるため、朝起きたときに窓がびっしり濡れているようなら加湿量を下げてください。温湿度計で数値を確認しながら調整しましょう。
3 喉・鼻の乾き対策を重ねる:寝る前の準備で朝の不調を防ぐ
乾燥対策は湿度管理だけで完結させず、体側のケアも組み合わせると効果的です。寝る前にコップ一杯の水を飲んでおくと、就寝中の不感蒸泄による軽い脱水を防げます。喉や鼻が特に弱い人は、加湿器に頼りきらず、濡れタオルを室内に干すなど穏やかな方法を併用するとよいでしょう。
朝起きたときに喉の痛みや鼻の違和感が続く場合は、湿度が足りないもしくはエアコンの設定温度が高すぎると考えられます。体調のサインを翌朝まで持ち越さないことが、つけっぱなし運用を続けるコツです。
4 換気と空気のよどみを整える:眠りを邪魔しない範囲で行う
暖房を一晩中使うと、空気がこもって重く感じがちです。就寝前に数分間だけ換気を行い、新しい空気を取り込んでから暖房で再度温めてみましょう。換気後にすぐ布団に入るのではなく、室温が元に戻るのを確認してから眠ると、寒さによる覚醒を防げます。
夜中に何度も換気をする必要はなく、過度に行うと室温が下がりすぎて逆効果になります。あくまで「寝る前に一度整える」という位置づけで十分です。
5 直風・騒音・温度ムラを潰す:風向きと風量を最適化する
つけっぱなしで眠れない原因として多いのが、体に直接当たる風や運転音、部屋の温度ムラです。まずはエアコンの風向きを下向きや体の正面に固定せず、壁や天井に当てるように調整します。風量は強すぎない設定にし、弱めでも室温が保てる状態を目指します。
ダイキン工業が紹介する冬の睡眠に関する情報でも、直風を避け、部屋全体を均一に暖めることが快眠のポイントとして挙げられています※5。追加の機器を使わなくても、エアコン側の設定を見直すだけで改善するケースは少なくありません。
つけっぱなしが不安な人向け:タイマー運用で快眠と節約を両立する

一晩中暖房をつけることに抵抗がある人や、電気代や乾燥が気になる人にとって、タイマー運用は現実的な折衷案になります。ポイントは、寝る直前の寒さ、眠っている間の環境、起床時の冷えという3つの局面を分けて考えることです。
一般的な考え方を示したうえで、生活リズムに合わせて再現しやすい方法を解説します。
就寝30分前の予熱:布団に入る瞬間の寒さを消す
寝つけない最大の要因になりやすいのが、布団に入った瞬間の冷えです。この段階では長時間の暖房は必要ありません。就寝の30分ほど前に暖房を入れて室内を軽く予熱し、壁や床にたまった冷えを和らげることが主な目的です。設定温度は高くしすぎず、室温が18〜20度前後に近づけば十分です※6。
この予熱によって、布団に入った直後から体がこわばりにくくなり、自然に入眠へ移行しやすくなります。予熱が終わったあとは、次に説明するオフタイマーへ切り替えると、暖房を使いすぎずに快適さを保てます。
寝入ったらオフ:2〜3時間後に切る発想で乾燥とコストを抑える
眠りに入ったあとは、起きている時間帯と同じ環境を維持する必要はありません。入眠後2〜3時間が経過すると、体は深い睡眠に入りやすくなり、室温が多少下がっても眠りを妨げにくいです。このタイミングでオフタイマーを設定すると、乾燥と電気代の両方を抑えやすいでしょう。
途中で寒さによって目が覚めてしまう人は、切る時刻を早めすぎている可能性がありますから、完全にオフにすることよりも、予熱時の設定温度を見直し、夜間の室温が極端に下がらない下限を意識してください。乾燥を避けたい人にはこのような段階的な停止が現実的です※7。
起床1時間前オン:朝の冷えストレスを減らし起きやすくする
朝方の冷え込みは、布団から出る意欲を奪い、起床後の行動開始を遅らせがちです。そこで有効なのが、起床一時間前のオンタイマーです。目覚めたときにすでに室温が上がり始めていると、体が活動モードへ切り替わりやすくなり、寒さによるストレスも軽減されます。
このときも急激に暖める必要はなく、夜間オフからの再起動を想定して、穏やかに室温が戻る設定を意識します。乾燥が出やすい住環境では、加湿を就寝前に整えておくことで、朝の不快感を抑えやすくなります。夜のオフタイマーと朝のオンタイマーを組み合わせることで、快眠と節約の両立が可能です。
暖房に頼りすぎない:寝室を寒くしない環境づくりの基本

寝室が寒いと感じたとき、真っ先に暖房の設定温度を上げたくなりますが、それだけでは「底冷え」や「窓からの冷気」といった根本的な問題は解消されません。むしろ、室温を必要以上に上げることで電気代や乾燥の悩みが増えてしまうこともあります。
暖房に過度に頼らず、室温がそれほど高くなくても快適に眠れる環境を整えるための基本的な考え方を紹介します。
寝具の重ね方で寝床内を整える:室温を上げない快適化
寝室の快適さは、部屋全体の温度だけで決まるわけではありません。実際に体が包まれている布団の中、いわゆる寝床内の環境が大きく影響します。長寿科学振興財団が示す情報によると、理想的な寝床内は温度がおよそ33度、湿度は50パーセント前後とされています※1。
この状態をつくるためには、寝具の重ね方が重要です。羽毛布団を使っている場合、体から発せられた熱をしっかりため込む役割を羽毛が担い、その上に毛布を重ねることで熱が逃げにくくなります。逆に毛布を下に敷くと、せっかくの羽毛の保温力が十分に活かされません。
また、全身を均等に厚くするよりも、冷えを感じやすい足元を重点的に守ると暖まりやすいです。
窓と床の冷気を減らす:断熱の弱点から潰す
暖房をつけているのに寒いと感じるのは、温めた空気が室外に逃げ続けているからです。特に窓は外気の影響を受けやすく、カーテンが短かったり薄かったりすると、冷気が足元に流れ込んできます。
厚手のカーテンを床までしっかり垂らすだけでも、冷気の侵入を防げます。さらに、窓枠の隙間を簡易的に塞いだり、床にラグやマットを敷いたりして、冷えの伝わり方を和らげてみましょう。
また、室温設定だけでなく、冷気の侵入経路を減らすことが重要なポイントです※2。
補助暖房は安全第一:湯たんぽなどを使う場合の注意点
暖房の代わりとして、湯たんぽや電気毛布などの補助暖房を使う人も少なくありません。これらはうまく使えば効果的ですが、あくまで補助的な位置づけで考えることが大切です。特に注意したいのが低温やけどのリスクです。湯たんぽを直接肌に触れさせたまま長時間使用すると、痛みを感じにくいまま皮膚にダメージが蓄積することがあります。
安全に使うためには、足元など体から少し距離を取った位置に置き、布やカバーを介して熱がやわらかく伝わるようにします。また、寝る直前に体を温める目的で使い、入眠後は過度に体を温め続けないよう意識すると、寝つきの妨げにもなりにくくなります。補助暖房は「部屋を暖める代替」ではなく、「寒さを感じやすい部分を助ける道具」として捉えれば、安全性と快適性の両立がしやすいでしょう。
よくある悩み別Q&A:喉が痛い、電気代、途中で起きるを解決

ここでは、検索結果でも特に多い悩みを取り上げ、原因の考え方から具体的な対処手順、次に試す一手までを整理します。すべてを一度に完璧にしようとせず、当てはまるものから順に調整してみてください。
喉・鼻がつらい:湿度と風の当たり方を同時に見直す
- 暖房をつけて寝ると、朝に喉や鼻が痛くなります。
A. 原因は湿度不足だけでなく、直風や設定温度の高さが重なっていることが多いです。
まず目標にしたい湿度は40〜60%です。この範囲を下回ると喉や鼻の粘膜が乾きやすくなりますが、湿度計で確認せずに感覚だけで加湿すると、今度は結露やカビを招きがちです。加湿器がある場合は50%前後を目安にし、顔の近くではなく部屋全体に行き渡る位置に置きます。
次に確認したいのが風向きです。暖房の風が顔や上半身に直接当たっていると、体感以上に乾燥が進みます。風は壁や天井に当たるよう調整し、直風を避けます。それでも不調が出る場合は、設定温度が20℃を超えていないかを確認してください。温度が高すぎると空気中の水分が奪われやすくなります。
寝る前にコップ一杯の水を飲み、加湿器がない場合は濡れタオルを一枚干す方法もあります。これだけでも朝の違和感が軽減するケースは少なくありません。
電気代が不安:まず設定とタイマーで下げ幅を作る
- 暖房を使うと電気代が跳ね上がりそうで不安です。
A. 電気代は「つけっぱなし」かどうかより、設定温度と運用時間で大きく変わります。
暖房の消費電力は、設定温度が高いほど増えやすい傾向があります。資源エネルギー庁の省エネ情報でも、設定温度を控えめにすることが節約の基本として示されています※1。まずは18〜20℃を起点にし、今より1℃下げられないかを試すだけでも、月単位では差が出ます。
次に取り入れたいのがタイマーです。一晩中フル稼働させるのではなく、就寝後2〜3時間でオフにする、あるいは明け方だけオンにするなど、使う時間帯を絞ることで無理なく下げ幅を作れます。
寝具や窓の冷気対策を見直し、暖房に頼る量そのものを減らしてみてください。
途中で起きる:寒さか暑さかを切り分けて対処する
- 夜中に目が覚めてしまい、その後なかなか眠れません。
A. 中途覚醒の原因は、寒さ・暑さ・乾燥のどれかであることが多く、対処はそれぞれ異なります。
まず、目が覚めたときに「寒い」と感じる場合は、夜間に室温が下がりすぎている可能性があります。温湿度計で明け方の室温を確認し、16℃を下回るようなら、オフタイマーを遅らせるか、起床前オンタイマーを追加すると改善しやすくなります。
反対に「暑い」「寝汗をかく」と感じる場合は、設定温度が高すぎるか、つけっぱなし運用が合っていない可能性があります。この場合は設定温度を1℃下げるか、入眠後にオフタイマーで切るようにしてみましょう。
乾燥による不快で起きている場合は、湿度が40%を切っていないか、風が体に当たっていないかを確認します。
原因を一つに決めつけず、室温と湿度を測ったうえで「寒さ・暑さ・乾燥」のどれかを切り分けて調整することが重要です。一晩で完璧にせず、数日かけて微調整する意識を持つと失敗しにくいです。
今夜からできる:温湿度のチェック手順と最適化の進め方

ここまで読んでも「結局、うちはどう設定すればいいのか」で迷ってしまう人もいるでしょう。ポイントは、感覚ではなく数値で現状を把握し、目安に照らして小さく調整し、数日単位で体感を確認する流れを作ることです。一度仕組みができれば、寒波が来ても、電気代が気になっても、自分で最適化できるようになります。
実際に手を動かす手順を整理します。
まず測る:温湿度計の置き場所と見るべき数値
改善の第一歩は、今の寝室がどんな環境なのかを知ることです。温湿度計がないと「なんとなく寒い」「少し乾燥している気がする」といった主観に頼りがちになり、調整が行き当たりばったりになります。置き場所は窓際や床の近くではなく、実際に頭と体がある枕元付近の高さが基本です。窓の冷気や床冷えは別途対策すべき問題であり、まずは寝ている位置の数値を把握することが重要になります。
見るべき目安は、室温が18〜20度、湿度が40〜60パーセントです。特に18度という数値は、国土交通省の資料でも、冬の健康と快適性を考える上で下回らないことが望ましい基準として示されています※1。基準と今の寝室での数値がどれくらい離れているかを正しく確認してください。
1週間で詰める:設定温度とタイマーを小さく調整する方法
最適な設定は、家の断熱性や体質によって変わるため、一度で決め切ろうとしないことが大切です。測定した数値をもとに、まずは設定温度を一度に大きく変えず、18度で寒ければ1度へ、暑ければ1度下げるといった細かい調整が必要です。タイマーを使っている場合も同様で、オフの時刻やオンの時刻を30分単位で見直しましょう。
調整の良し悪しは、数値だけでなく体感で評価します。入眠がスムーズかどうか、夜中に目が覚めていないか、朝起きたときに喉が乾いていないか、体が重だるく残っていないかといった点を数日続けて確認してください。
長寿科学振興財団が示す寝床内環境の目安では、布団の中は温度が33度前後、湿度が50パーセント前後が理想とされています※3。室温だけで調整が難しい場合は、寝具の重ね方や足元の保温など、寝床内側の工夫も同時に見直しましょう。
まとめ:寝る時の暖房は二択ではない。室温・湿度・タイマーで自分の最適解を作る
寝るときの暖房は、つけっぱなしにするか、完全に切るかの二択ではありません。室温や湿度の基準値を踏まえてタイマーや寝具による調整を行えば、自分の体と住環境に合った最適な環境をつくれます。
今夜はまず枕元で温湿度を測り、数値を確認してください。次に、設定温度を1度単位で見直し、必要ならタイマーを加えましょう。そして朝の体調を手がかりに微調整を続けてみて、質の高い睡眠を得られる環境を整えていきましょう。
・参考
※1 スマートウェルネス住宅等推進事業調査|国土交通省
※2 健康づくり・生活習慣に関する資料|厚生労働省
※3 健康長寿ネット:睡眠と寝床内環境|長寿科学振興財団
※4 エアコンの上手な使い方|資源エネルギー庁
※5 冬の睡眠とエアコンの使い方|ダイキン工業
※6 暖房のオフタイマー・オンタイマーの使い方|東京電力エナジーパートナー
※7 睡眠中の暖房の使い方と注意点|ハイアール




