睡眠コラム by 松本 恭•2026年9月26日•読了目安時間: 5 分

冷えのぼせとは?同時に起こる理由とセルフチェック、対策を紹介

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

「手足は氷のように冷たいのに、顔だけがカーッと熱くなる」
「冷えのぼせなのか、更年期のホットフラッシュなのか判断がつかない」
「夜は顔がほてって寝つけないのに、朝は足先の冷たさで目が覚める」

下半身は冷えているのに上半身だけが熱い状態は、「冷えのぼせ」と呼ばれる冷え性の一種です。冷えとほてりが同時に出るため、体を温めるべきか冷やすべきかの判断がしづらい状態です。

そこでこの記事では、冷えのぼせが起こる理由とセルフチェックの目安、眠れない夜の工夫などを解説します。

更年期のホットフラッシュとの違いや受診を考える目安もまとめました。自分の状態を見極めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

冷えのぼせとは?

冷えのぼせは、手足や下半身が冷えているのに、顔や頭など上半身が熱くなる状態です。

医学的には「冷え症」の一種で、女性に多く見られます。女性の体は男性と比べて筋肉量が少なく、発熱しにくいため、体が冷える生活習慣が重なると、自律神経による体温調節がうまく働かなくなります。※1

なお、更年期のホットフラッシュとは、異なる症状です。それぞれの特徴を、以下の表で確認しておきましょう。

冷えのぼせ ホットフラッシュ
主な症状 ・手足や下半身が冷える
・顔や頭が熱くなる
上半身ののぼせ・ほてり・発汗※2
起こる年代 年齢を問わない ・更年期(閉経前後の10年間)
・平均閉経年齢は50歳前後※3
背景 自律神経による体温調節の乱れ※1 エストロゲンの低下で視床下部の体温調節が不安定になる※2

上半身のほてりは、更年期以外の原因で起こることもあり、年齢や手足の冷えの有無だけでは見分けられません。自己判断せずに、医療機関に相談してください。

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なぜ冷えとのぼせが同時に起こる?

冷えとのぼせが同時に起こる背景には、「自律神経の乱れ」と「血流の滞り」の2つが関わっています。

それぞれ、詳しく解説します。

1. 自律神経の乱れ

自律神経は、体温を一定に保つ働きを担う神経です。暑ければ血管を広げて熱を逃がし、寒ければ縮めて熱を守ります。

自律神経が乱れると、血管の収縮・拡張の切り替えが追いつかず、全身の体温を一定に保てません。切り替えがうまくいかなくなる引き金としては、以下の生活習慣が挙げられます。※1

  • 外気温と室温の差
  • 薄着
  • 運動不足
  • 冷たい食べ物・飲み物

とくに、屋内外の温度差が激しい夏場は、自律神経が乱れがちです。冷房の効いたオフィスと屋外を何度も行き来する生活では、体内の温度差が出やすくなります。

まずは体を冷やす習慣が積み重なっていないか、1日の過ごし方を振り返ってみてください。

2. 血流の滞り

血流の滞りも、冷えとほてりを同時に発生させる原因です。冷えには血流や代謝の低下が関わっており、心臓から遠い手足の先ほど冷たさを感じやすくなります。※1

冷えのぼせは、上半身が熱く下半身が冷たい状態です。東洋医学で望ましいとされる「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」、つまり頭を涼しく足もとを温める状態とは逆です。

主な対策は、下半身を冷やさずに温めることです。顔がほてるからといって薄着をしたり冷たい飲み物を飲んだりすると、下半身が冷えてしまいます。

ただし、ほてりが強い日の厚着や強すぎる暖房は、のぼせを強めることがあります。下半身を温めると同時に上半身はやや薄着にして、心地よい室温を維持することを意識してください。

冷えのぼせのセルフチェック

「冷えのぼせかな?」と思ったら、以下のチェックリストで体の状態を確認してみましょう。多く当てはまるほど、冷えのぼせの可能性が高まります。ただし、冷えの感じ方には、個人差があります。※1

  • 手足は冷たいのに、顔や頭はほてる
  • 汗をかいているのに、足先は冷えている
  • 冷房の効いた部屋に入ると、すぐに体調を崩す
  • 靴下を履いても足がなかなか温まらない
  • 冬でも上半身だけ汗をかく
  • 顔のほてりが気になって寝つけない

これは診断や重症度の判定に使えるチェックリストではありません。

当てはまった数ではなく、日常生活に支障が出ているかを判断軸にしてください。書き出した内容は、医療機関を受診するときに症状を伝える材料として活用するとよいでしょう。

冷えのぼせの対策

冷えのぼせの対策は、下半身を温めて血を巡らせ、頭寒足熱に近づけることが基本となります。まずは、日常生活に取り入れやすい次の3つから始めましょう。

  1. ぬるめの入浴・足湯で温める
  2. 下半身・足首を温め上半身は薄着にする
  3. 食事と運動で血を巡らせる

1. ぬるめの入浴・足湯で温める

冷えのぼせのときは、お風呂でぬるめの湯にゆっくり浸かって下半身から温めましょう。厚生労働省「e-ヘルスネット」では、40℃の湯船に10〜15分ほど浸かる入浴方法を挙げています。※4

熱すぎる湯は体への刺激が強く、のぼせを強めることがあります。顔がほてりやすい方ほど、湯温を低めにして時間をかけて温めてください。

入浴が難しい日は、足湯だけでもかまいません。くるぶしが隠れる程度の湯に10分ほど足を浸ければ、下半身から全身に血が巡りやすいです。

2. 下半身・足首を温め上半身は薄着にする

冷えのぼせのときの服装は、「下半身は厚く、上半身は薄く」を意識します。

具体的には、上半身と下半身で分けて考えてみてください。

  • 下半身:靴下やレッグウォーマーで足首を覆い、冷えを抑える
  • 上半身:熱がこもらないよう、調整しやすい薄手の重ね着にする

上半身まで厚着にすると熱がこもり、ほてりや発汗を招きます。そして汗が冷えると、かえって体温を奪われてしまうため、注意してください。

また、温度差の大きい環境では羽織れる1枚を用意することが勧められています。※1

冷房の強い場所では着て、屋外では脱ぐという切り替えで対応しましょう。

3. 食事と運動で血を巡らせる

熱を作る力と巡らせる力は、日々の食事と運動で補えます。冷え対策としては、次の2点を意識しましょう。※1

  • 食事:温かい食事や飲み物を選ぶ
  • 運動:適度な運動で筋肉量を保つ

食事の面では、筋肉の材料になるたんぱく質も意識したいところです。たんぱく質は、卵・肉・豆などに多く含まれます。※5

また、女性に冷えが多い理由の一つは、男性と比べて筋肉量が少なく体の熱を作りにくい点です。※1

そのため、適度な運動で筋肉量を保つことが重要です。

ふくらはぎを動かす、かかとの上げ下げやウォーキングを行うなど、負荷が少ない運動を選んで気軽に続けてみてください。

冷えのぼせで眠れない夜の快眠の工夫

冷えのぼせで眠れないときは、次の3点を意識しましょう。

  1. 入浴で深部体温を整える
  2. 足首やお腹を温め上半身は薄着にする
  3. 寝る前のスマホを控え自律神経を整える

1. 入浴で深部体温を整える

入浴は、なるべく就寝の1〜2時間前に済ませましょう。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、就寝の約1〜2時間前に入浴して体を温めてから寝床に入ると入眠しやすくなるとされています。※6

快眠の仕組みは、深部体温の変化にあります。入浴すると深部体温は1時間ほどで0.8〜1.0℃高くなり、この上昇が寝つきをよくして深い眠りを増やすことがわかっています。※4

上がった深部体温が下がるタイミングに合わせて寝床に入れば、入眠しやすくなるでしょう。ただし、就寝直前の入浴は体温が下がりきらず、かえって寝つきにくくなるので注意してください。

2. 足首やお腹を温め上半身は薄着にする

寝床に入った際にも「下半身は温かく、上半身は涼しく」を保ちましょう。厚手の掛け布団を1枚かぶるより、下半身に薄手の毛布を足して上半身を軽くするほうが、ほてりを感じにくいです。

「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、寝室は暑すぎず寒すぎない温度が望ましいとされています。※6

自分が暑さと冷えのどちらで目が覚めるかを目安に調整してください。

また、レッグウォーマーや腹巻きは、寝ている間に外れにくく体温も調整しやすいです。靴下を履く場合は、足先が締めつけられないゆるめのものを選びましょう。

3. 寝る前のスマホを控え自律神経を整える

なるべく就寝2時間前からは、スマホの操作を控えましょう。

就寝の約2時間前からは、眠気を促すメラトニンの分泌が始まります。しかし、それ以降に照明やスマホの強い光を浴びると分泌が抑えられ、睡眠・覚醒リズムが遅れて入眠が妨げられます。※6

スマホをいじらないためには「充電場所を寝室から離す」方法が有効です。あわせて、寝床で腹式呼吸を行うと、リラックスできます。

呼吸以外の自律神経を整えるセルフケアを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:【医師監修】自律神経を整える背中のツボ|場所・押し方・セルフケア方法を解説

冷えのぼせで受診を考える目安

冷えのぼせがつらく日常生活に支障が出ているなら、医療機関を受診しましょう。

症状別に受診すべき医療機関をまとめたので、参考にしてください。※1

症状 相談先
長く続く冷え、強い症状 ・内科
・婦人科
むくみが強い ・内科
・婦人科
貧血を指摘されている ・内科
・婦人科
手足が片側だけ冷える、しびれる ・内科
・神経内科
皮膚の色が紫や白に変わる ・内科
・皮膚科

更年期の年代であれば、更年期障害の可能性もあります。更年期障害の主な症状は、以下のとおりです。※3

  • ほてり、のぼせ、発汗
  • 手足の冷えやしびれ
  • 不眠、寝つきが悪い

症状が重なる場合は、産婦人科だけでなく内科や心療内科などを勧められることもあります。どこにかかるか迷うときは、かかりつけ医に相談しましょう。

なお、冷えに有効な漢方薬は、体質に合わせて選ぶものです。※1

症状が続く場合は自己判断で市販薬を続けず、医師や薬剤師に判断を仰ぐのがおすすめです。

冷えのぼせは体を温め自律神経を整えることが大切

冷えのぼせは、主に自律神経の乱れと血流の滞りが重なって起こります。

有効な対策は、上半身を冷やすことではなく下半身を温めることです。この記事のポイントをまとめます。

  • ぬるめの湯に10〜15分ほど浸かり、足首やお腹を覆う
  • ふくらはぎを動かして、下半身にたまった血を戻す
  • 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる
  • 寝室にスマホを持ち込まない

もし、つらさが続くときや生活に支障が出ているときは、我慢せず内科や婦人科に相談しましょう。

関連記事:【医師監修】足の裏が熱くて眠れないのは糖尿病や更年期と関係がある?原因別の解決策と快眠環境の作り方

なお、寝具を見直して冷えのぼせ対策をしたい方は、コアラマットレス公式サイトも参考にしてみてください。マットレスなど対象商品には120日間のトライアル制度があり、自宅で寝心地を確かめてから購入するかどうかを判断できます。

・参考

※1 女性の健康推進室ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「冷え」
※2 女性の健康推進室ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「
ホットフラッシュ」
※3 公益社団法人日本産科婦人科学会「
更年期障害」
※4 厚生労働省 e-ヘルスネット「
快眠と生活習慣」
※5 厚生労働省 e-ヘルスネット「
たんぱく質」
※6 厚生労働省「
健康づくりのための睡眠ガイド2023」