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監修者
石川 恭子
コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。
寝具選びというと、マットレスや枕にばかり目が行きがちですが、実は身体に一晩中いちばん密着しているのはパジャマです。だからこそ、パジャマを変えるだけで、寝つき・寝汗・目覚めのすべてが変わる、ということが起こります。
特に、これから梅雨〜夏にかけては、素材の差が眠りの質に直結する時期。この記事では、綿・麻・シルクを中心に、季節に合うパジャマの選び方を整理します。
あなたが今夜着るのはパジャマ?ルームウェア?Tシャツ?
意外と多いのが、「パジャマを持っていない」という方です。Tシャツと短パン、あるいはルームウェアで寝ている方、けっこう多いのではないでしょうか。
実はこの選択、夏になるほど不利になります。
パジャマに使われる素材は、大きく分けて天然繊維(麻・綿・シルクなど)、化学繊維(ポリエステルなど)、混紡繊維(綿+化学繊維など)の3つです。天然繊維、なかでも綿と麻は吸湿性・放湿性に優れ、汗をかいてもベタつきにくいという特性があります。
問題は、市販されているTシャツやルームウェアの多くが、ポリエステルなど化学繊維中心、あるいは綿との混紡であることです。化学繊維100%のルームウェアは、汗を吸わず・乾かないので、夏の夜には大きな不利になります。
夏は薄着になればなるほど涼しいと思いがちですが、実は暑い夜こそ綿や麻などの天然素材で作られた長袖・長ズボンのパジャマが推奨されています。汗を吸って蒸発させてくれる素材を身につけているほうが、寝具が蒸れず快適に眠れるからです。Tシャツ+短パン、化学繊維ルームウェアは、夏の寝苦しさの隠れた原因になり得ます。今夜から見直す価値があります。
梅雨期おすすめ素材 4選
ここからが本題です。梅雨〜夏の睡眠で実力を発揮する素材を、特徴ごとに整理します。
1. 綿(コットン)── オールラウンドな定番
綿はワタの植物繊維で、吸湿性・吸水性に優れた素材です。ふんわりとした肌触りが特徴で、家庭で洗濯しやすく、洗えば洗うほど体に馴染んでくるため長期的に使いやすい素材です。通気性にも優れていて蒸れにくく、肌着やパジャマに最も多く使われています。
ただし、吸水性が高いがゆえに縮みやすく、シワになりやすい傾向があります。また水分を吸いやすいぶん、梅雨期は乾きが遅くなるという面もあります。洗濯ローテーションを2セット以上回す前提で使うとストレスが少ないでしょう。
「迷ったら綿」という安心感がある素材。価格帯も幅広く、5,000〜15,000円程度で品質の良いものが手に入ります。
2. 麻(リネン)── 梅雨〜真夏の主役
麻も天然繊維の1種で、綿と並んで吸湿性・吸水性・放湿性に優れています。天然繊維の中でも丈夫な素材なので、頻繁な洗濯にも耐えます。
麻素材の寝具やパジャマは、サラッとした肌触りに加え、吸水性も速乾性も高く、ジメジメとした梅雨にぴったりです。やや硬めの風合いがあり、湿気や気温が高い時期には寝具・寝衣と身体にすき間を作って熱を逃がしてくれる、という快眠面でのメリットもあります。
シャリ感が好みの分かれるポイント。チクチク感が苦手な方は、麻ニットや麻混(綿70%・麻30%など)から始めるのがおすすめです。
3. シルク ── 滑らかさと吸湿性の頂点
シルクは、夏のパジャマ素材として近年再評価されています。タンパク質が主成分で、人の肌に近い構造のため肌触りが非常に良く、肌にしっとりと馴染みます。
シルクは天然繊維の中でも特に吸湿性に優れた素材で、綿と比較しても1.3〜1.5倍の吸水性があると言われています。蒸れにくく軽い着心地で、寝汗の量が多い方や、肌が敏感な方には特におすすめです。
価格はやや張りますが、1着3〜5万円という価格帯が中心。長期的に使えるのでコストパフォーマンスは悪くありません。
4. サッカー生地(綿の凹凸織り)── 隠れたダークホース
綿素材が好みだけれど蒸れにくさも欲しい、という方には、表面が凹凸状になっているサッカー生地のパジャマがおすすめです。生地表面の凹凸が肌との接触面積を減らし、熱がこもりにくく、汗をかいてもベタつきません。綿の良さを活かしつつ、夏向けにチューニングされた素材と言えます。
3,000〜10,000円程度で買える価格帯も魅力です。
おすすめできない3つの組み合わせ
逆に、夏の夜にはあまりおすすめできない選択肢もあります。
1. ポリエステル100%のルームウェア
吸湿性がほとんどなく、汗が肌に張り付きます。夜中の中途覚醒の隠れた原因になりやすい組み合わせです。
2. Tシャツ+短パンで肌の露出が多い
意外と知られていませんが、暑いからといって薄着になると、エアコンの冷気が直接肌に当たって明け方に冷えやすくなります。露出を抑えた天然素材の長袖長ズボンの方が、最終的にぐっすり眠れることが多いのです。
3. 厚手のスウェット素材
冬には最高でも、5月以降は熱がこもりすぎます。スウェットは「リラックスタイム用」、寝るときは別、と分けるのが理想です。
価格帯別おすすめパジャマの選び方
予算別に、選ぶ目安をお伝えします。
〜5,000円:綿100%のシンプルな半袖長ズボン。手に取りやすい価格帯のパジャマでも、綿100%表記のものを選べば基本性能は十分です。
5,000〜15,000円:サッカー生地、または綿の質を上げたもの。ガーゼ素材の3重・4重ガーゼなども選択肢に入ります。
15,000〜30,000円:麻100%や麻リッチな混紡。リネン専門メーカーの製品もこの価格帯です。
30,000円〜:シルク100%。長期使用を前提に、洗濯ケアまで考えて選ぶ価格帯です。
最初の1着は5,000〜15,000円の綿サッカー生地から試して、合うようなら次は麻、というステップアップが失敗しにくいです。
洗濯ローテーション、なぜ最低2セット必要か
最後にもうひとつ大切なことを。
パジャマは、汗を吸ってくれる役割を果たすほど、こまめに洗う必要があります。理想は週2〜3回。となると、最低2セットないと、雨の日に洗濯が乾かず着る服がない、という事態が起こります。
また、パジャマ選びでは素材だけでなく「シルエット」も重要です。就寝中は一晩に何十回も寝返りを打って身体のバランスを保っているため、締め付けが少なく、適度なゆとりのあるパジャマを選ぶことが、寝返りを妨げず眠りの質を保つことにつながります。「眠るための服」という認識でパジャマを揃え、ローテーションで清潔に保つ。これが、梅雨〜夏の快眠の地味な、でも確かな土台になります。
マットレスや枕の見直しはハードルが高いですが、パジャマは数千円から試せます。今夜、まずは1着、綿のサッカー生地パジャマを買うところから始めてみてはいかがでしょうか。明日の朝の目覚めが、少し違うはずです。
参考文献
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
- 国立精神・神経医療研究センター「温度、湿度と睡眠」https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide/sleep-column21.html


