「最悪の場合を何度も頭の中でシミュレートしてしまう」「心配しすぎだとわかっていても止められない」——そんな状態が続いて、気づいたら心も体もクタクタになっていませんか?
心配すること自体は人間の本能ですが、それが過剰になると心身に深刻な影響を及ぼすことがあります。
目次
心配しすぎる状態のメカニズム
全般性不安障害の患者が抱える不安は、持続的で程度も過剰であり、本人が思うようにコントロールできません。自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができなくなります。
不安や恐怖は本来、自分を守るために本能的に備わった能力です。しかし会社や家庭などのストレス影響下にさらされると心のバランスが崩れて、理由に不釣り合いな不安や恐怖が強く出続けてしまうのです。
「心配性」と「病気」の境界線
心配性(神経質)と不安障害(神経症)の違いは、不安・恐怖の症状が1ヶ月以上持続し、「社会面・生活面で支障をきたしているかどうか」で区別されます。
以下に当てはまる場合は、全般性不安障害などの可能性があります。
漠然とした不安感や心配が半年以上持続し、落ち着きがない・疲れやすい・集中できない・イライラする・筋肉が緊張している・眠れないといった症状が伴っている場合、全般性不安障害が疑われます。好発年齢は30歳前後ですが、中年期以降など幅広い年齢層で発症します。
今日から試せる「心配しすぎ」を手放す5つの方法
1. 心配事を紙に書き出す
頭の中に浮かんでいる心配事や悩みを書き出して視覚化してみましょう。自分が何に不安や恐れを感じているのか、答えが出る問題なのかなどを分析して情報を整理することで、「これ以上考えても結論は出ないな」と判断できるようになります。
2. 「考える時間」に期限を決める
考えすぎる人は次から次へと考えが浮かぶため、気づくと長時間考え続けてしまいます。「10分だけ」「移動の間だけ」など決めた時間だけ考えることに集中して、時間になったらすぐに別の行動に移りましょう。
3. 「今」にフォーカスする
どんなに心配しても未来の不安は消えません。未来ではなく「今」にフォーカスして、自分が楽しい・充実している・幸せだと感じるために今の自分にできることを考えることが大切です。
4. ネガティブな情報から距離を置く
パソコンやスマホが近くにあると、心配事についてインターネットの情報を調べてしまいます。心配性の人の記憶に残るのはネガティブな情報であり、より心配が大きくなります。一時的にインターネットから離れることで、ネガティブな情報の量を強制的に減らすことができます。
5. 認知行動療法(CBT)を試みる
「考え方の癖(認知)」はトレーニングで修正できます。多くの研究データにおいて、認知行動療法(CBT)に取り組むことで約60〜70%の人が不安症状の改善を報告しています。毎日「事実と想像を分ける」「客観視する」トレーニングを積めば、脳の回路は変化していきます。
医療機関を受診すべき目安
不安障害の治療は薬物療法とカウンセリングが中心になります。認知行動療法では、心と体をリラックスさせる、極端な考え方のクセを見直すといったことを行います。こうした治療を通じてストレスを軽くし、自信を取り戻すことが回復につながります。
日常生活・仕事・人間関係に支障が出るほどの不安が2週間以上続く場合は、心療内科・精神科への相談を検討してください。
まとめ
心配しすぎてしんどいのは、あなたの性格の弱さではありません。まずは心配事を紙に書き出し、「今」にフォーカスする習慣を少しずつ取り入れてみてください。それでも改善しない場合は、専門家への相談という選択肢も積極的に活用しましょう。
参考文献
- 医療法人社団 平成医会「心配性を克服する5つのヒント」https://heisei-ikai.or.jp/column/overcoming-worry/
- ひだまりこころクリニック「不安神経症・強迫性障害とは?(症状・治療法)」https://hidamarikokoro.jp/speciality/fuanshogai/
- たわらクリニック「全般性不安障害」https://www.tawara-clinic.com/disease/gad/
- あらたまこころのクリニック「考えすぎてしまうのはなぜ?考えすぎてしまう人の特徴や対処法を解説」https://www.mentalclinic.com/disease/p11392/
- 厚生労働省「不安障害|こころの病気について知る」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/know/know_02.html
※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。




