夏の腹痛はなぜ起こる?考えられる原因と対処法・受診の目安
寝具コラム by 石川 恭子2026年8月24日読了目安時間: 5

夏の腹痛はなぜ起こる?考えられる原因と対処法・受診の目安

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

暑い夏の日、冷たいかき氷やアイスを一気に食べたり、冷えたジュースを飲み干したりしたあと、お腹がゴロゴロと鳴って激しい痛みに襲われた経験はありませんか。私自身も以前、暑さに負けて冷たい飲み物を過剰に摂りすぎてしまい、出先で激しい腹痛に見舞われた苦い記憶があります。

夏場に起きるお腹の不調は、単なる冷えや食べすぎだけでなく、高温多湿な気温によって増殖した細菌による食中毒や、下痢に伴う脱水症状など、思いがけないトラブルが隠れていることも珍しくありません。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、夏の腹痛で考えられる主な原因や自宅でできる適切な対処法、急を要する受診の目安から予防策まで分かりやすく解説していきます。

夏の腹痛で考えられる主な原因

石川 恭子
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夏に腹痛が起きると、つい暑さや冷房のせいにしがちです。

ただし、すべての腹痛を「夏だから」としてしまうと、対処が必要な原因を見落とす可能性があります。まず手がかりになるのは、痛みが出る前の行動と今の症状です。夏に起こりやすい代表的な原因を2つに分けて見ていきましょう。

1. 冷たいものの飲みすぎや食べすぎ

もっとも身近な原因が、冷たい飲み物やアイス、そうめんなどを一度にたくさん摂ったことです。済生会の解説では、下痢を招く要因として食べ過ぎや飲み過ぎ、脂っこい食品やお酒、香辛料があげられており、生活習慣の面ではストレスとあわせておなかの冷えも示されています。※1

思い当たる飲食をして痛みがあまり強くない場合は、摂取量を控えて経過を見ることから始めてください。同じ解説では、水分補給に気をつけて安静にし、しばらく様子を見ていれば多くの場合は改善するとされています。※1

ただし、痛みが強くなる、何日も引かないという場合は別の原因を考える必要があります。

2. 夏に増えやすい細菌性食中毒

冷たいものに心当たりがない、あるいは症状が飲食の量では説明しきれないというときに考えたいのが、食中毒です。高温多湿の時期は一般的に細菌が増えやすく、夏季は細菌性の食中毒の発生件数が増加する傾向にあります。※2

農林水産省がまとめた令和3年から令和7年までの5カ年平均によれば、細菌性食中毒の発生件数は7月が33.2件、8月が29.4件です。※2

冬に多いノロウイルスなどのウイルス性食中毒とは、増える季節が異なります。

腹痛に加えて下痢、吐き気、嘔吐、発熱などを伴う場合は、食中毒の可能性も念頭に置いてください。作り置きの料理やお弁当、屋外に持ち出した食品を食べたあとであれば、その可能性はさらに高まります。※3

原因菌によって症状が出るまでの時間は異なるため、直前の食事だけでなく、ここ数日の食事を振り返ってみてください。

関連記事:上級睡眠健康指導士監修|夏の夜に暑くて寝れないときの原因と対策について解説!

下痢と暑さが重なると脱水・熱中症に注意

石川 恭子
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夏に特有のリスクとして目を向けておきたいのが脱水です。

下痢が続いているときは、体の水分が便といっしょに失われ続けています。そこに暑さによる発汗が加わるため、2つの経路から同時に水分が失われる状態になってしまいます。

厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」によると、睡眠不足や体調不良、前日の飲酒、朝食の未摂取などと並んで、感冒等による発熱や下痢等による脱水は熱中症の発症に影響を与えるおそれがあるそうです。※4

つまり夏の下痢は、お腹だけの問題では終わらない可能性があります。

ただし、熱中症そのものが腹痛の直接の原因になるわけではなく、下痢や脱水と熱中症は併発しうるリスクです。暑い場所で長く過ごしたあとに、お腹の不調とともにめまいや頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱、意識障害などの症状が出ている場合は、熱中症も疑って涼しい場所へ移り、状況によっては医療機関へ相談してください。

夏の腹痛への対処法

石川 恭子
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続いて、自宅でできる夏の腹痛の対処法を紹介します。

突然の激しい痛みや意識の異常がなく、自分の力で水分をとれる状態であることが前提です。この条件にあてはまらない場合は、後半で解説する受診の目安を先に確認してください。

また、以下の対処を試しても症状が改善しない場合は、無理に自宅で粘らずに医療機関へ相談しましょう。

1. 水分を少しずつ補給する

下痢や発汗がある状態でまず優先したいのが、失われた水分を補うことです。厚生労働省も、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分、経口補水液などを補給するよう推奨しています。※6

飲み方にはコツがあります。一度に大量に流し込むと吐き気につながることがあるため、コップに少量ずつ、回数を分けて飲みましょう。大量に汗をかいたあとは水だけでなく塩分も失われているため、水以外に経口補水液もよいでしょう。※6

ただし、自力で水が飲めない、意識がない場合はすぐに救急車を呼んでください。意識がはっきりしない人や、繰り返し吐いてしまう人に無理に飲ませようとすると、肺に水が入るなどの危険性がありかえって危険です。

2. 食べられるものを無理なく摂る

水分が摂れるようになったら、次に気になるのが食事です。吐き気がおさまり、食べられそうなら、おかゆやうどんなど負担を感じにくいものを少量ずつ試してください。食欲がまったくない場合は無理に食べる必要はありません。

注意しておきたいのは、特定の食品に腹痛を治す効果があるわけではないという点です。ウイルス性の胃腸炎について、効果のある抗ウイルス剤はないため通常は対症療法が行われること、症状は1日から2日続いたあとに治癒することが厚生労働省から発表されています。※7

食事はあくまで体力を保つための手段であり、症状を消すための治療ではないと考えましょう。

3. 涼しい場所で安静にする

食事と同じくらい大切なのが、体を休められる環境を整えることです。暑い場所で過ごしたあとに体調を崩した場合は、冷房の効いた室内や風通しのよい日陰へ移動して安静にすることを優先してください。

ただし、冷たいものの摂りすぎに心当たりがある場合でも、冷房を止めたり暑い部屋で過ごしたりする必要はありません。冷房を使いながら薄手の衣類やタオルケットで腹部を覆うなどの方法が適切です。休んでも症状が改善しなければ、早めに医療機関へ相談してください。

夏の腹痛で救急要請・受診を考える目安

石川 恭子
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自宅で対処してよいかどうかの判断軸は、痛みの強さと出方、一緒に表れている症状です。

済生会の解説では、腹痛は波のある鈍痛で場所がはっきりしない内臓痛、突き刺すような鋭い痛みで場所がはっきりしている体性痛、原因の部位と神経でつながった離れた場所に痛みを感じる関連痛に分けられ、内臓痛はしばらくすれば治ることが多い一方で、腹膜への刺激によって生じる体性痛は緊急対応が必要になるそうです。※1

1. ためらわず受診すべきサイン

まず押さえておきたいのが、迷わず119番するべき症状です。厚生労働省の「こんな時は迷わず119番」では、大人の場合に突然の激しい腹痛、激しい腹痛が持続する、血を吐く、便に血が混ざるまたは真っ黒い便が出る意識の障害やけいれんが出ている場合、緊急性が高いとみなします。※8

子どもの場合は、激しい下痢や嘔吐で水分がとれず食欲がなく意識がはっきりしない、激しいおなかの痛みで苦しがる、嘔吐が止まらない、便に血がまじったといった症状が示されています。※8

前述のとおり、意識に異常がある場合は無理に水分を飲ませないことが重要です。※6。

救急車を呼ぶべきか判断に迷ったときは、相談窓口を利用しましょう。総務省消防庁の救急安心センター事業(♯7119)では、医師や看護師、救急救命士から電話でアドバイスを受けることができ、全国41地域で実施されています。※9

対応時間や対象年齢は地域によって異なるため、お住まいの地域の運用を確認しておくと安心です。

2. 早めに医療機関を受診したいサイン

救急車を呼ぶほどではなくても、とても痛くて耐えられないほどの腹痛、これまでに経験したことのない腹痛、突然発症した腹痛、安静にしていても6時間以上続く腹痛など、その日のうちに受診を検討したい状況がある場合は、迷わず受診しましょう。胸痛や嘔吐、下血、発熱を伴う場合も、早めの受診が安心です。※1

下痢を伴うケースの受診目安は、今までに経験したことがないような激しい下痢、便に血が混ざっている、悪心や嘔吐・発熱がある、排便後にも腹痛が続く、症状が悪化している、改善する気配がない、脱水症状があるなどです。※1

自力で水分を摂れない状態も、迷わず受診していいサインです。

夏ならではの視点も加えておきます。暑い環境で過ごしたあとに、お腹の不調と一緒に強い倦怠感や頭痛、吐き気が出ている場合は、熱中症の可能性も考えてください。※5

そして繰り返しになりますが、症状が軽くても改善しないときは、夏の冷えや食べすぎと決めつけないことが大切です。乳幼児や高齢者は重症化しやすいとされているため、より早めの判断を心がけてください。※7

夏の腹痛を予防する方法

石川 恭子
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痛みが落ち着いてきたら、次に気になるのは繰り返さないための工夫です。

腹痛のすべてを予防できるわけではありませんが、飲食の量と食品衛生という2つの点を見直すだけでも、避けられる不調はあります。どちらも特別な道具は必要なく、今日から実践できます。

1. 冷たいものや食事を一度にとりすぎない

暑い日ほど冷たい飲み物や食べ物に手が伸びますが、一度に摂る量を調整するだけでも負担は変わります。済生会の解説でも、食べ過ぎや飲み過ぎ、おなかの冷えは下痢を招く要因としてあげられています。※1

冷たい飲み物ばかりに偏らず、常温の飲み物を挟むといった小さな工夫が大切です。

一方で、熱中症予防として必要な水分まで減らしてしまっては本末転倒です。厚生労働省がすすめているのは、のどの渇きを感じなくてもこまめに補給することです。※6

減らすべきなのは「一度に」摂る量であって、「1日の総量」ではありません。また、腹巻きなど特定の対策に予防効果があると断定できる根拠はありません。

2. 食品の温度管理と加熱を徹底する

もうひとつの柱が食品衛生です。厚生労働省は、家庭での食中毒予防の基本として、細菌をつけない、増やさない、やっつけるという3原則を示しています。※3

この3つを日々の動作に落とし込むことが予防につながります。

数値の目安もはっきりしています。冷蔵庫の設定温度目安は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下とされ、詰め込みすぎを避けて7割程度に留めるといいようです。※3。

食品の加熱は、中心部の温度が75℃で1分間以上行うのが目安で、残った食品を温め直す場合も75℃以上での加熱が求められます。※3

日常の動作としては、購入した食品を寄り道せずに早めに冷蔵庫へ入れること、生肉や魚を扱ったあとに手と調理器具をしっかり洗うこと、そして調理前後の食品を室温に長く放置しないことが挙げられます。※3

夏場に食品を屋外へ持ち出す機会が多い方は、保冷剤とあわせて持ち運ぶ時間そのものを短くする意識も役に立ちます。

関連記事:夏の疲れを乗り切る!快眠のための対策9選

まとめ:夏の腹痛は食中毒と脱水にも注意しよう

夏の腹痛では、冷たいものの取りすぎや食べすぎだけでなく、この時期に増えやすい細菌性食中毒も考えられます。農林水産省の5カ年平均でも、細菌性食中毒の発生件数は7月に33.2件と多くなっています。※2

下痢や吐き気、発熱を伴うときは、冷えだけで説明しないでください。

そして、下痢と暑さによる発汗が重なると脱水が進みやすく、熱中症の発症にも影響を与えるおそれがあるため、水分を少しずつ補いながら涼しい場所で安静にすることが、夏の腹痛では特に大切です。※6

突然の激しい腹痛、激しい腹痛が続く、意識の異常、吐血や血便、自力で水分をとれないという状況の場合は、自己判断せずに救急要請や医療機関への相談を優先的に検討してください。※6※8

判断に迷ったときは、♯7119でアドバイスを仰ぎましょう。夏のお腹の不調は珍しいものではありませんが、季節節ではなく症状で対策を考え、自分自身の体の声を手がかりに、無理のない判断をしてください。

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・参考

※1 下痢 | 済生会
※2 食中毒は年間を通して発生しています | 農林水産省
※3 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント | 厚生労働省
※4 職場における熱中症予防対策マニュアル | 厚生労働省
※5 熱中症 | 職場のあんぜんサイト(厚生労働省)
※6 熱中症予防のために | 厚生労働省
※7 ノロウイルスに関するQ&A | 厚生労働省
※8 こんな時は迷わず119番 | 厚生労働省
※9 救急安心センター事業(♯7119)をご存じですか? | 総務省消防庁