枕の洗い方を素材別に解説 洗濯機・手洗い・干し方まで失敗しない手順
寝具コラム by 松本 恭2026年7月26日読了目安時間: 9

枕の洗い方を素材別に解説 洗濯機・手洗い・干し方まで失敗しない手順

目次

監修者

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

枕は毎日肌や髪に直接触れるため、汗や皮脂、よだれ、ホコリといった汚れがどうしても蓄積しやすい寝具です。ニオイや黄ばみが気になってそろそろ洗いたいと思っても、洗濯機に入れてよいのか、手洗いすべきなのか、そもそも自宅で水洗いできる素材なのかと判断に迷う方は多いのではないでしょうか。

私も以前、お気に入りの枕をよく確認せずに洗濯機で丸洗いしてしまい、中身のわたが完全に偏って元に戻らなくなり、泣く泣く処分した苦い経験があります。このような失敗を防ぐためにも、自分の枕の素材に合った正しいお手入れの手順を知っておくことがとても大切です。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の松本が、専門的な知見と日々の寝具開発のノウハウを交えながら、枕の型崩れやカビを防いで清潔な睡眠環境を保つための正しい洗い方と乾燥のコツを分かりやすく解説します。

枕を洗う前に必ず確認したいこと

松本 恭
松本 恭
枕を洗おうと思ったとき、いきなり洗濯機や洗面台に向かうのは避けましょう。

自己判断で洗ってしまい、型崩れやへたりを起こしてしまう失敗は少なくありません。洗濯を始める前に確認しておきたい3つのポイントを解説します。

洗濯表示で家庭洗濯できるか確認する

消費者庁が公開している洗濯表示のガイドでは、家庭洗濯の可否や、手洗いのみ可能かどうか、乾燥方法、漂白の可否、クリーニングの要否などを、桶のマークをベースにした記号で示すことが定められています。※1

枕を洗う前には、まず本体やタグに付いている洗濯表示を確認し、桶のマークに×が付いていないか、手洗いのみを示す表示になっていないかをチェックしてください。桶の中に手のマークが描かれている場合は手洗いのみに対応しており、洗濯機を使用すると型崩れや損傷の原因になることがあります。あわせて、乾燥に関する表示からタンブル乾燥ができるかどうかも確認しておくと、後の干し方で迷わずに済みます。

洗濯表示にはこのほかにも、漂白の可否を示す三角のマークや、クリーニング店での処理を示す丸いマークが併記されていることがあります。桶マークだけを見て「洗える」と判断してしまうと、漂白剤の使用不可やクリーニング指定を見落とすことにもつながるため、複数の記号を合わせて確認する習慣をつけてください。

洗濯表示が消えていたり、そもそもタグが付いていなかったりする枕も少なくありません。その場合は無理に丸洗いをせず、部分的な拭き取りや陰干しにとどめる、あるいはメーカーの公式サイトやお客様相談窓口で取扱い方法を確認するのがおすすめです。

表示が確認できない状態で丸洗いをしてしまうと、素材の劣化や型崩れが起きても自己判断の範囲になってしまいます。迷うときは慎重な対応を優先してください。

枕の素材で洗い方が変わる

枕は中材の種類によって、洗濯機で丸洗いできるものと、水洗いに向かないものに分かれます。ポリエステルわたやパイプ、洗濯対応のビーズなどは比較的洗いやすい素材ですが、商品によっては洗濯不可の表示がされている場合もあります。一方、低反発ウレタンやそばがら、羽毛は、水を含むことで劣化や型崩れ、カビのリスクが高まりやすい素材です。

パッケージや購入時の商品情報、洗濯表示のタグなどを確認し、素材がわからない場合は無理に丸洗いせず、まず目立たない部分を試し洗いしてから判断しましょう。

破れやへたりがある枕は洗う前に状態を見る

枕そのものの状態もチェックしておきたい項目です。縫い目がほつれていないか、生地に破れがないか、中材が飛び出していないかを確認しましょう。破れがある状態で洗濯機に入れると、水を吸った中材が漏れ出し、洗濯槽や排水口を詰まらせる原因になりかねません。

また、長年使用してへたりや変形が目立つ枕は、洗濯をしてもふんわりとした感触が戻らないことがあります。中材の劣化が進んでいる場合、洗うこと自体が寿命を縮めてしまう可能性もあるため、無理に洗濯するのではなく、買い替えやカバーの交換の検討も視野に入れましょう。

枕の洗い方は洗濯機と手洗いの2通り

松本 恭
松本 恭
洗濯表示と素材、枕の状態を確認できたら、いよいよ実際に洗う工程に進みます。

枕の洗い方は大きく分けて、洗濯機を使う方法と、洗面台や浴槽で手洗いする方法の2通りです。洗濯表示で家庭洗濯が可能であれば洗濯機での丸洗いを、手洗いのみの表示や型崩れが心配な場合は手洗いを選びましょう。それぞれの具体的な手順を時系列で解説します。

洗濯機で枕を洗う手順

洗濯機で枕を洗うときは、まず枕カバーを外し、本体だけを洗濯槽に入れます。そのまま洗うと型崩れや破損の原因になりやすいため、必ず枕がすっぽり入る大きさの洗濯ネットに入れてください。洗剤は素材への負担が少ない中性洗剤を規定量使用し、手洗いコースやドライコースなど、弱い水流で回るコースを選びます。

洗い終わったら、すすぎは通常より1回多めに設定し、洗剤が残らないようにしっかりすすぎます。脱水は型崩れを防ぐため、短時間で済ませるようにしてください。ドラム式洗濯機を使う場合は、枕の水分を含んだ重さが偏り、脱水時にエラーが出たり、大きな振動で洗濯機本体に負担がかかったりすることがあります。エラーが出た場合は無理に再稼働させず、枕の位置を整えてから再度試すか、手洗いに切り替えましょう。

また、枕は他の洗濯物と一緒に洗うと、水流や重さのバランスが崩れやすくなります。可能であれば枕だけ、あるいは枕2つ程度までにして、洗濯槽の容量に余裕を持たせて回すと、偏りやエラーを防ぎやすいです。洗濯槽いっぱいに詰め込むと十分にすすげず、洗剤残りの原因にもなるため注意してください。

手洗いで枕を洗う手順

洗濯機に入れるのが不安な場合や、洗濯表示が手洗いのみを示している場合は、洗面台を使った手洗いが適しています。まず浴槽や大きめの容器にぬるま湯を張り、中性洗剤を溶かします。ぬるま湯の温度は、素材を傷めにくい30度前後を目安にするとよいでしょう。

枕全体を沈めたら、両手でゆっくりと押し洗いをします。強く揉んだりねじったりする洗い方は、型崩れや中材の破損につながるため避けてください。押し洗いを終えたら、いったんお湯を抜き、きれいな水に入れ替えて再度押し洗いをする作業を、洗剤の泡が出なくなるまで繰り返します。すすぎが不十分だと洗剤が枕の内部に残り、ニオイや肌トラブルの原因になることがあるため、時間をかけてしっかりすすぐことを意識してください。

すすぎが終わったら、脱水機を使わずに水を切る場合は、枕をバスタオルで包み、上から体重をかけるようにして水分を吸わせる方法が有効です。ねじって絞るよりも中材への負担が少なく、型崩れを防ぎながら効率よく水分を減らせます。タオルが水を吸って重くなったら、乾いたタオルに交換しながら数回繰り返すと、干す前の水切りが簡単に、そしてしっかり行えます。

洗剤は中性洗剤を基本にする

枕を洗う際の洗剤は、素材への負担が少ない中性洗剤が基本です。漂白剤や柔軟剤、洗浄力の強いアルカリ性洗剤は、生地や中材を傷めたり、変色や劣化の原因になったりする場合があるため、洗濯表示や取扱説明書で使用可否を確認してから使うようにしてください。

香りの強い洗剤や柔軟剤で一時的にニオイが気にならなくなったとしても、根本的な汚れや皮脂が残っていれば、時間の経過とともに再びニオイが出てくる可能性が高いです。香りでごまかすのではなく、汚れをしっかり落とし、すすぎで洗剤を残さないことが、清潔な枕を保つために大切です。

素材別の枕の洗い方と注意点

松本 恭
松本 恭
枕の洗い方は、洗濯機か手洗いかという方法の違いだけでなく、中材の素材によっても大きく変わります。

同じ丸洗いでも、素材によって適した方法や注意点が異なるため、ここでは代表的な素材ごとに洗濯の可否と注意点を整理します。最終的な判断は必ず洗濯表示を優先しつつ、それぞれの素材の特性を理解しておくと、失敗を防ぐポイントになります。

洗いやすい枕はポリエステルわたやパイプ素材

ポリエステルわたやパイプ素材は、比較的洗濯機で丸洗いしやすい素材とされています。ただし、商品によっては詰め物の量やキルティングの構造によって洗濯不可の表示がされている場合もあるため、素材だけで判断せず洗濯表示を必ず確認してください。

パイプ素材は通気性が高く乾きやすい一方で、パイプとパイプの間に水分が残りやすいという特徴もあります。乾燥させる際は、時々枕を持ち上げて振ったり、向きを変えたりしながら中材を動かし、内部にたまった水分を逃がすようにすると、生乾きを防ぎやすいです。

ポリエステルわたの枕は、洗濯機で丸洗いを重ねるうちに、わたが偏ってふんわり感が失われることがあります。乾燥の途中で枕全体をほぐすように軽くたたき、わたを均等に広げ直す作業を加えましょう。洗濯前に近いボリュームを保ちやすくなります。

低反発ウレタンやそばがらは丸洗いを避ける

低反発ウレタンを使った低反発枕は、水を含むと弾力性が失われやすく、乾燥にも非常に時間がかかるため、基本的には丸洗いを避けたほうがよい素材です。無理に洗ってしまうと、へたりや反発力の低下につながり、本来の寝心地が戻らなくなることもあります。そばがら素材も同様に、水分が内部に残ると腐敗やカビが発生しやすいという注意点があります。

これらの素材で汚れやニオイが気になる場合は、枕カバーをこまめに洗濯する、表面を固く絞った布で拭き取る、風通しのよい場所で陰干しするといった方法で対応するのが基本です。それでもニオイやべたつきが改善しない場合は、衛生面を考慮して買い替えを検討することも選択肢の一つです。

羽毛枕やビーズ枕は取り扱い表示を優先する

羽毛枕は商品ごとに詰め物の量や生地の仕様が大きく異なるため、自己判断で丸洗いをするのは避けたほうが安全です。洗濯できるタイプであっても、乾燥が不十分だと羽毛が偏ったり、内部に湿気がこもってニオイやカビの原因になったりしやすいです。

ビーズ枕は、洗濯中に細かい中材が生地の縫い目やファスナーの隙間から漏れ出すことがあるため、洗濯ネットの使用と縫い目の状態確認が欠かせません。羽毛枕もビーズ枕も、洗濯表示に洗える旨の記載がない場合は、自宅での丸洗いではなく、専門のクリーニングや部分的なケアを検討することをおすすめします。

枕の正しい干し方と乾燥不足を防ぐコツ

松本 恭
松本 恭
枕の洗濯でとくにトラブルが起こりやすいのが、洗ったあとの乾燥工程です。

枕はタンブル乾燥が不可とされている商品が多く、天日干しや陰干しによる自然乾燥が基本です。表面は乾いているように見えても、中材の内部に水分が残ったままだと、ニオイやカビ、雑菌の繁殖につながります。天日干しと陰干しの使い分けから、中まで完全に乾かすためのコツ、室内干しの注意点まで、失敗しない乾燥方法を解説します。

天日干しと陰干しは素材に合わせて選ぶ

枕を干すときは、洗濯表示や素材に応じて天日干しと陰干しを使い分けることが大切です。日光による色あせや素材の劣化が心配なものや、生地に柄がプリントされているものは、直射日光を避け、風通しのよい場所で日陰干しにしましょう。

天日干しが可能な表示がある枕であっても、長時間直射日光に当て続けると、生地や中材が劣化する可能性があります。天日干しをする場合は、時間を区切って様子を見ながら乾かし、必要に応じて陰干しと組み合わせるとよいでしょう。

中まで完全に乾かしてカビを防ぐ

枕は表面が乾いていても、内部の中材にはまだ水分が残っていることが多く、これが生乾き臭やカビの大きな原因になります。乾燥させる際は、時間をおきながら枕の向きを変えたり、たたいて空気を含ませたりして、中まで均一に乾かすことを意識してください。

厚みのある枕や手洗いした枕は、想像以上に乾燥に時間がかかります。晴れて湿度の低い日を選んで干すこと、そして1日で乾かしきれない場合は、複数日に分けてしっかり乾燥させることが重要です。厚生労働省が公表している資料でも、カビを予防するポイントとして、室内の湿気や結露を抑えること、こまめな換気を行うこと、雨天時は窓を閉めてエアコンや扇風機で室内の空気を動かすことなどが挙げられています。※2

乾いたかどうかを判断するときは、表面の手触りだけでなく、枕の中央部分を軽く押して湿った重みが残っていないかを確認してください。生乾きの枕は独特のにおいがすることが多いです。においを感じたらまだ乾燥が不十分と考え、さらに半日から1日ほど干し続けることをおすすめします。

室内干しでは風を当てて湿気を逃がす

雨の日や花粉が気になる季節など、屋外に干せないときは室内干しを行いますが、室内は屋外に比べて湿気がこもりやすいため、扇風機やサーキュレーター、エアコンの除湿機能、除湿機などを活用し、枕全体にまんべんなく風を当てることを意識してください。

床や壁に枕を直接置いたまま乾かすと、接地面に湿気がこもって乾きが遅くなります。枕専用のハンガーや物干しざおを使い、枕を宙に浮かせた状態で干すことで、全体に風が通りやすくなり、乾燥時間を短縮できます。

関連記事:枕の種類を徹底比較!素材・サイズ・高さで失敗しない選び方と快眠への近道

枕を清潔に保つ洗濯頻度と日常ケア

松本 恭
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枕は毎日洗えるものではないからこそ、洗濯の頻度や日常的なケアの積み重ねが清潔さを左右します。

枕本体と枕カバーそれぞれの洗濯頻度の考え方に加え、丸洗いできない枕をどのように日常でケアすればよいかを整理します。

枕本体は素材と汚れ具合に合わせて洗う

東京都健康安全研究センターの資料では、寝具は睡眠中に長時間体と接するため、十分な乾燥や掃除機がけ、カバー類のこまめな洗濯が重要だと説明されています。※3

枕本体を洗う頻度は、素材や洗濯表示、汗のかきやすさ、ニオイの有無によって変わるため、一律の目安で決められるものではありません。頻繁に丸洗いしすぎると、素材によってはへたりや劣化を早めてしまうこともあるため、汚れやニオイが気になり始めたタイミングや、季節の変わり目を目安に検討するとよいでしょう。

洗濯表示で家庭洗濯が可能とされている枕であれば、月に1回程度を目安に洗う人もいますが、素材や使用環境によって適切な頻度は異なります。汗をかきやすい夏場や、寝室の湿度が高い環境では、乾燥不足によるトラブルを避けるためにも頻度を上げすぎないことも大切です。まずは取扱表示を確認し、そのうえで自分の枕の汚れ具合に合わせて頻度を調整することをおすすめします。

枕カバーはこまめに洗う

枕本体を頻繁に洗えない場合でも、枕カバーをこまめに洗濯すると、汗や皮脂の蓄積をある程度抑えられます。枕カバーは肌や髪に直接触れる部分であるため、本体よりも汚れが付きやすく、洗濯もしやすいアイテムです。

寝汗をかきやすい季節や、整髪料・化粧品による皮脂汚れが気になる人は、枕カバーの洗濯頻度を週に1回程度に上げることを検討してみてください。枕カバーやシーツなど、寝具全体の洗濯頻度については別の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

洗えない枕は陰干しとカバー交換でケアする

低反発ウレタンやそばがらなど、丸洗いに向かない枕については、日常のケアで清潔さを保つ工夫が必要です。防水・撥水加工のある保護カバーを枕カバーの内側に使う、表面の汚れを固く絞った布で拭き取る、風通しのよい場所で定期的に陰干しするといった方法が代表的です。

これらのケアを続けても、ニオイやべたつきが改善しない場合や、湿気がこもりやすい環境で使い続けている場合は、内部でカビや雑菌が繁殖している可能性も否定できません。清潔さと寝心地の両方を維持するためにも、状態が改善しないときは買い替えを検討することをおすすめします。

関連記事:あなたに最適な枕の選び方

枕を洗うときによくある失敗と対処法

松本 恭
松本 恭
枕の洗濯では、正しい手順を知っていても、ちょっとした油断から失敗してしまうことがあります。

ここでは、型崩れや中材の偏り、洗剤残り、生乾き臭など、枕を洗うときによく起こりがちなトラブルと、その予防策・対処法をまとめて解説します。

型崩れや中材の偏りを防ぐ

洗濯機で強い水流を使ったり、脱水を長くかけすぎたり、手洗いの際に強くねじって絞ったりすると、枕の型崩れや中材の偏りが起こりやすくなります。洗濯機を使う場合は必ず洗濯ネットに入れ、手洗いコースなどの弱水流を選んでください。

手洗いの場合は、ねじって絞るのではなく、タオルで挟んで軽く押さえながら水分を切る方法がおすすめです。脱水後や手洗い後は、枕の四隅や中央を軽くたたいたり形を整えたりしながら干すことで、乾燥中の偏りをある程度防ぐことができます。中材が偏ってしまった場合も、完全に乾く前であれば、手で押さえながら少しずつ位置を戻すことで、ある程度は形を整え直せます。

洗剤残りや生乾き臭を防ぐ

洗剤を規定量より多く入れてしまうと、すすぎで落としきれずに枕の内部へ洗剤が残ってしまいます。洗剤残りは、ニオイの原因になるだけでなく、肌が敏感な人にとっては刺激やかゆみにつながりかねません。中性洗剤は必ず規定量を守り、水を替えながら泡が出なくなるまでしっかりすすぐことを意識してください。

生乾き臭は、洗濯後の乾燥が不十分なまま長時間湿った状態が続くことで発生します。前述のとおり、表面だけでなく中材まで完全に乾かすこと、そして風通しのよい環境で乾かすことが、生乾き臭を防ぐ最も基本的な対処法です。香り付きの洗剤や柔軟剤でニオイをごまかすのではなく、汚れと湿気そのものを残さないことを優先してください。

枕のダニやカビを防ぐためにできること

松本 恭
松本 恭
枕の洗濯は、見た目の清潔感だけでなく、ダニやカビといった室内環境の対策としても重要な意味を持ちます。

アレルギーポータルの情報によると、ダニは湿度60%以上、温度25度から30度程度の環境で増殖しやすく、寝具やクッションを日光や風、乾燥機でしっかり乾燥させること、そして丸洗いできる寝具はこまめに洗うことが望ましいとされています。※4

枕を清潔に保ちながらダニやカビを防ぐために、日常でできる工夫を紹介します。

枕に汗や皮脂をためない

枕のニオイや汚れの多くは、就寝中の汗や皮脂、フケ、髪に付いた整髪料などが少しずつ蓄積することで発生します。枕カバーの上にフェイスタオルを重ねて使い、こまめに交換・洗濯することで、本体への汚れの蓄積をある程度抑えられます。

また、就寝前に髪をしっかり乾かしてから寝ることも、枕やカバーに湿気をため込まないための基本的な習慣です。濡れたまま髪を枕に押し付けると、湿気がこもりやすくなり、ニオイやダニが発生しやすい環境をつくってしまいます。

湿気をためない寝室環境にする

ダニやカビを防ぐには、枕本体のケアだけでなく、寝室全体の湿気対策も欠かせません。東京都健康安全研究センターの資料でも、寝具は睡眠中に体と長時間接し、ダニが最も生息しやすい場所の一つであると説明されています。※3

起床後、すぐに布団や枕を押し入れにしまうのではなく、しばらくそのままにして湿気を逃がしましょう。また、部屋の風通しを確保し、必要に応じて除湿機やエアコンの除湿機能を使うのがおすすめです。定期的に枕を陰干しする習慣をつけることも、湿気をためない寝室環境づくりにつながります。

枕の洗い方に関するよくある質問

枕を実際に洗おうとすると細かい疑問が出てきますね。最後に、枕の洗い方に関してとくによく聞かれる質問を取り上げます。

枕はコインランドリーで洗えるか

洗濯表示で家庭洗濯やタンブル乾燥が可能と示されている枕であれば、コインランドリーの大型洗濯機や乾燥機を利用できる場合があります。※1

ただし、大型の洗濯機で洗えそうに見えても、低反発ウレタンやそばがら、羽毛など水分に弱い素材は、コインランドリーを使ったとしても中材が偏ったり傷んだりするリスクは同じです。必ず洗濯表示を確認したうえで判断してください。

洗えない枕のニオイはどう取るか

丸洗いができない枕のニオイが気になる場合は、まず枕カバーをこまめに洗濯し、汗や皮脂の付着を減らすことから始めてください。そのうえで、表面を固く絞った布で拭き取り、風通しのよい場所で陰干しをすると、ある程度ニオイを軽減できます。消臭スプレーは、素材によって使用可否が異なるため、必ず取扱表示を確認してから使用してください。これらのケアを続けてもニオイやへたりが改善しない場合は、衛生面と寝心地の両方を考慮し、買い替えを検討することをおすすめします。

枕は洗濯表示と素材を確認してから正しく洗おう

枕を洗うときにもっとも大切なのは、洗濯表示と素材を確認してから、自分の枕に合った方法を選ぶことです。家庭洗濯が可能な枕は洗濯機か手洗いで丸洗いし、低反発ウレタンやそばがら、羽毛など水分に弱い素材は、無理に丸洗いせず陰干しやカバーケアで対応することが、型崩れや劣化を防ぐポイントになります。

洗った後は、表面だけでなく中まで完全に乾かすことを意識してください。乾燥不足はニオイやカビ、ダニの発生につながりやすく、せっかく洗った枕を清潔に保てなくなる原因になります。天日干しと陰干しを素材に合わせて使い分け、室内干しのときは風を当てて湿気を逃がしましょう。

枕本体を頻繁に洗えない場合でも、枕カバーのこまめな洗濯や、湿気をためない寝室環境づくりといった日常ケアを続けることで、清潔で快適な睡眠環境を保つことができます。枕の寿命や選び方、寝具全体の洗濯頻度についても、あわせて確認しながら、自分に合った枕のお手入れ方法を見つけてみてください。

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・参考

※1 洗濯表示 | 消費者庁
※2 カビ対策マニュアル | 厚生労働省
※3 くらしの健康 | 東京都健康安全研究センター
※4 住環境とアレルギー | アレルギーポータル