目次
監修者

松岡 雄治
地方国立大学医学部卒業後、横浜市内で初期臨床研修を経て、関東の基幹病院で勤務中。
資格:医師国家試験合格、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級
「市販の枕がどうも合わない」「首や肩がつらくて寝づらい」。そんなとき、手元にあるバスタオルで代用できないかと考える人もいるでしょう。バスタオル枕はすぐにできるだけでなくお金をかけずにすぐ試せる手段です。
しかし 適当に丸めて置くだけでは、かえって首に負担をかけてしまうことがあります。この記事では、自然な寝姿勢に近づけるための正しい作り方と調整の考え方、バスタオル枕を試すうえで避けたい危険な使い方を整理します。
バスタオル枕は手軽だが高さの合わせ方が重要
快眠を得るために重要なのは、タオルの素材よりも「高さと支え方」です。厚生労働省の情報発信サイトでも、快適な睡眠のための首の後ろのすき間(1〜6cm程度)があるため、これに合わせることが大切だと指摘されています。※1
このすき間に合った高さの枕が、筋肉への負担を減らすとされています。まずはこの基準を押さえてください。
※1:厚生労働省 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-003
バスタオル枕が向いている人
どんな場面で役立つかを知ることで、試す価値があるかが明確になります。
- 今使っている枕が合わず、自分に合う高さの目安を探したい人
- 旅行や出張先のホテルで、一時的に枕の高さを調整したい人
- 首や肩の違和感が気になり、今すぐ手軽に寝姿勢を変えてみたい人
バスタオル枕が万能ではない理由
とても手軽に試すことができる一方で、バスタオル枕には限界もあります。無理しすぎないことで体への負担を防げます。
- タオルの特性上、長時間の使用で形が崩れやすい
- 寝返りを打つたびに形状が変わりやすく、安定性に欠ける
- 毎日の常用寝具としては、耐久性や頭の動きへの追従性に限界がある
自分に合うバスタオル枕の高さの目安
高すぎても低すぎても、首や肩、胸の筋肉に負担がかかります。仰向けと横向きでは適切な高さの基準が異なります。首のすき間を埋めつつ、不自然に押し上げない高さを探ることが質の高い睡眠への第一歩です。
仰向けで合う高さの見分け方
仰向けでの正しい姿勢を知ることで、首への負担が少ない土台を作れます。
- 首のすき間が埋まり、後頭部から首にかけてタオルが密着している
- あごが上がりすぎたり、逆に引きすぎたりしていない
- 目線がまっすぐ天井、またはやや足先寄りを向いている
- のどが圧迫されず、スムーズに呼吸ができる
横向きで合う高さの見分け方
横向きの基準を知ることで、肩こりや腕のしびれを防ぎやすくなるでしょう。
- 横向きに寝た際、肩幅の分だけ仰向け時よりも高さが必要になる
- 頭から首、背骨を通る中心線が、床に対してまっすぐ水平になる
- 下になっている肩が過度に押しつぶされる感覚がない
高すぎる・低すぎるときのサイン
違和感を見逃さないことで、適切な調整が可能になります。
- 高すぎる場合:あごが引ける、のどが圧迫される、首の後ろが突っ張る
- 低すぎる場合:頭が落ち込む、顔がむくみやすい、横向きで肩が痛い
- 共通するサイン:寝返りが打ちにくく、途中で目が覚めやすい
バスタオルで作る基本の手順
家にあるバスタオルを複数枚使い、折って重ねるだけで自分専用の高さの枕を作れます。単純に高さを出す意識だけで重ねるのではなく、首の支えと寝姿勢を考慮した正しい手順で進めましょう。
用意するものとタオルの選び方
適切なタオルを選ぶことで、作業がスムーズになり寝心地も安定します。
- 厚手のバスタオルなら3〜4枚、薄手なら4〜7枚を用意する
- 柔らかすぎると沈み込むため、適度に使い込んだタオルのほうが安定しやすい
- 枚数を増やすより、まずは同じサイズのタオルを揃えて折り方を統一する
仰向けを基準にした作り方
基本的な折り方をマスターすることで、自分に合う高さの土台が完成します。
- バスタオルを4つ折りにし、適度な高さになるまで重ねる
- 一番上のタオルを、手前(首側)だけ8〜10cmほど折り返して段差を作る
- 折り返した部分を首のすき間に当て、後頭部は低い部分に乗せて寝てみる
- 首が楽で、呼吸がしやすいかを確認する
横向きにも対応しやすくする工夫
寝返りを考慮した形にすることで、朝まで快適な寝心地を保ちやすくなります。
- 中央(頭を乗せる部分)よりも、左右(横向きになる部分)を少し高めにする
- 左右のタオルの間に丸めたハンドタオルを挟み込み、高低差を作る
- 形が崩れないよう、一番上から大きめのタオルで全体を覆って固定する
やってはいけない作り方と注意点
バスタオル枕は作り方を間違えると、かえって首に負担をかけます。人間工学的な実験結果でも、不自然な形状は頸椎(首の骨)に応力が集中することが示されています。危険な使い方を避けてください。
ロール状に巻くと首だけが持ち上がりやすい
頸椎だけを支持する形状は圧迫が強く、首の特定の箇所に強い負荷が集中します。
- タオルを丸めただけの「ロール状」にして首の下に置く
- 首だけが高く持ち上がり、後頭部が後ろに落ちる不自然な姿勢になる
- 頭・首・肩を「面」で支えられないため、神経や筋肉を痛める原因になる
高さが合わないまま使い続けない
高すぎ・低すぎによる体のサインを見逃さず、極端な調整は避けましょう。
- 高くしすぎる:頸椎が不自然に曲がり気道抵抗が増すため、呼吸が浅くいびきが出やすくなる
- 低すぎる:首のすき間が埋まらず、首の前側の筋肉が緊張しやすくなる
- 高いほうが「しっかり支えられている」と錯覚しやすいため、必ず「呼吸のしやすさ」で判断する
毎日使うなら確認したいこと
枕に関する悩みがある場合は、簡易策と常用寝具の違いを理解しておくことが大切です。
- バスタオル枕は寝返りなどで形状が変化しやすく、毎晩同じ高さを維持しにくい
- 数日試して首肩の不快感が残る場合は、タオルでの代用に限界が来ているサイン
- 長期間の常用は避け、自分に合った枕を見つけるまでの「つなぎ」と割り切る
バスタオル枕のメリットとデメリット
試すべきか迷ったときは、良い面と悪い面を比較して判断してください。コストをかけずに高さを探れる利点がある一方、素材感や安定性には限界があります。
メリットはすぐ試せて調整しやすいこと
手軽さを最大限に活かすことで、無駄な買い物を防げます。
- 新しい枕を買うことなく、家にあるもので今すぐ試せる
- タオルの枚数や折り方を変えるだけで、数ミリ単位の微調整が可能
- 洗濯機でこまめに丸洗いできるため、常に清潔な状態を保ちやすい
デメリットは安定性と再現性に限界があること
弱点を事前に把握しておくことで、過度な期待による不満を防げます。
- 就寝中の寝返りによってタオルの形が崩れやすい
- 毎日折り直す手間がかかり、前日と全く同じ高さを再現するのが難しい
- 反発力や頭の動きへの追従性が、既製品の枕ほど均一ではない
バスタオル枕が合わないと感じたときの見直し方
試してみて違和感がある場合は、微調整を行うか、別の解決策を検討する必要があります。一度の失敗で諦めず、原因を切り分けて次の行動に移りましょう。
高さを少しずつ調整するコツ
一度に大きく形を変えず、小さく試す順番を守ることで理想の高さに近づけます。
- タオルを1枚だけ足す、または引くことから始める
- 首側だけが苦しい場合は、折り返しの幅を数センチ単位で狭くしてみる
- 調整した後は必ず仰向けと横向きの両方で寝て、呼吸のしやすさを確かめる
違和感が続くときの考え方
見切りのタイミングを持つことで、不調の長期化を防ぎやすくなります。
- 微調整を繰り返しても首や肩の不快感が続く
- 寝返りが打ちにくい、呼吸しづらい感覚が取れない
- その場合は、バスタオル枕そのものがご自身の寝姿勢に合わないと判断する
- ご自身の骨格に合わせやすい、高さ調整可能な市販の枕への切り替えを検討する
バスタオル枕は作り方より高さの合わせ方が大切
バスタオル枕は、市販の枕が合わないときに手軽に試せる有効な手段です。しかし、快適な睡眠を得るためには巻き方そのものよりも、首のすき間を適切に埋め、横向きでも安定する「高さ」が重要になります。高すぎる枕による首への負荷や呼吸のしづらさに注意し、ロール状にするなどの危険な作り方は避けてください。
まずはご自身に合う高さの目安を探るためのツールとして活用し、快適な寝姿勢を見つけるヒントにしていきましょう。
【メタディスクリプション】
バスタオルで枕を作る方法や、仰向け・横向きでの高さ調整のコツを解説します。首や肩への負担や、呼吸のしやすさ、作り方の注意点やメリット・デメリットについてまとめました。










