寝苦しい夜の対策とは?暑くて眠れない原因と今夜からできる快眠のコツを解説
寝具コラム by 石川 恭子2026年4月28日読了目安時間: 6

寝苦しい夜の対策とは?暑くて眠れない原因と今夜からできる快眠のコツを解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

連日の猛暑で、夜中に何度も目が覚めてしまったり、寝汗でぐったりして朝を迎えたりしていませんか。実は私自身、以前は「エアコンをつけっぱなしで寝るのは体に悪い」と思い込み、タイマーが切れるたびに暑さで目が覚めるという悪循環を繰り返した結果、日中の仕事中に強烈な眠気に襲われ、パフォーマンスがガタ落ちしてしまった苦い経験があります。しかし、睡眠の専門知識を学び、エアコンの使い方や寝具の素材を正しく見直したところ、驚くほど朝までぐっすり眠れるようになりました。

夏の寝苦しさは、ただ「暑い」という不快感だけでなく、翌日の活力や健康まで奪ってしまう切実な問題です。室温のコントロールや寝具のちょっとした工夫、そして寝る前の習慣を少し変えるだけで、今の悩みが劇的に改善する可能性があります。

本記事では、上級睡眠健康指導士の資格を持つコアラマットレス社員の石川が、寝苦しい夜を解消するために欠かせない「室温と湿度の整え方」から、エアコンや扇風機を効率よく使うテクニック、さらには意外と見落としがちな寝具の選び方まで、多角的な視点で詳しく解説します。

寝苦しい夜に対策が必要な理由

石川 恭子
石川 恭子
そもそも寝苦しい夜が続くと何が起きるのでしょうか。寝苦しさを感じる理由について解説します。

暑いだけでなく湿度が高いと眠りにくくなる

人が眠りに入るとき、体は手足の表面から熱を放散させて、深部体温を下げようとしています。この体温低下がスムーズに起きると自然な眠気が高まり、すっと寝られます。

ところが、室温が高いだけでなく湿度が高い環境では、汗が蒸発しにくいため体の熱が逃げにくくなります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」では、同じ温度環境でも湿度が高いと覚醒が増え深睡眠が減少することが示されています。※1

室温が多少低くても、湿度が高ければ眠りにくいのはそのためです。

気象庁の定義では、夜間(夕方から翌朝まで)の最低気温が25℃以上の夜を「熱帯夜」と呼びます。東京の都市部では熱帯夜の夜数が年々増加しており、最低気温が25℃を下回らない条件では睡眠障害を訴える人の割合が顕著に増えることも報告されています。※2

温度と湿度の両方が睡眠の質に影響していることを踏まえると、「暑さ」と「蒸し暑さ」を切り分けて考えることが必要です。

寝苦しい夜は睡眠の質を下げて翌日の不調につながる

寝苦しさで眠りが浅くなると、ただ「眠れなかった」というだけでは済みません。睡眠が不十分になると、翌日の集中力や判断力が落ちやすくなり、疲れが取れないまま次の夜を迎えることになります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠不足は日中の眠気や疲労感だけでなく、パフォーマンスの低下や体調不良にもつながることが整理されています。※1

さらに、夏の睡眠不足は翌日の体温調節機能を低下させ、日中の熱中症リスクを高める可能性も指摘されています。暑くて眠れないことを「その夜限りの不快感」と考えず、毎晩の睡眠の質が翌日の体調に直結しているということを意識することが重要です。

寝苦しい夜の主な原因

寝苦しい夜を改善するには、まず自分に当てはまる原因を整理することが大切です。同じ「眠れない」でも、部屋の環境が原因のケースと、寝具や就寝前の過ごし方が原因のケースとでは、効果的な対策が変わってきます。いくつかのパターンに分けて見ていきましょう。

寝室の室温と湿度が合っていない

エアコンをつけていても、設定温度が高すぎたり、除湿が不十分だったりすると、寝苦しさは解消されにくいです。快眠に適した室温の目安は25〜26℃程度とされており、環境省の資料では快適に眠れる室温の上限を28℃としています。※3

一方、湿度は40〜60%を目安に保つことが推奨されています。湿度が高い環境では、設定温度を下げるか、除湿運転を活用する方法が有効です。

寝室に入る前に環境を整えておくことも大切です。就寝30分前にはエアコンをオンにして部屋全体を冷やしておくと、寝床に入ったときに快適な状態が整っているため、入眠がスムーズにできます。温度だけでなく湿度も確認する習慣をつけると、より精度の高い睡眠環境をつくれるでしょう。

寝具やパジャマの通気性が低く蒸れやすい

部屋の温度をしっかり下げていても、マットレスや敷きパッド、掛け寝具、パジャマなど、肌に近いアイテムの通気性が低いと、寝床内が蒸れて眠りにくくなります。寝床内の温湿度環境も睡眠の質に大きく影響するため、部屋全体だけでなく体の周辺環境も整えることが重要です。

特に合成繊維素材のマットレスカバーや厚手の敷きパッドは、夏には蒸れやすく熱がこもりやすい傾向があります。素材の通気性と吸湿性を意識した寝具選びは、寝苦しさの根本改善につながります。

入浴や飲み物など寝る前の過ごし方が影響する

体がほてった状態で布団に入ると、深部体温がなかなか下がりません。就寝直前の熱いシャワーや激しい運動は体を興奮状態にするため、眠りに入るまでの時間が長くなりがちです。また、就寝前のカフェイン摂取や強いスマートフォンの光は、脳を覚醒させてしまうため、寝つきに悪影響を与えます。

夏は暑くて汗をかきやすいため、冷たい飲み物を大量に摂る機会が増えますが、就寝直前の冷たい飲み物は血管収縮を招き、深部体温の調節を妨げることがあります。寝る前の過ごし方を少し見直すだけで、同じ寝室環境でも眠りやすさが変わります。

今夜からできる寝苦しい夜の対策

石川 恭子
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では、今夜から実践できる環境改善の方法を中心に紹介していきます。

費用をかけなくても取り組めるものから順に整理していますので、自分の生活スタイルに合うものを選んでみてください。

室温と湿度を整えて寝室環境を見直す

最初に取り組むべきなのは、寝室全体の温湿度を適切に整えることです。エアコンの設定温度を25〜28℃の範囲で調整しながら、温度計と湿度計を使って実際の数値を確認してみましょう。設定温度だけ見ていると、室温が思ったより下がっていないケースや、逆に冷えすぎているケースに気づかないことがあります。

湿度が60%を超えているときはエアコンの除湿運転の活用が有効です。冷房だけでは湿度が思ったほど下がらない場合は、除湿器の併用も選択肢になるでしょう。就寝前の30分間は寝室を集中的に冷やしておき、寝床に入るときに「快適だ」と感じる状態に整えておくことが理想です。

エアコンと扇風機を上手に使って冷やしすぎを防ぐ

「エアコンをつけたまま寝ていいのか」という迷いを持つ人は多くいますが、日本睡眠学会によると、日本の夏は暑さに加えて湿度の影響が大きく、扇風機だけでは不十分なケースがあるため、就寝中の冷房使用が推奨されています。また、冷房は寝入りばな(就寝直後)だけの使用では効果が不十分で、睡眠前半の4時間程度は継続して使うことが必要とされています。※4

一晩中エアコンをつけっぱなしにすることに抵抗がある場合は、タイマー設定で対応しましょう。温度は25〜27℃程度に設定し、風が直接体に当たらないよう上向きや壁方向に向けると、体を冷やしすぎず快適さを保ちやすいです。扇風機はエアコンと組み合わせて冷気を部屋全体に循環させましょう。室内の温度ムラを解消する効果があります。

換気や遮熱で部屋に熱をためない

夜になっても室内の温度がなかなか下がらない場合は、昼間の熱が部屋にこもっている可能性があります。日が出ている時間帯に遮光・遮熱カーテンを活用し、日射による室温上昇を抑えましょう。夜になって外気温が室温より低くなったタイミングで、対角線上の窓を開けて換気をすると効果的です。廊下や部屋の反対側の窓を開けることで空気の流れをつくり、こもった熱を効率よく逃がせます。

エアコンが稼働している場合でも、就寝前に短時間換気によって空気を入れ替えるのは有効です。新鮮な空気を取り込んでからエアコンで温度を整えると、より快適な寝室環境になります。

眠りやすさを高める寝具と服装の工夫

石川 恭子
石川 恭子
部屋全体の環境を整えることに加えて、実際に身体が触れている寝具やパジャマの見直しは寝苦しさの改善に有効です。

高価な寝具に買い替えなくても、素材の選び方や組み合わせを少し工夫するだけで、寝床内の快適さはかなり変わります。

冷感素材だけでなく通気性と吸湿性も見る

夏用の寝具として「冷感素材」を選ぶ人が増えていますが、接触冷感の感覚は触れた瞬間の冷たさであり、通気性や吸湿性とは別の特性です。冷感素材でも通気性が低ければ、時間が経つにつれて寝床内に熱と湿気がこもり、蒸れた状態になりかねません。

快眠のために求めたいのは、「涼しさの持続」です。そのためには接触冷感の有無だけでなく、吸湿性(汗をしっかり吸ってくれるか)と通気性(空気が逃げやすいか)を合わせて確認することが大切です。麻(リネン)素材は、熱伝導率が高く吸湿性・通気性に優れており、夏の寝具向きです。

敷きパッド・枕・パジャマを見直す

寝具全体を一気に替えるのが難しい場合でも、肌に直接触れる敷きパッドや枕カバー、シーツを見直してみましょう。体との接触面積が大きいため、素材の変更で寝床内の温湿度環境を変えられます。

パジャマは、夏だから薄着にすればよいというわけではありません。吸湿性の高い素材(綿、リネン、レーヨンなど)でゆったりしたシルエットのものを選ぶと、汗をしっかり吸いながら通気性も確保できます。素肌にシーツが直接触れる状態より、適切な素材のパジャマを着ているほうが快眠につながる場合もあります。

寝る前の習慣を整えて眠りやすくする

室内環境と寝具を整えても、就寝前の過ごし方が整っていないと、眠りに入るまでに時間がかかってしまいかねません。体のリズムを睡眠に向けて自然に整えていくために、寝る前のルーティンにも目を向けてみましょう。

入浴は寝る直前ではなく時間に余裕をもつ

快眠のための入浴タイミングは、「寝る1〜2時間前」が目安です。38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分程度浸かると、一時的に深部体温が上昇した後、時間をかけて低下していきます。体温低下の過程で自然な眠気が生まれるため、入浴から適切な時間を置いてから布団に入るほうが眠りやすさにつながります。

夏は暑いためシャワーで済ませがちですが、シャワーだけの場合は足首・手首・首の後ろなど、太い血管が通っている部位に数分間お湯を当てるだけでも、深部体温をある程度上げる効果が期待できます。逆に、寝る直前に熱いシャワーを浴びることは体を興奮状態にするため避けましょう。

寝る前の飲み物や光刺激に注意する

就寝前のカフェインは眠りを妨げます。コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは体内に残りやすく、夕方以降の摂取は睡眠の質に影響を与えやすいです。就寝前の飲み物は水、麦茶、カフェインレスのハーブティーなどを選びましょう。

照明とスマートフォンの光も要注意です。スマートフォンやPCの画面から発するブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制することが知られており、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、就寝前の光環境への配慮が睡眠の質に関わることが示されています。※1

寝る1時間前からは画面の明るさを抑えるか、使用を控えることが眠りやすさにつながります。

こんなときは対策の見直しが必要

一通りの対策を試してみても、「それでも眠れない」という状況が続く場合は、一つの方法に固執せず、複数の角度から見直してみましょう。よくある行き詰まりのパターンと、解消方法を解説します。

対策しても眠れないなら室温と湿度を再確認する

「エアコンをつけているから大丈夫」と思いがちですが、設定温度と実際の室温が異なるケースは少なくありません。エアコンの設定は冷気の吹き出し口付近の温度を基準にしているため、寝床がある位置によっては、実際には思ったより暑い環境になっていることがあります。

温度計と湿度計を寝床の近くに置いて実測し、調整の参考にしましょう。室温が25〜28℃の範囲に収まっているか、湿度が60%以内になっているかを数値で確認します。併せて、エアコンの風向きが上向きになっているか、フィルター詰まりで冷却効率が落ちていないかもチェックしてください。

寝具や寝る前の習慣もセットで見直す

室温と湿度の数値が適切でも眠れない場合は、寝床内の蒸れや就寝前の過ごし方まで含めて総合的に確認することが必要です。マットレスや敷きパッドの素材が夏向きではない、入浴のタイミングがずれている、スマートフォンを寝床で長時間使っているなど、複数の要因が重なっていないか確認しましょう。

「一つを変えて様子を見る」よりも、室温・湿度・寝具・習慣の4つをセットで見直すほうが改善効果を感じやすいです。試した対策を少しずつ組み合わせながら、自分に合う環境を見つけてください。

まとめ 寝苦しい夜は室温・湿度・寝具・習慣の4つを整えることが大切

寝苦しい夜の対策は、「部屋を冷やすだけ」で完結するものではありません。室温の適切なコントロール、湿度の管理、通気性・吸湿性のある寝具、そして寝る前の習慣の4つがそろうことで、初めて快適な睡眠環境が整います。

エアコンは就寝中も使い続けることが推奨されており、特に睡眠前半の4時間は継続稼働が重要です。扇風機との組み合わせで冷気を循環させ、風が直接当たらないよう向きを工夫することで、冷やしすぎを防ぎながら快適さを保てます。寝具は接触冷感の有無だけでなく通気性と吸湿性も確認し、肌に触れるアイテムから見直してみましょう。入浴は寝る1〜2時間前を目安にして、就寝前はカフェインや強い光を避けることが眠りやすさにつながります。

今夜からすぐに試せることから始めて、自分に合う快眠環境を少しずつ育てていきましょう。

・参考