睡眠コラム by Koala Sleep Japan2025年6月19日読了目安時間: 7

【医師監修】夜中にうなされる…考えうる原因と対処法4選

夜中に突然、苦しげなうめき声や叫び声で目が覚めたり、家族に「うなされていたよ」と言われた経験はありませんか?「うなされる」という現象は、多くの方が経験する一般的な睡眠中の問題です。しかし、それが単なる悪夢によるものなのか、それとも心身の不調を示すサインなのか、気になりますよね。

この記事では、「うなされる」状態の定義や、メカニズム、具体的な症状、そして悪夢や夜驚症との違いを詳しく解説します。日々のストレスや生活習慣が睡眠に悪影響を及ぼしているのではないかと心配な方のために、原因と、今日から実践できる具体的な対処法を4つご紹介します。

他にも、うなされる状態を放置するリスクや、考えられる病気の可能性についても詳しく解説します。

この記事を読んで、睡眠中にうなされることへの理解を深め、より質の高い眠りを取り戻しましょう。

うなされる状態とはどんなもの?定義とメカニズム

「うなされる」とは、医学的に単一の疾患や症状を指すものではありません。

一般的に、睡眠中に苦痛を伴うような声を出したり、体を動かしたりする状態を指します。

多くの場合、レム睡眠中に脳が刺激を受けて起こると考えられています。具体的には、うめき声、心拍や呼吸の乱れ、発汗などの症状が現れることがあります。

では、なぜうなされる状態が起こるのでしょうか。強いストレスや緊張が続くと、脳は不安を処理しきれなくなります。これが睡眠中に悪夢として表出したり、自律神経の乱れとして身体的な症状として現れることがあります。

うなされた時に起こる具体的な症状

うなされるときに起こる症状は多岐にわたります。具体的には以下のような症状が挙げられます。

  • 睡眠中のうめき声
  • 息苦しさや急激な動悸
  • 大量の発汗
  • 目覚めた時の強い恐怖感

睡眠中の症状は、本人が気付かない場合も多く、周囲の人が異変に気づくケースも少なくありません。パートナーや家族から、苦しそうにしていたことや、大声を出していたことなどを指摘されて、初めて自分がうなされていたと知ることもあります。

夜驚症との違い

うなされるという現象は、夜驚症などと混同されることがあります。睡眠中に何らかの苦痛を伴うことは共通していますが、症状や発生する睡眠段階が異なります。

夜驚症:深い眠りから中途半端に覚醒してしまうことで起こります。夜の前半に起こる事が多いです。大きな叫び声、体動、激しい自律神経症状の表出を伴うパニックを生じます。起き上がったり立ち上がったりすることもありますが、本人は覚えていないことが多いです。1)

うなされる主な原因

うなされる原因は一つではありません。多くの場合には、心身両面が複合的に影響しあっています。ここでは、主な原因を5つ紹介します。

原因1:ストレスや不安の蓄積

仕事や人間関係、受験、家庭問題など、日々のストレスは心身に大きな負荷をかけます。ストレスが増加すると、交感神経が優位になり、心身が常に緊張状態になってしまいます。脳は普段から睡眠中にストレスを処理しています。しかし、日中の過度な不安や緊張状態を処理しきれない場合に、悪夢として現れてしまうことがあります。

原因2:自律神経の乱れ

自律神経は、呼吸、心拍、体温調節、消化など私たちの生命活動を無意識にコントロールしています。過度な疲労や不規則な生活習慣は、交感神経と副交感神経のバランスを崩し、自律神経の乱れを引き起こします。睡眠中にリラックスできず、交感神経が優位な状態が続くと、うなされる頻度が高まります。

原因3:夜間のアルコール摂取

寝酒は眠りを深くすると思われがちですが、実際には逆効果です。アルコール摂取直後は入眠しやすいものの、その後、代謝産物の作用などで眠りが浅くなります。さらに利尿効果によって頻尿になるため、相まって中途覚醒を引き起こしやすくなります。こうして睡眠が断片化され、脳が十分に休まらないため、うなされやすくなります。アルコールの筋弛緩作用によって、睡眠中に舌根が落ち、喉を塞ぐようにしていびきや無呼吸を引き起こして寝苦しくなってしまう場合もあります。このことも、うなされてしまう一因となる可能性があります。2)

原因4:精神疾患や睡眠障害の可能性

うつ病や不安障害など、メンタルヘルスの問題を抱えている場合、睡眠の質が著しく低下することがあります。また、レム睡眠行動障害などの睡眠障害がある場合、レム睡眠中に夢の内容と連動して体を激しく動かしたり、大声を出したりする症状が出ることがあります。うなされている場合には、これらの病気が背景に潜んでいることもあるため注意が必要です。

原因5:身体に合わない寝具

意外に思われるかもしれませんが、寝具が身体に合っていないことも、うなされる原因の一つになります。例えば、高すぎる枕や柔らかすぎるマットレスなど、体との相性が悪い寝具を使用すると、気道が狭くなることで息苦しくなるほか、不快感が持続するなどして、深い眠りを維持しにくくなります。また、通気性が悪いことでも睡眠中に何度も寝返りを打ったり、無理な姿勢になったりすることでうなされやすくなることがあります。

うなされる状態を放置するリスク

うなされる状態が一時的なものであれば大きな問題はありません。しかし、慢性的に続く場合には注意が必要です。うなされる状態を放置すると、心身に様々な悪影響を及ぼし、生活全体に悪循環を引き起こす可能性があります。

ほかの病気を併発する恐れ

慢性的な寝不足やストレスは、体内のホルモンバランスや自律神経の働きをみ出します。これにより、血圧や血糖値のバランスが崩れ、生活習慣病のリスクが上昇します。また、うつ病や不安障害などの精神疾患を併発する恐れもあります。睡眠の質は、全身の健康状態に深く関わっているのです。2)

慢性的な眠気でパフォーマンス低下

うなされて夜間に十分な休息が得られないと、日中に強い眠気に襲われたり、集中力や判断力が低下したりします。学業や仕事でのミスや事故リスクが増加し、日常生活におけるQOL(生活の質)も著しく低下します。常に体が重く、やる気がでないといった心身の症状も現れることがあります。

ストレス負荷の加速と精神的負担

うなされて夜間に不安や恐怖を感じると、体も心もリセットされにくくなります。睡眠が休息の場ではなく、むしろストレスの場になってしまい、新しいストレスへの耐性が低下します。結果的に、疲労が蓄積し、ストレス負荷が加速する悪循環に陥る可能性があります。精神的な負担が大きくなり、心身ともに疲弊してしまうかもしれません。

うなされるときの対処法・改善策

うなされる状態を改善するためには、原因に応じた適切な対処法を実践することが重要です。ここでは、今日から始められる4つの対処法と、必要に応じた専門家のサポートについて解説します。

対処法1:生活習慣の見直しとストレスケア

規則正しい就寝・起床時間を守ることは、睡眠リズムを整える上で非常に重要です。また、適度な運動を入れたり、深呼吸やヨガなどのリラクゼーション法を実践したりすることも効果的です。日中のストレスを溜め込まないよう、ストレスの根本原因を見直すことはもちろん、趣味の時間を持ったり、信頼できる人に相談するなど、ご自身にあったストレスケアを見つけることが大切です。

対処法2:寝具・寝室環境の改善

快適な眠りのためには、寝具と寝室環境の改善が欠かせません。自分の身体にあった枕やマットレスを選ぶことはもちろん、寝室の温度や湿度を適切に調整し、照明の明るさや騒音にも配慮しましょう。アロマを焚いたり、リラックスできる音楽を聴いたりするなど、五感を心地よく刺激する環境づくりもおすすめです。

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対処法3:就寝前の飲酒を控える

前述の通り、アルコールは一時的に入眠を助けるように感じますが、実は睡眠の質を低下させてしまいます。就寝前数時間は飲酒を控えましょう。もし飲む場合には適量にとどめることが重要です。就寝前のドリンクを温かいミルクやハーブティーなど、リラックス効果のある飲み物に切り替えるのも良い方法です。

対処法4:医療機関・カウンセリングの活用

うなされる回数が増えたり、日常生活に支障が出たりする場合には、専門の医療機関の受診を検討しましょう。睡眠外来やメンタルクリニックでは、専門家が原因を探り、適切な治療やカウンセリングを提供してくれます。早期に専門家のサポートを受けることで、症状の悪化を防ぎ、改善に至ることができます。

大人が夜うなされる症状と考えられる病気

夜うなされる症状が頻繁に現れる場合、大人では、背景に特定の病気が潜んでいる可能性があります。特にストレス環境にいるような場合には、専門機関での診断が重要です。

パニック障害・レム睡眠行動障害の可能性

  • パニック障害:高度の不安とパニックを起こすことが特徴です。主な症状は、突然の動悸や胸痛、窒息感、めまいなどです。こうした症状が睡眠中に生じることで、うなされるように見えることがあります。1)
  • レム睡眠行動障害:本来レム睡眠中は筋肉が弛緩していて、夢の中で行動しても体が動くことはありませんが、この病気では、筋肉の緊張を低下させるシステムが障害されて夢の中の行動がそのまま寝言や体動として現れます。

具体的には、睡眠中に突然大声の寝言や奇声を発したり、暴力的な行動をとったりすることが特徴です。動きが激しいため、本人や周囲の人が怪我を負うこともあります。声をかけると覚醒して夢の内容をはっきりと思い出せるのも特徴的です。3)

夜驚症・悪夢障害との関連

子どもに多いとされる夜驚症や悪夢障害は、大人でも生じることがあります。大人の場合には、過去のトラウマ体験や強いストレスが引き金になるケースが多いと知られています。これらの病気は、放置するとQOLを著しく低下させる可能性があります。症状が深刻化する前に医療機関の受診や専門家への相談がおすすめです。

子どもがうなされる場合の原因と対応策

子どもは感受性が高く、日中の体験や不安が睡眠中に悪夢として反映されやすい傾向があります。発育段階での環境の変化や生活リズムの乱れ等がストレスとなり、睡眠時にうなされる症状として表出することもあります。親の適切なケアで安心感を高めることが、改善のポイントとなります。

子どもの悪夢や夜驚症への対処法

悪夢と夜驚症の違いはなんでしょうか。実は悪夢と夜驚症には様々な違いがあります。共通する対処法も含めて解説します。

悪夢と夜驚症の違い

  • 悪夢は、レム睡眠時に怖い夢をみることです。悪夢を見た場合、子どもは完全に目が覚めて、夢の内容を覚えていることが多いです。

刺激の強い内容の映画やテレビを見ると悪夢の頻度が上がりやすいため、悪夢が頻回であれば、日記などをつけて行動を振り返ってみましょう。4)

  • 夜驚症は、ノンレム睡眠(深い睡眠)時に起こるものです。寝ついてから2〜3時間の間に目を覚ましますが、完全には覚醒していないことが特徴です。

悲鳴をあげて怖がり、しゃべることもありますが、起こそうとしても起こすのはより難しく、より興奮してしまう原因になることもあるため、起こさないようにしましょう。通常、数分でまた眠りにつきます。夜驚症の子どもの約3分の1はベッドから起きて歩く症状(睡眠遊行症)も併発します。これは珍しいことではなく、5〜12歳の子どもの約15%が少なくとも1回は睡眠遊行症を経験します。4) 5)

悪夢と夜驚症に共通する対処法

前述のような違いがありますが、どちらの場合にも有効な対処法もあります。

  • 生活リズムの調整:早寝早起きを心がけ、十分な睡眠時間を確保するようにします。
  • 就寝前の温かいコミュニケーション:絵本の読み聞かせや、その日の出来事について会話する時間を設けることで、子どもに安心感を与え、穏やかな眠りを促します。
  • 寝室環境の工夫:強い光や音を避け、落ち着いた睡眠環境を整えましょう。お気に入りのぬいぐるみや毛布を寝具として与えることも、安心感につながります。
  • 怖い夢について話す時には否定せず傾聴:子どもが怖い夢をみたと言う時には、否定せずに、「怖かったね」「どんな夢だったの」と優しく耳を傾けてあげましょう。不安な気持ちを受け止めてあげることが大切です。夢の続きを見てハッピーエンドで終わらせたり、怖い夢をみないようなお守りグッズ、おまじないも効果的です。
  • 必要に応じて医療機関受診も検討:その症状が本当に悪夢や夜驚症であれば、どちらも基本的に治療の必要はなく治まります。しかし、うなされる症状が頻繁に起こったり、日中の様子にも変化が見られたりする場合には他の病気が隠れている可能性もあるため、小児科や心療内科を受診し、専門家のアドバイスを求めることも重要です。

うなされる人を見かけた時の対処と注意点

家族やパートナーがうなされているのを見かけた時、どのように対処すれば良いか戸惑うこともあります。大切なのは無理に揺さぶったり、大声で呼びかけたりしないことです。これは、睡眠中の脳に急激な刺激を与えるため、かえって混乱を招く可能性があるためです。

起こすべきタイミングと声のかけ方

うなされている人を見かけたら、まずは安全を確保しましょう。近くに危険なものがないか確認し、もしあれば取り除きます。落ち着いたトーンで、ソフトなタッチで呼びかけるようにして下さい。例えば、「大丈夫だよ」「ここにいるよ」といった優しい言葉を繰り返します。パニックを起こしている様子であれば、無理に起こさず、静かに見守り、必要に応じて怪我をしないように体を支えてあげましょう。

周囲の人ができるサポート

周囲の人ができるサポートとして、うなされる原因となる日常的なストレスや環境要因について、一緒に考えることが重要です。例えば、生活習慣の乱れや寝具の不適合など、改善できる点がないか話し合ってみましょう。症状が深刻な場合は、医療機関の受診を促し、一緒に付き添って理解を深めるなどの精神的なサポートも大切です。うなされている人が安心して頼れるサポート体制を整えることが何よりも力になります。

まとめ

うなされる現象は、悪夢、ストレス、自律神経の乱れなど様々な要素が関連しています。また、レム睡眠行動異常やパニック障害といった病気が潜んでいるケースのほか、寝具の不適合が原因となっていることもあります。原因を理解して、それぞれに合わせた対処法を実践することが回復への近道となります。

具体的な対処法として、生活リズムの見直し、自分の身体に合った寝具への改善、就寝前のアルコール摂取の制限などが有効です。特にコアラマットレスのマットレスのように、身体にフィットし、快適な睡眠環境を提供する寝具を選ぶことは、質の高い眠りを得る上で非常に重要です。

うなされる症状が深刻で、日常生活に支障をきたすようであれば、ためらわずに専門家のサポートを受けることをおすすめします。睡眠外来やメンタルクリニックの受診を検討しましょう。

この記事を参考にして、適切なアプローチで睡眠の質を改善し、より健やかな毎日を送りましょう。

参考

  • 厚生労働省 第Ⅴ章 精神及び行動の障害

https://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/dl/naiyou05.pdf

  • 健康づくりのための睡眠ガイド 2023

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

  • レム睡眠行動障害 国立精神・神経医療研究センター

https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/parasomnia/index.html

  • 小児の睡眠障害小児の睡眠障害 MSDマニュアル

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/23-%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%A1%8C%E5%8B%95%E9%9D%A2%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E9%9A%9C%E5%AE%B3#%E6%82%AA%E5%A4%A2_v817484_ja

  • 睡眠障害について

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/s0331-3a.html

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