睡眠コラム by 石川 恭子•2026年9月26日•読了目安時間: 6 分

寝不足になるとどんな症状が出る?主なサインと続いたときの影響を解説

石川 恭子
リテールスペシャリスト / 上級睡眠健康指導士

コアラマットレス®︎のショールームで、お客様が「運命のマットレス」に巡り合えるようお手伝いしているカリスマコンシェルジュ。お客様の眠りの悩みに耳を傾ける中で、今すぐ活用できる睡眠の知識を届けたいと上級睡眠健康指導士の資格を取得。コアラ®︎のマットレスを通じて、毎日眠ることが待ち遠しくなるワクワク感を提供したい。

「毎日眠いのは寝不足のせい?それとも別の理由?」
「頭が重くて集中できないのは、寝不足の症状?」
「何時間眠れていれば足りているのか、そもそもわからない」

寝不足で現れるのは、眠気やだるさだけではありません。寝不足は、頭痛や集中力・判断力の低下、気分の低下などとも関連しています。※1

成人には「6時間以上」の睡眠が重要であることを、厚生労働省が公表しています。ただし必要な睡眠時間には個人差があるため、睡眠時の休養感や日中の眠気も判断材料にしましょう。※1

この記事では、寝不足で現れる主な症状や続いたときに起こる変化、まず整えたい睡眠時間と寝室環境について解説します。寝不足を改善して快適な睡眠環境を手に入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

寝不足による主な症状

寝不足の症状は、体調や認知機能、気分など広い範囲に現れます。ただし、寝不足以外の原因も考えられるケースが少なくありません。

「寝不足が原因」と決めつけず、次の6つに自分が当てはまるかを確認していきましょう。

  1. 日中の強い眠気やだるさ
  2. 頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良
  3. 集中力・判断力が低下する
  4. イライラや気分の落ち込みが現れる
  5. 目に変化が現れる
  6. 子どもは行動面に変化が現れる

1. 日中の強い眠気やだるさ

寝不足の最もわかりやすいサインが、日中の強い眠気と体のだるさです。とくに、通常なら眠らない場面で眠気を感じたら、注意しましょう。※2

会議中や食事中、運転中に耐えがたい眠気を感じるなら、睡眠時間が足りていない可能性が高いです。その際は、眠気を我慢して運転や作業を続けるのは避けて、仮眠を取る、運転を代わってもらうなど、その場でできる対応を優先してください。

2. 頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良

寝不足のときに増えやすいのは、頭痛などの心身の不調です。※1

ただし、頭痛や吐き気、めまいが出たからといって、原因が寝不足とは限りません。

とくに吐き気やめまいは、貧血や耳の病気、脳の病気が隠れていることもあります。眠れていない日が続いていても、すべてを寝不足のせいと自己判断するのは避けましょう。

判断の目安は、睡眠時間を確保して改善するかどうかです。十分寝ても症状が出る、痛みや吐き気を何度も繰り返すといったケースなら、自己判断せず医療機関へ相談してください。

3. 集中力・判断力が低下する

寝不足が続くと、集中力や判断力が低下します。厚生労働省「睡眠ガイド2023」でも、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下や、学業成績の低下が挙げられています。※1

とくに、以下に挙げるようなケアレスミスが増えている方は、注意してください。

  • 同じ書類を何度も読み直す
  • 簡単な計算を間違える
  • 約束を忘れる など

ミスが増えたと感じたら、まず前週の睡眠時間を振り返ってみてください。原因が睡眠にあるなら、作業量を減らすよりも、睡眠時間の確保を優先しましょう。

4. イライラや気分の落ち込みが現れる

寝不足は、イライラや落ち込みという形でも現れます。些細なことで怒りっぽくなる、不安を感じやすくなるといった変化はないでしょうか。

気分の変化は、意外と自分では気づけないものです。家族や同僚から指摘されて、初めて自覚するケースも少なくありません。

十分寝た日に気分が落ち着くようなら、一時的な変化として様子を見ましょう。気分の落ち込みが長く続き、日常生活に支障が出ているなら、寝不足とは別の問題が隠れているかもしれません。

5. 目に変化が現れる

寝不足や疲労によって、まぶたがピクピクと動く「眼瞼ミオキミア(がんけんミオキミア)」という症状が出ることがあります。日本眼科学会「目の症状(眼瞼ミオキミア)」では、この症状は睡眠不足や肉体的精神的疲労、ストレスなどが原因で起こると考えられています。※3

まぶたのピクピクは、通常は数分から数時間で自然に回復し、休息や睡眠によって改善します。※3

もし、けいれんが長く続く、目の痛みやかすみを伴うといった場合は、眼科へ相談しましょう。

6. 子どもは行動面に変化が現れる

子どもは、寝不足を言葉でうまく伝えられない代わりに、行動面に変化が強く現れます。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、子どもの睡眠不足は次のような行動に現れるとしています。※2

  • やる気や自発性の低下
  • 注意力や集中力の低下
  • 学業成績の低下
  • イライラ、落ち着きのなさ
  • 衝動性や攻撃性の高まり

つまり、眠そうにしているかどうかだけでは、寝不足が原因であるとの判断はできません。宿題をしない、忘れ物が続くといった行動の変化が見られたら、睡眠時間を見直すきっかけにしましょう。

子どもの就寝時刻と起床時刻を書き出して、実際に何時間眠れているかを確認する方法が有効です。

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寝不足が続くとどうなる?

寝不足が長引くと、一時的な不調以外にもさまざまな問題が出てきます。とくに起こりやすい問題は、以下の4つです。

  1. 寝不足に気づきにくくなる
  2. 体重が増えやすくなる
  3. うつ病など心の病気のリスクと関連する
  4. 生活習慣病の発症リスクと関連する

1. 寝不足に気づきにくくなる

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、睡眠不足が長引くとむしろ眠気を自覚しにくくなることが明らかになっていると説明しています。※2

しかも注意したいのは、眠気が薄れても寝不足の悪影響は消えないということです。慢性的な眠気や認知パフォーマンスの低下、気分の不安定さは、身体にとって睡眠が不足していれば続くとされています。※2

これくらいなら寝不足でも大丈夫、という感覚だけで無理をしてはいけません。実際の睡眠時間や日中のミスの増え方といった、客観的なサインで確認しましょう。

2. 体重が増えやすくなる

「寝不足だと太る」という話には、明確な理由があります。睡眠不足が数日続くと、食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が減り、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が増えるのです。※4

つまり、寝不足のときにいつもより食べすぎてしまうのは、ホルモンの変化で食欲が増しているのが原因です。

さらに、寝不足だとインスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が生じます。すると、血糖値が上がりやすくなり、ますます太りやすくなります。※4

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で報告されている睡眠の短さと肥満の関連として、日本人の男性労働者約4万人を7年間追跡した研究では、1日の睡眠時間が5時間未満の人の肥満リスクが5時間以上の人の1.13倍という結果が出ていました。※1

現在寝不足気味で食欲が止まらない方は、食事の内容より先に睡眠時間を見直してみましょう。

3. うつ病など心の病気のリスクと関連する

睡眠とこころの健康は、お互いに影響し合います。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、うつ病などの心の病気は、発症初期から睡眠の問題が現れ、再燃・再発のリスクを高めるとしています。※1

ただし、寝不足というだけでうつ病になるわけではありません。気分の落ち込みや興味の薄れが長く続き、仕事や家事に影響しているなら、心療内科などに相談してみてください。

4. 生活習慣病の発症リスクと関連する

寝不足は、生活習慣病の発症リスクにも関連します。寝不足が慢性化すると、次の病気の発症リスクの上昇や症状の悪化を招くとされています。※1

  • 肥満
  • 高血圧
  • 2型糖尿病
  • 心血管疾患
  • 脳血管障害

とくに、睡眠が十分な人との大きな差が報告されているのが「心血管疾患(しんけっかんしっかん)」です。

日本の男性労働者2,282人を14年間追跡した研究では、心筋梗塞や狭心症の発症リスクを睡眠時間別に比べています。睡眠時間が6時間未満の人のリスクは、7〜8時間の人の4.95倍でした。※1

つまり、寝不足は生活習慣病の発症リスクの上昇と関連しているといえます。

なお、睡眠時間が6時間未満の人は決して珍しくありません。2019年の国民健康・栄養調査では、男性の37.5%、女性の40.6%は平均睡眠時間が6時間未満でした。※1

生活習慣病のリスクを下げるためにも、自分の普段の睡眠時間を改めて見直しましょう。

寝不足を改善するためにできること

短期間で取り戻そうとせず、普段の睡眠習慣を整える次の4つから始めましょう。

  1. 必要な睡眠時間を確保する
  2. 休日も起床時刻を大きくずらさない
  3. 寝室の光・音・温度を整える
  4. 体に合った寝具を選ぶ

1. 必要な睡眠時間を確保する

一般的な成人の睡眠時間は、6時間以上が目安です。厚生労働省はおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、少なくとも6時間以上を確保するよう推奨しています。※1

ただし、この「6時間」は、全員に共通する基準ではありません。なかには、睡眠時間が6時間未満で足りる人もいれば、8時間以上を必要とする人もいます。※1

重要なのは、朝起きたときに休養がとれた感覚があるか、日中に強い眠気が出ないかの2点です。現在の睡眠時間で眠気が取れないなら、見直しが必要なサインです。

なお、自分の理想の睡眠時間が分からない方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

関連記事:理想の睡眠時間は何時間?年代別の目安と自分に合った時間の見つけ方

2. 休日も起床時刻を大きくずらさない

休日の起床時刻が大きく遅れると、体内時計がずれて時差ボケに似た状態が生じます。これを「社会的時差ボケ」と呼び、生活習慣病やうつ病のリスクとの関連が報告されています。※1

また、休日の「寝だめ」では、平日の睡眠不足は取り戻せません。厚生労働省も、実際に睡眠をためることはできないとしています。※1

休日に長く眠らないと足りないなら、それは平日の睡眠時間が不足しているサインです。まとめて眠るより、平日に十分な睡眠時間を確保できるよう習慣を見直しましょう。

3. 寝室の光・音・温度を整える

就寝前の強い光は、眠りを促すホルモンであるメラトニンの分泌を妨げます。メラトニンの分泌は就寝の約2時間前から始まるため、その前にスマホやパソコン画面を閉じましょう。※1

就寝前の使用時間と画面の明るさを抑えるだけでも、睡眠の質の改善を期待できます。

また、厚生労働省が挙げている寝室の整え方は、以下の3つです。※1

要素 整え方
光 ・夜間は明るすぎないよう調節
・就寝時は消灯
音 ・防音・遮光カーテンに変更
・寝床を窓から離す
温度 エアコンやクーラーで涼しく保つ

最初からすべてを一度に整え用途無理するのではなく、まずは照明とエアコンの設定から見直してみてください。

4. 体に合った寝具を選ぶ

体に合った寝具を選ぶことで、寝床内の温度や湿度が保たれ、寝ている間の体への負担も小さくなります。

寝具に求められるのは、吸湿性・放湿性・保温性の3つです。それを押さえたうえで、以下の条件を踏まえつつ寝具を選びましょう。

  • 枕:首や肩に無理のない高さ
  • マットレス・敷き布団:適度な硬さ
  • 掛け布団:体に沿うフィット感

マットレスや敷き布団の硬さの目安になるのが、腰の反りの深さです。立った姿勢では4〜6cmある腰のS字カーブが、寝た姿勢で2〜3cmに収まる硬さだと、体への負担がいちばん少ないとされています。※5

寝具は柔らかすぎても硬すぎても、体に負担がかかります。選ぶときは実際に横になって、腰がしっかり支えられるかを確認しましょう。

詳しい選び方については、寝具のプロが解説している以下の記事が参考になります。

関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】寝具のおすすめをプロが解説!快眠につながる選び方

寝不足が続くときに考えられる主な疾患

睡眠時間や寝室環境を見直しても眠気が続くなら、睡眠障害が潜んでいる可能性があります。※1

代表的な3つの疾患について、押さえておきましょう。

  1. 睡眠不足症候群
  2. 閉塞性睡眠時無呼吸
  3. ナルコレプシー・特発性過眠症

1. 睡眠不足症候群

「睡眠不足症候群」は、必要な睡眠時間が慢性的に足りず、強い眠気が続く状態です。※6

必要な睡眠時間には個人差があるため、睡眠不足症候群は毎日6〜8時間寝ている方でも起こり得ます。

また、平日の寝不足がたたり、休日に寝だめ目的で長時間睡眠になるという傾向が睡眠不足症候群の方には見られます。※2

平日と休日の睡眠時間に大きな差がある方は、平日の過ごし方を見直しましょう。

2. 閉塞性睡眠時無呼吸

「閉塞性睡眠時無呼吸」は、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が妨げられる睡眠障害です。本人に自覚症状がなく、家族の指摘によって発覚するケースが多く、放置すると高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症や悪化の原因になるとされています。※2

いびきを指摘されたことがあり、日中の眠気も続いているなら、睡眠時無呼吸を扱う医療機関へ相談しましょう。

3. ナルコレプシー・特発性過眠症

「ナルコレプシー」と「特発性過眠症」は、睡眠時間に関係なく日中に強い眠気が出る睡眠障害です。

2つの違いは、眠気の出方と居眠りの長さ、目覚めたときの感覚に主に出ます。※6

特徴 ナルコレプシー 特発性過眠症
眠気の出方 食事中や歩行中など、通常眠らない場面で耐え難い眠気が現れる 過剰な眠気が慢性的に続く
居眠りの長さ 数分〜十数分と短い 1時間以上と長い
目覚めの感覚 すっきりする すっきり感が乏しい
情動脱力発作 大笑いや驚きで体の力が抜けることがある 伴わない

どちらも、診断には医師の検査が必要です。睡眠障害の疑いがある方は、専門機関へ相談してください。

まとめ:寝不足の症状に気づいたら睡眠時間と環境を見直そう

寝不足のサインは、体調や認知機能、気分、目の状態など広い範囲に出ます。寝不足が続くと眠気を自覚しにくくなるほか、体重の増加やうつ病、生活習慣病の発症リスクが高まるとされています。

寝不足を改善するために、以下の4つを意識しましょう。

  • 十分な睡眠時間
  • 平日・休日で変わらない生活リズム
  • 入眠しやすい寝室環境
  • 体への負担が小さい寝具

環境や生活リズムを整えても眠気が抜けないなら、睡眠障害が隠れている可能性があります。その場合は、なるべく早めに睡眠の専門機関に相談しましょう。

なお、寝具が体に合うかどうかは、実際に自分の寝室で寝てみないとわかりません。

コアラマットレス公式サイトの対象商品には、120日間のトライアル制度があります。自宅で使いながら寝心地を確かめられるので、興味があればぜひ詳細を確認してみてください。

・参考

※1 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
※2 厚生労働省 e-ヘルスネット「
昼間の眠気―睡眠不足だけではなく睡眠・覚醒障害にも注意が必要」
※3 日本眼科学会「
目の症状(眼瞼ミオキミア)」
※4 厚生労働省 e-ヘルスネット「
睡眠と生活習慣病との深い関係」
※5 厚生労働省 e-ヘルスネット「
快眠のためのテクニック―よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」
※6 国立精神・神経医療研究センター「
中枢性過眠症」