目次
- 1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 01. 「舌の側面に歯型がある」セルフチェック ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 02. 睡眠中に舌の側面を噛む5つの原因 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 03. 放置するとどうなる?リスクを知る ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 04. 今日からできる6つの対策 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 05. 歯科受診の目安とタイミング ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 06. まとめ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
監修者

菱川 敏光 医師
- 歯学博士
- ひしかわ歯科 院長
- 愛知学院大学歯学部 招へい教員
「朝起きたら舌が痛い」「睡眠中に舌を噛んで目が覚める」——そんな悩みの背景には、歯ぎしりや噛み合わせの問題、睡眠時無呼吸症候群など、見過ごせない原因が潜んでいることがあります。
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01. 「舌の側面に歯型がある」セルフチェック
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まず、鏡で舌を確認してみましょう。舌の側面がギザギザと波打っている「歯型」がついていれば、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりが起きているサインかもしれません。
【あなたに当てはまるものはありますか?】
✓ 朝起きると舌の側面が痛い・ヒリヒリする
✓ 舌の縁にギザギザした歯型(波型)がついている
✓ 同じ場所に口内炎ができやすい
✓ 朝起きると顎がだるい・疲れている
✓ パートナーから歯ぎしりを指摘されたことがある
✓ 日中、気づくと歯を食いしばっている
✓ 寝ても疲れが取れない・日中に強い眠気がある
2つ以上当てはまる方は、以下の原因に心当たりがないか確認してみてください。
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02. 睡眠中に舌の側面を噛む5つの原因
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舌の側面を噛む原因は一つではありません。複数の要因が重なっていることも多く、「なぜ起きるのか」を正確に知ることが改善への第一歩です。
■ 原因① 歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
睡眠中に無意識で歯を強く食いしばると、舌を巻き込んで噛んでしまいます。ストレスや疲労が蓄積すると起こりやすく、舌の側面に歯型が残る典型的な原因です。
■ 原因② 噛み合わせ・歯並びの乱れ
上下の歯が正しく噛み合っていないと、舌が本来の位置からずれやすくなります。歯ぎしりが続くことで噛み合わせがさらに深くなり、悪循環が生じることもあります。
■ 原因③ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
気道が狭くなることで無呼吸を繰り返す状態で、それに伴う歯ぎしりが噛み合わせを悪化させ、舌を噛みやすくします。「寝ても疲れが取れない」方は要注意です。
■ 原因④ ストレス・疲労・自律神経の乱れ
精神的なストレスや過度の疲労は、無意識の食いしばりや舌の緊張を引き起こします。ストレスが強い時期に「よく噛む」という方は、これが主因の可能性があります。
■ 原因⑤ 舌の筋力低下・低位舌
舌の筋力が落ちると、舌の正しい位置(上あごに軽く触れた状態)が保てなくなります。舌が下がって歯の間に入り込みやすくなることで、噛むリスクが高まります。
【ポイント】
舌の先端より側面を噛む場合、歯ぎしりや食いしばりによって舌が横の歯に押しつけられていることが多いとされています。鏡で舌の縁を確認し、波状の歯型がないかチェックしてみましょう。
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03. 放置するとどうなる?リスクを知る
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「また噛んだか…」と軽視しがちですが、繰り返すことで口腔内の健康だけでなく、全身状態にも影響が広がることがあります。
【放置した場合に起こりうること】
・同じ場所に傷が繰り返しでき、慢性的な口内炎や潰瘍に発展する
・舌の痛みで発音・咀嚼に支障が出る
・歯ぎしりが続くことで歯が削れる・ひびが入るリスク
・顎関節への負担が蓄積し、顎関節症(口が開けにくい・痛むなど)に発展することも
・睡眠中に噛んで目が覚めることで睡眠の質が低下し、疲労・ストレスが悪化する悪循環
傷自体は通常1週間前後で治りますが、何度も同じ場所を噛む場合は要注意です。繰り返す傷は治癒が遅れ、細菌感染のリスクも高まります。
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04. 今日からできる6つの対策
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原因に応じた対策を取ることが大切です。すぐにできるセルフケアから、歯科での対応まで段階的に紹介します。
【対策1】ナイトガード(マウスピース)を使う
歯ぎしりや食いしばりが原因と疑われる場合、最も効果的な対策です。歯科で自分の歯型に合わせたオーダーメイド品を作ることで、歯・顎・舌を物理的に保護できます。市販品もありますが、フィット感や効果を考えると歯科での作製がおすすめです。
【対策2】「あいうべ体操」で舌の筋力を鍛える
「あ・い・う・べー」と大きく口を動かして発音する体操を1日30回繰り返します。舌・唇・頬の筋肉を同時に鍛えられ、舌が正しい位置に収まりやすくなります。低位舌の改善や口呼吸の予防にも効果的です。
【対策3】舌の正しい位置(スポットポジション)を意識する
舌の正しい位置は「上の前歯のすぐ後ろの歯ぐきあたりに舌先が軽く触れ、舌全体が上あごに沿っている状態」です。普段から意識して舌をこの位置に置く習慣をつけると、睡眠中も舌が安定しやすくなります。
【対策4】ストレスを減らし、睡眠の質を上げる
就寝前のスマートフォン操作を控え、湯船にゆっくり浸かるなど副交感神経を優位にする習慣が、無意識の食いしばりを軽減します。1日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することも、舌を噛む頻度を下げることにつながります。
【対策5】口呼吸を鼻呼吸に改善する
口呼吸をしていると舌が口の中で不安定になりやすくなります。就寝時に口呼吸が習慣化している場合、市販の口閉じテープや鼻腔拡張テープを活用するのも一つの方法です。根本原因(鼻詰まりなど)がある場合は耳鼻科への相談も検討しましょう。
【対策6】噛んだ後のケア——悪化を防ぐ
出血がある場合はガーゼなどで10〜15分圧迫して止血を。清潔な水でうがいして細菌を除去し、腫れがある場合は冷水や氷で冷やすと和らぎます。殺菌作用のあるうがい薬の使用も有効です。
ただし、それだけでなく、口呼吸や鼻づまり、眠りの浅さなどが影響していることもあり、その場合には耳鼻科や睡眠専門クリニックの受診をお勧めする場合もあります。お口の状態を整えることは、毎日の眠りをより快適にすることにもつながります。この記事がより健康な生活へのきっかけになれば幸いです。
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05. 歯科受診の目安とタイミング
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セルフケアだけでは改善しない場合や、以下のような状態が続く場合は、歯科・医療機関への相談を検討しましょう。
【こんな症状があれば早めに受診を】
・舌の傷が2週間以上経っても治らない
・朝起きると毎朝のように舌や頬が痛い
・顎が痛い・口が開けにくい・音がする(顎関節症の疑い)
・「寝ても疲れが取れない」「日中に強い眠気がある」(睡眠時無呼吸症候群の疑い)
・舌に白い斑点・硬いしこりができている
【受診先の目安】
歯ぎしり・噛み合わせ・ナイトガードの相談 → 歯科・口腔外科
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合 → 耳鼻咽喉科または呼吸器内科
「大げさかな…」と思わずに相談を。舌を噛む原因は自己判断が難しいケースも多くあります。歯科医院では噛み合わせのチェックや適切なナイトガードの作製が可能です。
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06. まとめ
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→ 睡眠中に舌の「側面」を噛む主な原因は「歯ぎしり・食いしばり」であることが多い
→ ストレス、噛み合わせの乱れ、舌の筋力低下、睡眠時無呼吸症候群も原因になる
→ 舌の縁に波状の歯型(ギザギザ)がある場合は歯ぎしりのサイン
→ 最も効果的な対策は歯科でのナイトガード(マウスピース)作製
→ 「あいうべ体操」やスポットポジションの習慣化もセルフケアとして有効
→ 傷が2週間以上治らない・毎朝痛みがある場合は歯科を受診する
出血した際の対応については、一旦応急的な対応とし、歯科受診が望ましいです。なるべく早く歯科受診をして、傷の確認を行うと良いでしょう。
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本記事は一般的な情報提供を目的としています。
症状の診断や治療については、必ず歯科・医療機関を受診してください。
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