睡眠コラム by Koala Sleep Japan2026年3月25日読了目安時間: 5

【医師監修】寝るときにネックウォーマーはOK?メリット・注意点と快適に使うコツ

後平 泰信

医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院(名称変更) 病院長 現職。

【研究分野】睡眠全般、睡眠時無呼吸症候群、内科全般、循環器内科、スポーツ医学、遠隔医療、地域医療

明るくハキハキとした話し方で、専門的な内容もわかりやすく伝える。特に睡眠医療の分野で多数の講演・メディア出演歴があり、CPAP治療やいびき・睡眠負債など、広く深い見識から生活に密着したあらゆる話題にも柔軟に対応。寝具などスリープテック領域の開発や監修にも多数関わった実績あり。

冬になると、首元が冷えて布団に入ってもなかなか寝つけなかったり、夜中に寒さで目が覚めたりしてしまうことはありませんか。暖房を強めると乾燥で喉がイガイガしたり、肌がつっぱったりして、不快感が出やすくなります。

そこで気になるのが、ネックウォーマーを着けて寝る方法です。この記事では、就寝時にネックウォーマーを使うメリットとデメリットをはじめ、安全で快適に使うための選び方、室温や湿度を含めた睡眠環境の整え方までわかりやすく説明します。ネックウォーマーを寝るときに使うべきかどうか、自分の状況に合わせて判断するヒントにしてください。

寝るときにネックウォーマーを着けても大丈夫?まず知りたい結論

就寝時にネックウォーマーを使う人もいますが、選び方や寝室の環境によっては、かえって不快感やリスクが増えることがあります。

結論として、首元の冷えや乾燥が原因で眠りにくい人には役立つ場合がありますが、寝汗をかきやすい環境や締めつけの強いタイプは避けた方が無難です。ネックウォーマー単体で解決しようとせず、睡眠環境(室温・湿度)とセットで考えることが大切です。

向く人・向かない人が一目で分かるチェック

ネックウォーマーが合うかどうかは、体質やお悩みの症状によって分かれます。

まず、首元の冷えで寝つきが悪い人や、冬の乾燥で喉の違和感が出やすい人は試す価値があります。首周りを保温することで、寒さによって睡眠が妨げられにくくなるだけでなく、暖房を弱めて乾燥の影響を抑えられるためです。

一方で、寝汗をかきやすい人や寝相が良くない人は注意が必要です。就寝中は体温が変化するため、厚手のネックウォーマーでは汗をかいた際に蒸れが生じやすくなることがあります。寝返りが多い人だと、ずれて顔にかかったり首に巻き付いたりして不快に感じるかもしれません。

また、どのタイプの人であっても、口元まで覆う設計や締めつけが強い製品は避けた方が無難です。息苦しさや圧迫感が出る場合は、その時点で使用を中止しましょう。

まずは睡眠環境の調整が前提になる理由

ネックウォーマーは、首元を温める手段の一つに過ぎません。睡眠の快適さは、室温や湿度、寝具の保温性などにもよるため、首元だけを温めても、室温と寝具内の温度が低すぎれば快適に寝られません。

暖房を強めすぎると乾燥や寝汗が増え、別の不快感が生じることがあるため、ネックウォーマーは、こうした環境調整の補助的な扱いで考えるとよいでしょう。

ネックウォーマーを着けて寝るメリット

ネックウォーマーのメリットは、首元の保温、乾燥対策、安心感によるリラックスの3つです。ひとつずつ解説します。

首元の冷え対策で保温を助ける

首は熱が逃げやすい部位です。タートルネックなどの服でないかぎり覆われないため、冷たい空気に触れやすく、走っている太い血管が影響を受けます。ネックウォーマーで首周りをカバーすると、布団内の暖かさを保ちやすいでしょう。

ただし、首だけ温めても寒い場合は、室温が低すぎる、掛け布団の保温が不足している、寝具のサイズが合っていないといった要因が関係しているかもしれません。

乾燥・喉の違和感対策になる

冬は暖房によって湿度が低くなります。暖房を使用して、喉の乾きや違和感を感じている人にとって、首元の保温は助けになることがあります。体感温度も上がるため、暖房の温度や風量を少し下げることで、乾燥防止につながります。

リラックス目的

温かさを感じることで安心感が生まれると入眠しやすくなる人もいます。この点は個人差がありますので、ネックウォーマーを着用して10〜15分ほど横になったときに違和感がなければ一晩試しに就寝してみても良いでしょう。

後平 泰信 医師
後平 泰信 医師
ネックウォーマーの使用自体は問題ないですが、睡眠中にかく汗を吸収し寝冷えしない素材を選びましょう。逆に熱放散が妨げられる場合もあるため、可能であれば寝具や室温で調整が良いでしょう。

デメリットと注意点

メリットがある一方でデメリットも存在します。事前にデメリットや注意点を知っておけば、ネックウォーマーの使用があなたに合うかどうか判断しやすいでしょう。

蒸れ・寝汗・汗冷えが起きる条件

蒸れはネックウォーマーの素材だけでなく、室温や寝具の保温性の影響も受けます。暖房が強い環境や厚い掛け布団と組み合わせると、寝汗が増えやすくなるため、就寝用には厚手よりも薄手で通気性のあるタイプが適しています。蒸れや不快を感じた場合は、途中で外しても問題ありません。

呼吸が苦しくなるリスク

口元まで覆えるタイプは暖かく感じますが、就寝時には呼吸の妨げになる場合があります。寝返りで位置がずれると、息苦しさが増すことも考慮して、首元のみを軽く覆うタイプを選びましょう。

寝相・締めつけ・パーツの違和感

締めつけが強いネックウォーマーは、途中覚醒の原因になります。また、ボタンやアジャスターなどの硬いパーツは寝姿勢によって肌に当たり、不快感を生みやすいです。できればパーツが付いていないタイプを選びましょう。

失敗しない選び方(合う人・合わない人)

ネックウォーマー自体の選び方も重要です。就寝用のネックウォーマーは、外出用のものとは異なり、不快感を小さくできるタイプを選ぶと失敗しにくいです。

素材別の特徴と向く人

素材によって、肌触りや蒸れやすさが変わります。シルクは肌触りがやわらかく、乾燥や敏感肌が気になる人に向きます。コットンは扱いやすく、肌への刺激が比較的少ない素材です。

化学繊維は保温性が高い製品が多い一方、蒸れを感じやすいため、寝汗が多い人は避けましょう。

厚み・長さ・伸縮性・縫い目で選ぶ

就寝用のネックウォーマーは、厚みよりもフィット感と肌当たりが重要です。首元の隙間が減り、寝返りをしてもずれにくい厚みが適しています。

また、長すぎるものは口元にかかる可能性があるため、首元だけを覆う高さのものを選ぶことが大切です。縫い目やタグが肌に当たると不快の原因になることがある点も注意して選びましょう。

段差の少ない筒型でアジャスターがなく、伸縮性にはさほど富んでいないタイプが就寝用に向いています。

洗える・替えを用意など衛生面について

就寝中は汗や皮脂が付着しますので、清潔に保ちやすい素材を選ぶのが基本です。蒸れやかゆみの予防にもつながる通気性の良い洗濯可の素材を選び、乾きやすい厚みのものを選びましょう。毎日使う場合は替えを用意しておくと、衛生管理がしやすいです。

快適に使うための環境設定

ネックウォーマーは、就寝環境を整える要素のひとつです。快適な睡眠を得るためには、ネックウォーマーの使用と合わせて寝室自体の環境も整える必要があります。

室温・湿度の目安と調整手順

質の良い睡眠を得るには、寝室内の温度と湿度のバランスが重要です。厚生労働省によると、快適な睡眠には寝具内の環境が特に重要で、温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされています。※1

ネックウォーマーを快適に使うためには、ネックウォーマーを装着した状態で、温度や湿度の設定を進めるのがコツです。ネックウォーマーを装着して寝具内に入った状態で寒さを感じる場合は、まず室温を調整してください。厚着をすると蒸れることもあるため、寝衣は寝返りが簡単にできる厚みのものが適切です。

暖房・加湿の使い分け

寝具内の環境が整っていれば、基本的に室温は大きな問題にはなりません。しかし、顔が寒い、夜に布団から出た手足が寒くて目が覚めるという場合は、ネックウォーマーを用いるとともに暖房は弱めに設定します。

それでも暖房による喉の乾燥が気になる場合は加湿しましょう。湿度が高すぎると結露やカビ、ダニ繁殖の原因になることがあるため、湿度は40〜60%の範囲を目安に調整します。

ネックウォーマー以外の首元保温(襟元カバー等)と併用

ネックウォーマーが合わない場合でも、首元の冷え対策は別の方法で行えます。掛け布団の当たり方を調整して首元の隙間を減らす方法や、薄手の襟元カバーを使う方法があります。

入眠後にずれてしまう懸念などはありますが、こうした方法は呼吸への影響が少なく、安全性の面でも取り入れやすい対策です。

寝つきが悪い・夜中に目が覚める人向けの改善チェックリスト

ネックウォーマーを有効に使って寝つきを良くしたい、朝までぐっすり眠りたいという方のために、就寝前の過ごし方とネックウォーマーを使うかどうかの判断の目安を解説します。

就寝前の過ごし方

厚労省の睡眠ガイドでは、就寝1〜2時間前にぬるめのお風呂に浸かると、一度上がった体温が下がることで自然な眠気を促すことができます。※2

また、冬季に就寝前の室温が低いと入眠までの時間が延びる可能性があるという研究報告もあります。※3

コーヒーやお酒は控えめにし、睡眠の質を高めましょう。

症状が続くときの目安

ネックウォーマーを使用して息苦しさが出る場合や、不眠が長く続く場合は無理に続ける必要はありません。生活調整を行っても改善しない場合や、日常生活に支障をきたす場合は、睡眠障害が潜んでいる可能性もあるため、一度医療機関に相談するのがおすすめでです。

寝具を見直すときの観点

快適な睡眠には適切な寝具の使用が重要です。反発性や通気性にすぐれたマットレスは寝返りを容易にし、湿度を適度に保つことを助け、調整を容易にしてくれます。マットレスだけでなく、掛け布団のサイズや保温性、枕の高さ、寝返りのしやすさなどもあわせて見直してみてください。

まとめ:ネックウォーマーで快適に眠るための結論

就寝時にネックウォーマーを使うこと自体は問題ありません。ただし、快適に使うためには条件があります。

まず、首元の冷えや乾燥が原因で眠りにくいようなケースで使うと効果が高いと考えられます。そのときには、薄手で締めつけの少ないタイプを選びます。そのうえで室温と湿度を調整し、蒸れや乾燥が出ない環境を整えます。特に寝具内の環境を整える意識が重要です。ネックウォーマーをつけた状態で調整することもポイントでした。違和感がある場合は無理をせず、襟元カバーなど別の方法に切り替えるとよいでしょう。

首元の防寒は、睡眠環境を整える手段の一つです。環境調整と組み合わせて、寒い季節でも快適な睡眠を手に入れてください。

 

参考

※1 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係

※2 健康づくりのための睡眠ガイド2023

※3 適切な睡眠・休養促進に寄与する「新・健康づくりのための睡眠指針」と連動した行動・習慣改善ツール開発及び環境整備

 

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