睡眠コラム by 八木 宏美2025年9月18日読了目安時間: 10

【医師監修】子どもが寝ない・・!困った時に知っておきたい原因と対策一覧

目次

監修者

森田 麻里子
Child Health Laboratory 代表 / 医師

医師・小児スリープコンサルタント・睡眠専門家

2012年東京大学医学部医学科卒。
亀田総合病院にて初期研修後、2014年仙台厚生病院、2016年南相馬市立総合病院にて麻酔科医として勤務。2017年の第1子出産をきっかけに、2018年より乳幼児の睡眠問題についてのカウンセリングや講座、企業と連携したアプリ監修など行っている。2019年昭和大学病院附属東病院睡眠医療センター非常勤勤務を経て、現在は大人の睡眠カウンセリングや企業向け睡眠講座も手掛ける。

「うちの子、ぜんぜん寝ない!」—実は“よくあること”。でも今夜からちょっとラクになるコツがあります。

本記事では、子どもが寝ないときに考えられる原因や、具体的な対策について総合的に解説します。子どもの健やかな成長と穏やかな生活リズムを保つために、ぜひ参考にしてください。

子どもが寝ない主な原因とは?

子どもがスムーズに入眠できない理由は、生活リズムや睡眠環境など、多岐にわたります。

子どもが寝ない背景には、日常的な生活リズムの乱れや就寝前の刺激、さらには精神的なストレスなどが複合的に絡んでいるケースがあります。特に夜更かしや遅い時間までのゲームやスマートフォンの使用は、脳を覚醒させて入眠を妨げる原因になりやすいです。親が不規則な生活をしていると子どももそのリズムに引きずられ、きちんと寝るタイミングを逃してしまうことがあります。健やかな睡眠のために、まずは生活習慣や環境を見直すことが大切です。

生活リズムの乱れ

朝起きる時間や毎日の食事のタイミングが定まらないと、体内時計がうまく働きにくくなります。例えば平日は早起きでも、週末に遅くまで寝てしまうと、次の平日にかけてリズムが乱れてしまうこともあります。起床時間だけでなく就寝時間もできるだけ一定に保つことで、子どもがスムーズに眠気を感じられるようにサポートしましょう。

お昼寝の長さやタイミング

昼寝が長すぎたり夕方にずれ込んだりすると、夜に眠くならず寝付きが悪くなる可能性があります。特に幼児期は昼寝の時間帯が夜の睡眠に大きく影響するため、適度な長さを設定することが大事です。年齢と活動量に合わせた昼寝の調整で、夜の寝付きが改善する例も少なくありません。

寝る前の刺激や興奮

就寝直前にテレビゲーム、スマホ、タブレットなどを使用すると、脳が興奮し、ブルーライトの影響で眠気を誘うホルモンが抑制されがちです。さらに激しい運動や大きな音のする動画など、刺激の強い行為も寝付きの悪さを招きます。子どもがスムーズに寝付くためには、寝る前は読書や穏やかな音楽など、興奮を避ける過ごし方が望ましいです。

ストレスや不安による影響

学校での人間関係や学習のプレッシャー、家庭内の変化などによりストレスや不安が高まると、眠りにくくなることがあります。子どもが何か心配を抱えていないか話を聞き、安心して相談できる環境を作ることは重要です。心のケアが上手くいくと、夜の寝付きにも良い効果が期待できます。

子どもの寝不足・・どんな影響がある?

慢性的な寝不足は、子どもの身体的・精神的成長に大きな影響を及ぼします。

十分な睡眠が確保できないまま過ごすと、成長ホルモンの分泌リズムの乱れや集中力の低下など、多方面で弊害が現れます。免疫力が低下し、風邪を引きやすくなるなど、健康面に支障をきたすことも少なくありません。子どもの将来を考えると、日頃の睡眠時間や睡眠の質をしっかりと管理する意義はとても大きいといえます。

成長や発育への影響

深い眠りの間に成長ホルモンが多く分泌され、骨や筋肉、脳の発達をサポートします。寝不足が続くとこの成長サイクルが上手く働かず、運動量や体力の低下にもつながる可能性があります。免疫システムにも影響するため、子どもの健康管理には十分な睡眠が欠かせません。

学習や注意力への影響

寝不足が続くと、授業中に眠くなったり、ちょっとしたことで注意力が散漫になったりするケースが増加します。脳の情報整理が不十分になって記憶の定着率が下がり、学習効率が低下する可能性も高いです。学校生活のパフォーマンスを上げるためにも、毎日の睡眠時間をしっかり確保することが重要です。

年齢別に見る寝ないときの特徴と対処法

子どもの年齢によって、睡眠トラブルの原因や対処法は異なります。

赤ちゃんから幼児、小学生、そして思春期にいたるまで、それぞれのステージで睡眠に関する問題の特徴は変化します。赤ちゃんは昼夜のリズムが確立しておらず、未就学児は昼寝と就寝時間の調整が難しく、小学生以上は習い事や勉強時間の確保が課題となりがちです。子どもの発達段階に応じたアプローチを取ることが、スムーズな入眠のポイントになります。

赤ちゃん(0〜1歳)

生後間もない赤ちゃんは昼夜の区別がつきにくいため、細切れの睡眠を繰り返すのが普通です。朝に部屋をしっかり明るくし、夜は照明を落として暗くするなど、わかりやすい昼夜のメリハリをつけるとリズムが整いやすくなります。授乳やおむつ替えのタイミングを一定に保つことも習慣づけに役立ちます。

特に産後はお母さんの負担が大きい時ですが、“完璧に眠る赤ちゃん”は想像上の存在で、睡眠の悩みは尽きないでしょう。産後早期に、泣き・睡眠への対処を学ぶプログラムを受けることは、親御さんのメンタル負担軽減に役立つ可能性が高いという研究があります※1。

この研究で用いられたプログラムは、乳児の睡眠習慣を改善し、親子の負担を軽減することを目的とした短期的な指導です。オーストラリアの乳児健診センターで、看護師が母親に1〜2回のセッションで実施しました。この研究で行われた睡眠介入は「赤ちゃんの入眠の自立を促す行動療法」+「親の負担を減らす教育・サポート」 を組み合わせたプログラムで、母親の抑うつ軽減に長期的な効果を示したということです。

産後は頑張りすぎないことが大事ですし、赤ちゃんのためにもまずお母さんが良い睡眠を取れるよう家族や自治体など周りの人のサポートが重要です。

未就学児(1〜6歳)

この時期、特に3,4歳頃までは昼寝の時間や長さが徐々に変化して夜の睡眠にも影響するため、適切なスケジュール管理が重要です。昼寝中にしっかり休めていないと、夕方以降に機嫌を崩したり、逆に昼寝が長すぎると夜の寝付きが悪くなることもあります。毎日の生活リズムをある程度固定し、入眠儀式としての読み聞かせなどを継続することによって、安心して眠れるようサポートしましょう。

小学生以上

宿題や塾、習い事などの予定が増えると、自然と就寝時間が遅くなりがちです。子どもの体力や学力向上のためには早寝早起きが理想的ですが、忙しい日常の中でバランスを取りづらいこともあります。時間に余裕がある日は意識的に早寝を実践しつつも、休日と平日の睡眠リズムが大きく変わらないように維持していくことが大切です。

睡眠環境を整えるポイント

快適な睡眠環境を整えることで、子どもの入眠をスムーズにすることができます。

寝室そのものをリラックスできる空間に整えるのは、子どもの睡眠に大きく影響します。照明を落として落ち着いた雰囲気を作る、温度や湿度を適切に管理するなど、細かい配慮が大切です。さらに、就寝前のルーティンや電子機器の使用制限など、日々の習慣づくりも環境調整の一環として考えてみましょう。

就寝前のルーティン作り

毎晩同じ流れで寝かしつけを行うと、子どもが自然と寝る時間を意識するようになります。例えば、歯磨き→パジャマに着替える→読み聞かせ→照明を落とす、といったシンプルな流れを何度も繰り返すだけでも効果的です。これによって体と心が落ち着き、スムーズに入眠できるようになります。

部屋の明るさ・温度・湿度

就寝時は真っ暗だと怖がる子どももいるため、その場合は床置きで暗めのナイトライトを使用するなど工夫が必要です。温度は20℃前後(夏場は26℃前後)、湿度は50〜60%程度にすることで、快適かつ健康的な環境を作れます。定期的に換気を行い、空気がこもらないようにすることも大切です。

電子機器や刺激物の排除

ブルーライトを発するテレビやスマホは、脳を活性化させて夜の寝付きに大きな影響を与えます。就寝1時間前には電子機器の使用を控えさせるのが望ましいでしょう。カフェインや刺激の強い映像を避けることも大切で、子どもが自然とリラックスできる環境を意識的に作ってあげることがポイントです。

起きる時間と寝る時間を規則的にする重要性

毎日の就寝・起床リズムが整うことで、体内時計が安定し、深い睡眠が得やすくなります。

寝る時間と起きる時間が毎日バラバラだと、脳が混乱して自然な眠気を感じにくくなります。規則正しいリズムを身に付けると、朝すっきりと目覚め、夜は自然と眠気が訪れる理想的な状態へ近づきます。週末に遅くまで寝る習慣がある家庭は、できるだけ平日とのズレを小さくする意識を持つことが大切です。

早寝早起きのメリット

朝は太陽光を浴びることで身体が目覚めやすくなり、夜に備えて体内時計がリセットされます。早寝早起きを習慣化すると集中力や体力が高まり、学習やスポーツでのパフォーマンス向上にもつながります。保護者自身も同じリズムで過ごすと、子どもと一緒に健康的な生活サイクルを維持しやすくなるでしょう。

週末の寝だめは逆効果?

平日が寝不足だからといって週末に長時間寝ると、生活リズムがさらに乱れることがあります。体内時計が夜型にずれてしまい、翌週の月曜日に朝起きられなくなるなどの悪循環に陥りやすいです。子どもの負担を考えると、週末も普段より少し多い睡眠時間にとどめ、極端に寝だめをしないほうが望ましいでしょう。

子どもが寝ない場合に考えられる睡眠障害

単なる寝つきの悪さではなく、病気が関与している可能性もあります。

子どもが夜中に何度も起きてしまったり、慢性的に寝付けない状態が続くと、医療的な対策が必要になることがあります。呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群や、足のむずむず感を伴うレストレスレッグス症候群などは代表的な例です。気になる症状がある場合は、早期に専門家の診察を受け、必要に応じて治療や生活習慣の見直しを行いましょう。

レストレスレッグス症候群

足がむずむずして落ち着かないため、夜になかなか寝付けないのが特徴です。子どもがこの不快感を自分でうまく表現できない場合もあるので、保護者が夜の様子を観察して早めに発見し、適切な対処を行うことが大切です。医師の診断を経て生活習慣を改善したり、服薬したりすることで症状が緩和されるケースがあります。

発達障害との関連

注意欠陥多動性障害などの発達障害を持つ子どもは、睡眠障害を併発しやすいと言われています。入眠まで時間がかかったり、夜間に何度も目が覚めてしまうなどの症状がある場合は、専門医のサポートが必要です。環境を整えたりスケジュールを調整しても改善しないときには、早めに主治医に相談しましょう。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に断続的に呼吸が止まる症状で、重症化すると昼間の集中力の低下や成長への影響が懸念されます。頻繁ないびきや、朝起きたときに異常なだるさを訴える場合は注意が必要です。小児科や耳鼻科などでの専門的な診断・治療を受ける。

子どもが寝ないときに役立つ対処法

寝かしつけを工夫することで、子どもの入眠をスムーズにし、保護者の負担を軽減できます。

子どもが安心して眠りにつけるよう、寝る前の行動や音、照明などを工夫して環境を整えることが大切です。適度なスキンシップや落ち着いた音楽、読み聞かせなど、子どもの年齢や好みに合わせた方法を取り入れると良いでしょう。日中には外で遊んだり運動したりしてエネルギーを発散させ、夜の入眠をスムーズにするのも有効な手段です。

寝る前の絵本や音楽

子どもがリラックスできる穏やかな音楽や、落ち着いたトーンの読み聞かせは寝かしつけに効果的です。絵本の内容も、怖い話など刺激的なものを避け、優しい物語やイラストを中心に選ぶと良いでしょう。子どもとのスキンシップを通じて、心身ともに落ち着きを取り戻しやすくなります。

安心感を与える寝かしつけ

子どもが不安を感じている場合は、部屋に子どもが楽しい気持ちになるようなウォールステッカーを貼ったり、ナイトライトをつけるなど、不安を和らげる工夫をしてみましょう。一人で暗い部屋にいることを怖がる子には、保護者がそばで見守る姿勢を見せるだけでも安心できることがあります

日中の運動量を増やす

外遊びやスポーツなどで体を動かす機会を増やすと、夜に自然と心地よい疲労感が得られ、寝付きが良くなります。家族全員で散歩やジョギングを楽しむなど、子どもの興味を引く形で運動習慣を取り入れるのもおすすめです。適度な運動はストレス発散にもつながるため、健やかな成長にも良い影響を与えます。

お昼寝をしない・嫌がる場合の理由と対処

子どもが昼寝を拒否する背景や、それに対するアプローチ方法を考えます。

一般には3歳前後からお昼寝が必要なくなっていきますが、それ以前でも個人差によっては、子ども自身が昼寝を必要としていない場合もあります。無理に寝かせようとするとストレスになり、かえって室内でのトラブルや寝付きの悪化を招くこともあります。子どものペースを見極めながら、必要に応じて昼寝の有無やタイミングを調整することが大切です。

お昼寝をしないメリット・デメリット

昼寝をしないと夜の睡眠が深くなるメリットがありますが、子どもの体力が続かず夕方にぐずりやすくなるデメリットもあります。活動的な子であれば、昼寝をしなくとも少し就寝時間を早めれば、夜まで元気に過ごせる場合もあります。逆に昼間の疲れが溜まっているならば、短い昼寝を取り入れて夜までの機嫌を保つ方法も選択肢の一つです。

無理に寝かせなくても良い場合

年齢が上がるにつれ昼寝の必要性は低下していきます。もし昼寝をしなくても機嫌が悪くならず、夜の睡眠にも問題がないのなら、無理に昼寝を強要する必要はありません。子どもの体調や生活リズムを観察しながら、適切な睡眠バランスを見つけることが大切です。

睡眠と食事・栄養の関係

睡眠の質を高めるためには、栄養バランスのとれた食事も重要です。

子どもの脳と体を育む栄養素が極端に不足すると、入眠障害や夜泣きなどの問題が起こりやすくなる可能性もあります。食事の時間やバランスを意識し、学童期以降は、寝る前には消化に負担のかからない適量の食事にとどめるよう心掛けましょう。

トリプトファン・カルシウム

トリプトファンはセロトニンやメラトニンの原料となるアミノ酸で、乳製品や肉類、大豆製品などに豊富です。カルシウムは骨の成長だけでなく精神的な安定にも関わるミネラルで、牛乳や魚介類で手軽に摂取できます。

夕食のタイミングや食べ過ぎに注意

就寝直前の過度な飲食は胃腸を刺激し、体が休息モードに入りにくくなる要因になります。特に甘いものやカフェインが入った飲み物は、脳の刺激を強くするので避けましょう。学童期以降は、寝る2時間前には食べ終わる習慣をつけ、バランスの良い食事で子どもの睡眠をサポートしてあげることが大切です。

保護者の生活習慣が子どもの睡眠に与える影響

保護者の行動や生活リズムは、子どもの睡眠に直接的・間接的に影響します。

子どもは親の真似をして生活習慣を身に付けるため、親が夜更かしや不規則な生活をしていると、その影響を受けて寝付きが悪くなるケースがあります。リビングでテレビが遅くまでついている、親が深夜までスマホを操作しているなどの状況は、子どもの脳を興奮状態にしてしまいがちです。家族全体で早寝早起きを心掛け、子どもにとって安らげる環境を整えることが求められます。

親子で早寝早起きを実践するコツ

家族みんなで同じリズムを目指すことで子どもにも定着しやすくなります。夕食後はスマホやテレビの時間を短くし、照明を少し落としてリラックスできる雰囲気を作るのも効果的です。親が率先して規則正しい生活を送り、模範を示すことが、何よりの近道となるでしょう。

テレビやスマホ時間の見直し

就寝直前まで強い光を放つ画面を見ていると、子どもの脳は覚醒状態になり、睡眠の質が低下しがちです。動画視聴やゲームは日中や夕方までに済ませ、夜はなるべくデジタル機器をオフにする時間を設けるよう心掛けましょう。親がスマホを触る時間を見直すことで、子どもの興味を自然に他の活動へ向けることができます。

夜泣きとの向き合い方

夜泣きは成長過程で多くの子どもが経験しますが、対策をとることで軽減することが可能です。

夜泣きは赤ちゃんや幼児の寝かしつけで頻繁に起こり、保護者にとっては大きな負担になりがちです。原因には脳の発達過程における一時的な不安定や、昼間の刺激が強かったことなど様々な要素があります。また、寝かしつけ方法が一因となっているケースも多いです。

夜泣きが落ち着く時期と原因

生後6か月から2歳頃までの夜泣きは、脳が急激に発達する時期であることが大きく関係しています。昼間に新しい経験をたくさんした場合、その興奮や不安が夜間に表出するとも考えられます。子どもごとの発達速度や個性によって落ち着く時期は異なるため、一時的なものとして捉え、あまり過度に心配しすぎないことも必要です。一方、夜中に何度も起きるというような夜泣きは、寝かしつけ方法が原因の場合も多いです。その場合は、早めに対処することで親子ともぐっすり眠れるようになります。

夜泣き対策の具体例

まずは生活リズムや寝室環境を整えることが最重要です。また、就寝前に脳をリラックス状態に導く方法を意識すると良いでしょう。穏やかな音楽ややさしい照明、声掛けで雰囲気を和ませることで、子どもが安心して寝入りやすくなります。それでも夜泣きが続く場合は、寝かしつけ方法が原因となっている可能性があります。この場合は、寝かしつけでの保護者の介入を無くしていくことで、夜泣きを改善することができます。

思春期の子どもの夜更かしにどう対応する?

思春期の子どもは自我が芽生え、生活リズムが乱れやすくなります。

自宅だけでなく学校や部活、友人関係など、多岐にわたる活動が増え、睡眠の優先度が低くなりがちです。携帯電話やパソコン、ゲームなどの誘惑も多く、ついつい夜更かしを続けてしまう子どももいます。思春期には無理な押し付けは反発を招きやすいですが、生活リズムの管理にはまだ保護者のサポートが必要な時期です。睡眠の重要性を理解してもらうための丁寧なコミュニケーションが求められます。また、起床が遅い場合は、早く寝かせようとしても上手くいきません。まずは早起きさせることで、自然と早めに眠れるよう導いていくのが得策です。

生活リズムの乱れが招くリスク

成長期に十分な睡眠をとれないと、身体的には疲労が蓄積し、精神的にもストレスを溜めやすくなります。集中力や学習意欲の低下だけでなく、体調不良や免疫力の低下を招く恐れもあるため注意が必要です。思春期の子どもは自己評価や人間関係で悩むことも多いため、睡眠不足がさらなるトラブルを引き起こす要因にもなりかねません。

共に考える睡眠の大切さ

親が一方的に早く寝るように強制するのではなく、睡眠不足が引き起こす問題点を一緒に学ぶ姿勢が大切です。夜更かしで翌朝起きられないなどの経験を子どもと振り返り、解決策を話し合うことで理解を深めやすくなります。思春期の子どもの自尊心を傷つけない程度に、適度なサポートを続けながら睡眠時間を確保する意識を育てましょう。

睡眠時間に関するよくある質問Q&A

子どもの睡眠時間にまつわる疑問を解消し、適切な睡眠習慣をサポートします。

正しい睡眠時間は年齢によって異なる上、個人差も大きいという特徴があります。親としては「どのくらい寝かせるのが正解なのか」「睡眠不足が続くとどんな影響が出るのか」など、不安や疑問を抱きがちです。ここでは代表的な3つの質問をピックアップし、対処法や考え方をわかりやすくまとめます。

理想の睡眠時間はどれくらい?

生後4ヶ月頃から1歳になるまでの赤ちゃんでは1日に12〜16時間ほど、1〜2歳は11〜14時間程度、3〜5歳は10〜13時間程度、小学生では9〜12時間ほど必要とされています。思春期でも8〜10時間ほどが目安とされますが、個人差があるため子どもの状態を見て調整すること大切です。

睡眠不足が続くとどうなる?

免疫力の低下により風邪などの症状が出やすくなるほか、学習や集中力、新しいことを覚える能力が下がる可能性があります。精神面でもイライラしやすくなるなど、情緒面に影響を及ぼす場合があります。特に成長期の子どもにとっては、身体面だけでなく心の健康にもダメージを与えるリスクが高まる点に注意が必要です。

早寝がどうしても苦手な場合の工夫

急激に寝る時間を早めると、かえって眠れなくなる子もいます。まずは就寝前の1時間にスマホやテレビをオフにする、小さな灯りだけにするなど、徐々に脳の興奮を抑える工夫が効果的です。少しずつ就寝時間を前倒しし、子どもの体が新しいリズムに慣れるのを待つことが成功のポイントとなります。また、就寝時間が遅くても、起床時間を遅らせないことが重要です。

専門家に相談が必要なケースとは?

家庭内の工夫だけでは解決しない場合、早めに専門家へ相談することを検討しましょう。

夜になかなか寝付けない、起きられない、日中に疲弊しきっているなどの症状が続くと、睡眠障害や他の疾患が隠れているかもしれません。小児科や睡眠外来などで診察を受けることで、専門的な視点から対策を練ることができます。子どもが抱えるストレスや不安要素が大きい場合は、専門カウンセリングの利用も視野に入れてみましょう。

小児科受診のタイミング

子どものストレス状態が長く続いていたり、生活リズムの乱れが顕著で改善しない場合は、一度医師の診察を受けると安心です。日常の中で睡眠や起床にまつわる困り事の具体例をメモしておくと、受診時にスムーズに状況を伝えられます。特に体調不良や発育面で心配があるなら、早めの受診が推奨されます。

専門カウンセリングなどを検討する

子どもが強い不安やストレスを抱えている場合、心理士やカウンセラーによるサポートが有効です。家庭だけでは把握しきれない悩みを第三者が客観的に整理し、解決策を一緒に考えてくれます。生活リズムの指導とあわせて心のケアを行うことで、睡眠トラブルの根本解決につながる可能性があります。

まとめ:子どもの健やかな睡眠を守るために

子どもが安心して眠れるよう、生活習慣や環境を整え、必要に応じて専門家の力を借りることが大切です。

成長期の子どもにとって、質の良い睡眠は心身の発育の基盤となります。夜更かしやスマホの使い過ぎなど、些細な習慣が大きな影響を及ぼす場合もあるため、日々の生活を一度振り返ってみることが大切です。もし家庭の工夫だけでは解決が難しいと感じたら、早めに小児科や専門外来に相談し、子どもの性格や生活スタイルに合った方法を一緒に探っていくと良いでしょう。

参考文献

  1. Long-term mother and child mental health effects of a population-based infant sleep intervention: cluster-randomized, controlled trial

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18762495/