目次
監修者

五藤 良将
千葉県立東葛飾高校卒、防衛医科大学校医学部卒。その後に自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどの勤務を経て2019年9月に継承開業に至る。
- 免許・資格
医師免許、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医、日本医師会産業医、スポーツドクター、日本美容内科学会評議員
気分が落ち込みやすい、不安感が続く、眠りが浅い。そんな状態を解消する方法を知りたいという人は少なくありません。
私自身も、忙しさが続いて夜に気持ちが切り替わらなくなった時期がありました。呼吸が浅くなっていることに気づき、ツボ押しを試してみたのですが、そのとき感じたのは「押せば増える」という単純な話ではない、という戸惑いでした。
セロトニンは気分や情動の安定に関与する神経伝達物質として知られていますが、セルフケアで増減を数値として実感するのは現実的ではありません。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、ツボ押しを即効性のある方法として扱うのではなく、呼吸が深まりやすい、緊張がほどけやすい、眠る前の切り替えがしやすいといった日常で確かめやすい体感に焦点を当てて解説をします。
セロトニンと「増やす」という言葉を誤解しないための前提

セロトニンという言葉は、日常的には「幸せホルモン」として広く知られていますが、実際には感情だけを単独で高める魔法の物質ではありません。公的な情報では、セロトニンは脳内で働く神経伝達物質の一つと定義されており、気分の安定や覚醒と休息の切り替えなど、心身の調整に関わる役割を担うものとして整理されています※1。
こうした定義を踏まえると、「セロトニンを増やす」という表現は、その量を直接コントロールできるかのような誤解を招きやすいことが分かります。実際のところ、日常生活やセルフケアによって体内のセロトニンを意図的に増減させることを、明確に断定できる根拠は限られています。そのため、公的情報や医療分野では、「増やす」という言い切りよりも、「働きを支える」「分泌のリズムに関わる要因がある」といった、より慎重な表現が用いられています。
また、セロトニンは単独で作用する存在ではなく、自律神経の働きや睡眠に関わるホルモンであるメラトニンとも関係しています。日中の覚醒状態や気分の安定を支える仕組みと、夜間の休息や睡眠リズムは連続した流れの中で調整されており、どこか一つだけを切り離して語ることは適切ではありません。
ツボ押しや呼吸、生活習慣の見直しといったセルフケアを扱う記事では、こうした前提を押さえずに「セロトニンが増える」と断定的に表現してしまうケースが少なくありません。しかし、本来の位置づけとしては、気分や睡眠の土台づくりを下支えする可能性がある行動として紹介するのが現実的です。効果の感じ方には個人差があり、即効性や万能性を期待するものではないことを、あらかじめ理解しておくことが重要になります。
このように、セロトニンをめぐる言葉の意味を正しく整理しておくことで、以降に紹介するセルフケアの手順も「治す」「増やす」ための方法ではなく、日常の中で心身のコンディションを整えるための一つの考え方として捉えやすくなります。まずは期待値を適切に設定し、そのうえで無理のない形で取り入れていく姿勢が、結果的に継続しやすいセルフケアにつながります。
セロトニン不足で起きやすいと言われる不調の例
「もしかしてセロトニンが足りていないのでは」と感じる人が抱えやすい悩みには、気分の落ち込みや不安感、理由のないイライラ、眠りのリズムの乱れなどがあります。厚生労働省の情報では、セロトニンの低下が精神的な不調につながる可能性があるとされています※1。
ここで大切なのは、同じ症状が出ていても背景が一つとは限らないという点です。仕事や人間関係のストレス、生活リズムの乱れ、睡眠不足の蓄積、季節や天候の影響、体調の変化などが重なることで、気分や睡眠は揺れやすくなります。こうした状態で「セロトニンだけが原因だ」と決めつけてしまうと、かえって不安が強まることもあるため、今の自分にできるケアを安全な範囲でゆっくり重ねていくのがおすすめです。
ツボ押しが目指すゴールは「気分と睡眠の土台づくり」
ツボ押しは、医療行為の代わりになるものというよりも、日々たまりやすい緊張やストレスをゆるめて、「元に戻りやすい状態」をつくるためのセルフケアとして考えるのが現実的です。たとえば、息を吐くタイミングに合わせてゆっくり刺激すると呼吸が自然に深くなりますし、就寝前に同じ手順を繰り返すことで体が「眠る準備」に入りやすくなる感覚を得られる場合もあります。
つまり「すぐに別人のように変わる」ことを目指すのではなく、「今日一日の気分や睡眠の波を少し小さくする」ことを意識するとよいことが分かります。
根拠をどう読むか:ツボ押しと鍼灸の違い、研究の限界

厚生労働省の情報では、うつ症状に対する鍼治療に関する研究が紹介されています※2。
その中では、電気鍼などの介入が抗うつ薬のみの場合と比べて改善を示したとする報告がある一方で、研究の質にばらつきがあること、対象者や評価尺度が統一されていないこと、有害事象の記載が十分でない研究も含まれていることが併せて示されています。
ツボ押し、鍼、円皮鍼の違いを一言で整理
ツボ押しは、指や手のひらで圧をかけるセルフケアであり、刺激は比較的穏やかになりやすい方法です。一方で鍼灸は、国家資格を持つ専門家が鍼や灸を用いて刺激を与える施術で、刺激の深さや量、作用の仕方が大きく異なります。円皮鍼は、非常に小さな鍼が付いたシールを皮膚に貼り、弱い刺激を持続させる方法で、これを対象にした試験も報告されています※3。
この違いを意識せずに「できる範囲」を超えてしまうと、強く押しすぎて痛めたり、内出血を起こしたり、症状が強いのに我慢して続けてしまったりする方向に進みがちです。セルフケアは体を鍛える競技ではなく、あくまで味方につけるための手段ですから、心地よさを基準に、無理のない刺激で行いましょう。
期待しすぎないためのチェック観点
研究結果を読むときには、誰を対象にして、どのような介入を行い、何を指標として評価しているのかを分けて考える姿勢が欠かせません。たとえば円皮鍼を用いた試験では、抑うつ尺度であるBDI-IIに加えて、心電図のR-R間隔変動係数やCVIといった自律神経関連の指標が使われることがあります※3。ただし、これは貼付刺激を前提とした研究であり、指で押すツボ押しの結果を直接示すものではありません。
こうした線引きを意識できるようになると、ツボ押しは「医学的に断定できる治療法」ではなく、「生活の中で気分や睡眠の土台を整えるための工夫」として、ちょうどよい距離感で取り入れられるようになるでしょう。
セロトニンを増やすツボ 5選:場所と押し方の基本
ここで紹介する5つのツボは、「押せばセロトニンが直接増える」と断定できるものではありません。あくまで、ストレスや不眠、気分の落ち込みを感じたときに選ばれやすく、呼吸や緊張の切り替えを助ける入口として知られている場所です。
厚生労働省の情報でも、セロトニンは精神の安定に関与する神経伝達物質と説明されていますが、その変化をセルフケアだけで数値化することは難しいとされています※1。そこで本章では、「気分や睡眠の土台を整えやすいか」という実践目線に立ち、場所と押し方を統一した考え方で整理します。
押し方の基本はどのツボでも共通しています。息を止めず、痛気持ちいいと感じる手前で圧をコントロールし、短時間で区切ることが安全です。この前提を押さえたうえで、一つずつ見ていきましょう。
1. 膻中:胸の中心で呼吸を深める入口
膻中は胸の中央付近にあり、左右の乳頭を結んだ線の真ん中あたりが目安になります。場所が分かりやすく、呼吸と組み合わせやすい点が特徴です。指を2本または重ねて当て、息を吐くタイミングに合わせてふんわりと圧を乗せます。3秒かけて押し、3秒かけてゆるめるリズムにすると、呼吸の流れと合いやすくなります。
おすすめのタイミングは、仕事終わりに気持ちを切り替えたいときや、就寝前に1分ほど静かに整えたい場面です。ただし、胸の痛みや強い動悸がある場合は、別の原因が隠れている可能性もあるため、無理に刺激せず中止する判断が大切です。
2. 神門:就寝前ルーティンに組み込みやすい手首のツボ
神門は手のひら側で、手首のしわの小指寄りにあるくぼみが目安になります。夜に布団の中でも押しやすく、就寝前のルーティンに組み込みやすいのが利点です。反対の手の親指を当て、ゆっくり押してゆっくり戻す動きを繰り返します。強く押し込むより、一定のリズムで「押す・ゆるめる」を意識したほうが、体が緊張しにくいです。
眠る直前に刺激を強くしすぎると、かえって目が冴える場合があるため、就寝の5〜10分前を目安に、軽めで終えると失敗しにくいです。
3. 内関:不安感や胃のムカつきがあるときの選択肢
内関は手首の内側のしわから指3本分ほど肘側に進み、2本の腱の間に位置します。仕事中や外出先でも短時間で行えるため、不安感や胃のムカつきが気になるときの選択肢として使われやすいツボです。親指を当ててやさしく圧を入れ、5秒ほどで離す流れを数回くり返してください。
左右どちらか一方だけでなく、両側を行うことで体の左右差に引っ張られにくくなります。押したあとは一度深呼吸すると、切り替えのリズムが整います。
4. 百会:頭が重い、考えが止まらないときの切り替え
百会は頭頂部にあり、左右の耳の上端を結んだ線と体の中心線が交わるあたりが目安とされています。考えが止まらず頭が重いと感じるときのリセットとして選ばれることが多いツボです。刺激するときは爪を立てず、指腹で軽く触れるようにします。強く押すよりも、軽い圧で小さく円を描くように刺激したほうが安全です。
もし押すことで頭痛が強まる感覚があれば、その刺激は合っていないかもしれません。その場合は百会にこだわらず、呼吸と相性のよい膻中や内関に戻してください。
5. 三陰交:冷えやむくみも気になる人向けの足のツボ
三陰交は足首の内側にあり、押すとズーンと響く感覚が出やすい場所です。円皮鍼を用いた試験でも貼付部位の一つとして扱われており、下半身の不調とあわせて語られることが多いツボです※2。セルフで行う場合は、まず軽い圧で短時間から始めることが重要です。
痛みを我慢して押し続けると、リラックスするどころか体が警戒モードに入りやすくなります。妊娠中の人や持病がある人、皮膚トラブルがある場合は、刺激の可否も含めて専門家に相談してみてください。
関連記事:【上級睡眠健康指導士監修】安眠を誘うツボと睡眠環境の整え方
ツボは「痛気持ちいい手前」で短時間、就寝前は軽めに。あわせて朝の光で体内時計を整えるなど、生活習慣とセットにすると続けやすくなります。
そして、つらさが2週間以上続く/日常生活に支障がある/希死念慮があるときは、セルフケアで抱え込まず早めに相談してください。
よく一緒に検索されるツボ:合谷、湧泉、ししんそうをどう扱うか

ここまでが、迷わず使いやすい代表的な5つのツボです。次の章では、これらと一緒によく検索されるツボについて、「どう扱うと安全か」という視点から整理していきます。
セロトニンやツボについて調べていると、合谷や湧泉、そしてししんそうと呼ばれるツボが、検索結果に繰り返し登場します。これらは確かに有名ですが、ここでも大切なのは「どの研究が、どの刺激を前提にしているのか」という線引きを意識することです。
鍼治療に関する研究レビューでは、一定の示唆が報告されている一方で、その結果を指で押すセルフケアにそのまま当てはめることはできない点が強調されています※2。
あくまでもセルフケアとして無理なく使える範囲に話を絞り、過度な期待や誤解を避ける視点で整理します。
合谷:緊張時の手のセルフケアとして使いやすい
合谷は手の甲側にあり、親指と人差し指の骨が合流するあたりが目安として紹介されることが多いツボです。場所が分かりやすく、仕事中や移動中でもさっと触れられるため、緊張したときのセルフケアとして選ばれやすい傾向があります。
押すときは、親指で下から支えるようにして、人差し指側へ軽く圧をかけます。ただし、長時間の強い押し込みは避け、数秒押してゆるめる流れを数回にとどめるほうが安全です。緊張が強いほど力が入りやすい場所なので、圧の強さよりも呼吸をゆっくり整える意識を重ねたほうが、体は落ち着きやすいでしょう。
湧泉:足裏でリラックスを作るが強刺激に注意
湧泉は足裏の中央付近、土踏まずの少し前あたりに位置すると説明されることが多いツボです。足裏は感覚が鋭く、セルフケアとして刺激しやすい反面、道具を使ったり強く押したりすると、刺激が過剰になりやすい部位でもあります。
特に就寝前は、強刺激によって足裏がジンジンと冴えてしまい、かえって寝つきが悪くなることがあります。手の指でやさしく触れる程度から始め、短時間で終えるのがおすすめです。押して痛みが強く出る場合や違和感が残る場合は、その日は中止してください。
ししんそう:情報が強めに語られがちなため距離感を示す
ししんそうは四神聡とも呼ばれ、百会の前後左右にそれぞれ少し離れた四点として説明されます。
指で行う場合は、特定の一点を強く押すのではなく、頭部を包むように軽く触れたり、円を描くようにやさしく刺激したりする程度に留めるのが無難です。強い効果を断定せず、体調が優れないときは無理に触らない、症状が続く場合は専門家に相談するという姿勢を前提にします。
このように、よく検索されるツボであっても、セルフケアで扱える範囲と専門施術の領域を分けて考えることで、情報に振り回されにくくなります。
関連記事:【医師監修】寝る前にするとよく眠れる!快眠のための習慣4選と避けるべき習慣
効果を感じやすくする押し方:強さ、時間、頻度、タイミング
ツボ押しは、力を入れれば入れるほど体感が高まるものではありません。目安になるのは「痛いけれど我慢できる」ではなく、「痛気持ちよく、呼吸が自然に続く」強さです。息が止まるほど強い圧だと体が緊張し、リラックスを狙ったケアとは逆方向に進んでしまいます。
一回あたりの時間は短く区切りましょう。3秒押して3秒で戻すリズムを数回くり返し、合計で1分以内に収める動きを1セットにすると、ちょうどいい刺激になります。頻度は回数を増やすより、朝や昼の切り替えと夜の就寝前など、タイミングを固定したほうが生活に埋め込みやすく、続けた実感も残りやすいでしょう。左右差については、片側だけにこだわらず両側を同じ手順で行うと、体の偏りに引っ張られにくくなります。
日中は短時間で呼吸を整える目的に寄せ、夜は刺激を控えめにして「眠る合図」として使うと、同じツボでも受け取り方が変わります。強く揉む、長時間連続で続ける、痛みを我慢して押すといったやり方は、体が警戒モードに入りやすいため避けるのが無難です。
体感が出ない原因チェック
押しても実感が出ないときには、いくつか典型的な理由があります。場所が少しずれていると刺激がぼやけやすく、圧が強すぎると呼吸が浅くなりがちです。睡眠負債が大きい時期や、ストレス負荷が高い状態では、ツボだけで変化を感じにくいこともあります。特に「強く押しているのに効かない」と感じる場合は、場所のズレか刺激過多で体が緊張している可能性を疑うと切り替えやすくなります。
こうしたサインが続くときは、無理に続けない判断も大切です。症状が強い、長引く、不安や抑うつ感が日常生活に影響している場合には、専門機関への相談が安心につながります。判断に迷うときは、国立精神・神経医療研究センターの情報など、公的な目安を参考にしてください※5。
ツボだけに頼らない:朝の光、食事、運動で整える生活習慣
気分や睡眠は、体内時計の影響を強く受けます。ツボ押しを点のケアとするなら、朝の光、日中の活動、食事は線として体全体を支える役割を担います。線が整うほど、点のケアも感じ取りやすくなります。
朝の光と睡眠リズムを整える最小手順
起床後は、まずカーテンを開けて自然光を目に入れます。外に出られる日は数分でも空を見るだけで、体に朝の合図が入りやすくなります。曇りの日や冬でも、室内で明るさを確保することがポイントです。夜は反対に、強い光を浴び続けると切り替えが遅れやすくなるため、就寝前は照明を落とし、神門や膻中を軽く押して呼吸を整える流れにすると、入眠しやすいです。
食事:トリプトファンと組み合わせの考え方
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから合成されると説明されています※3。ただし、特定の栄養素だけを増やせばよいわけではありません。続けやすい考え方は、毎食でたんぱく質を抜かないことを土台にし、極端な制限を避けることです。ビタミンB6や葉酸が話題に上ることもありますが、まずは食事の偏りを減らし、朝食を抜かない、夜に糖質だけに寄らないといった行動を積み重ねるほうが現実的です。サプリメントに頼る前に、食事の範囲で整えると安心です。
運動:リズム運動を生活に埋め込む
運動はハードである必要はありません。散歩のようなリズム運動を、短くてもよいので頻度を意識して入れると、日中に体を使った実感が残り、夜の眠気につながりやすくなります。昼休みに10分歩く、帰宅時に一駅分遠回りするといった小さな工夫も試してみてください。
睡眠の質を上げる環境整備:寝室と寝具の見直しポイント
睡眠は、気分や集中力を支える土台です。睡眠と覚醒のリズムは体内時計と深く関係しており、起床や就寝の時刻が乱れると、眠気の出方や夜の入眠しやすさも揺れやすくなります※4。
この章では、ツボ押しの効果を高めるというよりも、ツボ押しの邪魔をしないための環境づくりとして、寝室の整え方を整理します。
まず意識したいのは光です。夜の強い照明やスマートフォンの光は、頭と体に「まだ昼間だ」という合図を送りやすく、切り替えを遅らせます。就寝1時間ほど前から照明を落とし、目に入る刺激を減らしましょう。音については、完全な無音が落ち着かない場合は小さな環境音を流すなどの工夫もおすすめです。
就寝前のツボ押しルーティン例
就寝前は、刺激を増やす時間ではなく、緩めて終わる時間にします。所要時間は5分程度が目安です。
まず膻中を呼吸に合わせて1分ほど刺激し、胸まわりの緊張をほどきます。次に内関を左右それぞれ30秒ほど行い、呼吸のリズムを落ち着かせます。最後に神門を軽めの圧で1分ほど触れ、「今日はもう頑張らない」と決めて照明を落とします。
ツボ押しを終えたら深呼吸してそのまま眠りに向かう流れを作ると、入眠がスムーズです。
注意点と受診の目安:セルフケアで抱え込まないために
ツボ押しは、つらさを一人で抱え込むための道具ではありません。気分の落ち込みや不眠が続くと、「自分のケアが足りないのでは」と感じてしまいがちですが、セルフケアだけで頑張り続けるより、相談に切り替えたほうが回復が早いこともあります。
国立精神・神経医療研究センターでは、うつ病の診断の目安として、いくつかの症状が二週間以上続く場合を一つの考え方として示しています※5。これは自己判断で診断を下すためではなく、「相談を検討するタイミング」を知るための目安です。
こんなときはセルフケアより相談を優先
気分の落ち込みがほぼ毎日続き、2週間以上改善しないときや、眠れない、あるいは眠りすぎる状態が続いて仕事や家事に支障が出ているときは、セルフケアだけで抱え込まないことが大切です※2。
また、「死にたいと感じる」「消えてしまいたいと思う」といった緊急性の高いサインがある場合は、迷わず相談を優先してください。
ツボ押しは、相談へ向かうための体力や余裕を支える“補助輪”として使うくらいが、いちばん安全でやさしい使い方です。
まとめ:今日からできるツボ押しと生活習慣の整え方を、無理なく続ける
セロトニンは神経伝達物質の一つで、必須アミノ酸のトリプトファンから合成され、心の安定に関与すると説明されています※1。
実践では、膻中、神門、内関、百会、三陰交といった代表的なツボを、呼吸が止まらない強さで短時間に区切って試すところから始めてください。
体感が乏しい場合は、場所のズレや刺激の強さを見直しつつ、朝の光、軽い運動、食事の偏り、夜の光環境まで含めて整えると、ツボ押しがなじみやすい土台ができてきます。体内時計の考え方は、睡眠の悩みを整理するうえで相性のよい視点です※1。
ツボ押しは、日々を少し楽にするための選択肢として、無理のない距離感で取り入れていきましょう。
・参考
※1 セロトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※2 うつ病に対する鍼治療 | 厚生労働省
※3 円皮鍼等に関する試験要約 | 厚生労働省
※4 体内時計と光 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※5 こころの病気について | 国立精神・神経医療研究センター




