目次
監修者

本多 洋介
群馬大学医学部卒業。
伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院(いずれも循環器内科)を経て、Myクリニック本多内科医院院長。
- 免許・資格
総合内科専門医、循環器内科専門医、日本心血管インターベンション学会専門医、軽カテーテル的大動脈弁植え込み術指導医(Sapienシリーズ、Evolutシリーズ)
「8時間睡眠が理想」と信じて毎日しっかり8時間眠っているのに疲れが抜けない、そんな経験をしたことはありませんか。私自身も以前は「8時間寝れば万全」と思い込んでいましたが、実際には寝すぎて頭がぼんやりする日もありました。近年の研究では、この「8時間睡眠神話」に科学的根拠が乏しいことが明らかになっています。
本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の石川が、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」や日本人10万人を対象とした大規模調査をもとに、年齢や生活リズムによって異なる適正睡眠時間を科学的に解説します。
さらに、睡眠不足や寝すぎがもたらす健康リスク、そして毎日の眠りの質を高める実践的な方法まで、最新データに基づいて紹介します。
「8時間」にとらわれず、自分にとって本当に心地よい眠り方を見つけるための第一歩として、科学的根拠から“理想の睡眠”を一緒に見直していきましょう。
8時間睡眠の真実:最新の科学的根拠が示す適正睡眠時間

「8時間睡眠こそ健康の理想」と耳にすることは多いですが、近年の研究ではその考えが必ずしもすべての人に当てはまるわけではないことが明らかになっています。
最新の睡眠科学では、必要な睡眠時間には個人差があり、年齢や体質、生活環境によって最適な長さが異なるとされています。ここでは、なぜ「8時間」という数字が広まったのか、そして科学的根拠に基づく適正睡眠時間について解説します。
なぜ「8時間睡眠」が定説になったのか
「8時間睡眠」という考え方の起源は、20世紀初頭の欧米社会にさかのぼるといわれています。
当時は産業革命後の労働環境が厳しく、労働時間を短縮しようとする社会運動が活発に行われていました。その結果、「1日を8時間労働・8時間休養・8時間睡眠に分ける」という考え方が理想的な生活リズムとして提唱され、この概念が世界に広まりました。
つまり、8時間という数字はもともと健康や科学的根拠から導かれたものではなく、社会的な運動や労働環境の改善を目的として生まれたライフスタイルの指針にすぎなかったのです。
しかし現代では、働き方や生活リズムが多様化し、8時間という一律の基準では人それぞれの健康状態を正確に測れないことが分かってきました。
そこで注目されているのが、科学的データに基づいた「個人に合った睡眠時間」という考え方です。
関連記事:7時間睡眠は本当に最強か?健康とパフォーマンスから考える理想の睡眠時間
科学が証明した適正睡眠時間は「6〜8時間」
厚生労働省が発表した『健康づくりのための睡眠ガイド2023』によると、成人における適正睡眠時間は6〜8時間の範囲が望ましいとされています。※1
複数の研究でも、7時間前後の睡眠を取る人が最も死亡率や生活習慣病のリスクが低い傾向にあると報告されています。特に心血管疾患や糖尿病、肥満といった疾患との関連性が強く、過剰な睡眠も不足した睡眠も健康に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。
つまり、「8時間寝ること」が重要なのではなく、「6〜8時間の中で自分の体調や生活に合った睡眠時間を安定して確保すること」が健康維持の鍵といえるでしょう。
質の高い睡眠を取ることで、心身の回復力や集中力、免疫機能などのパフォーマンスも自然と高まります。
睡眠時間には個人差がある:ロングスリーパーとショートスリーパー
同じ時間だけ眠っても、翌朝の目覚めや日中のパフォーマンスには個人差があります。
6時間未満でも日中に眠気を感じずに活動できる人は「ショートスリーパー」と呼ばれ、8〜9時間以上眠らないと疲労が取れにくい人は「ロングスリーパー」とされています。
この違いは遺伝的な要因や体質、加齢、運動量、ストレスの度合いなど、さまざまな要素に左右されます。
また、同じ「8時間睡眠」でも、眠りの深さや途中覚醒の有無によって疲労回復の度合いは大きく異なります。重要なのは、時間の長さではなく「どれだけ質の良い睡眠を取れているか」です。自分の体調やリズムを観察し、最も快適に目覚められる睡眠パターンを見つけることが、健康な生活を続けるための第一歩といえます。
関連記事:適切な睡眠時間はメリットだらけ?最新研究でわかった7~9時間睡眠の効果と長時間睡眠の注意点
年代別の理想的な睡眠時間:25歳から65歳まで

年齢を重ねるにつれて、私たちの睡眠時間や眠りの質は少しずつ変化していきます。
同じ人でも、20代のころと50代、60代では必要な睡眠量や睡眠の深さが異なります。厚生労働省のデータによると、成人期から高齢期にかけて平均睡眠時間は徐々に短くなり、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳では約6時間が目安とされています。※1
ここでは、各年代における理想的な睡眠時間と、その背景にある生理的変化、そして健康を保つための工夫について見ていきます。
20代〜30代:平均7時間の睡眠が目安
20代から30代にかけては、仕事や学業、プライベートの活動が活発な時期であり、最も睡眠不足になりやすい年代です。
厚生労働省のデータでは、25歳前後の理想的な睡眠時間は約7時間とされています。※2 この年代では、心身の回復力が高く多少の睡眠不足でも日中の活動がこなせてしまうため、慢性的な寝不足に気づきにくいことがあります。
一方で、夜遅くまでスマートフォンやパソコンを使用する習慣が定着しやすく、体内時計が夜型に傾きやすいのもこの時期の特徴です。
特に平日と休日で起床時間が大きく異なる場合、「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」が起こり、集中力や免疫力の低下を招くことがあります。※1
若年期には、「7時間前後の睡眠を一定のリズムで取ること」と「就寝・起床時間を毎日そろえること」が、最も効果的な健康維持の方法といえるでしょう。
40代〜50代:6.5時間前後でも健康維持は可能
40代から50代にかけては、加齢とともに睡眠の構造そのものが変化し始めます。
深いノンレム睡眠の割合が減り、夜中に何度か目が覚める「中途覚醒」が増える傾向があります。そのため、若い頃よりも短い睡眠時間で目が覚めやすくなり、6.5時間前後でも十分に回復できる人が多くなります。※3
一方で、生活習慣病やストレスによる睡眠の質の低下も増加する時期です。生活習慣病予防のデータによると、40〜50代では睡眠時間が6時間未満という人が全体の4割を超えると報告されています。※3
短時間睡眠が慢性化すると、高血圧や糖尿病、肥満などのリスクを高めるため、時間の確保に加えて「質の改善」を意識することが重要です。
特に就寝前のアルコール摂取やスマートフォンの使用は眠りの浅さを引き起こしやすいため、寝る前の習慣を見直すことが中年期の睡眠を守る第一歩となります。
60代以降:6時間睡眠が自然な変化
60代を過ぎると、体のリズムそのものが変化し、睡眠時間が短くなる傾向が自然に現れます。
厚生労働省のデータでは、65歳前後の平均睡眠時間はおよそ6時間とされています。※1 これは睡眠能力が低下したわけではなく、加齢による生理的な変化として睡眠が浅くなり、早朝に目覚めやすくなるためです。
この年代では、無理に長時間眠ろうとするよりも、「短くても質の良い睡眠を取ること」が健康維持の鍵になります。
また、日中に活動量が減ると夜に眠れなくなるため、軽い運動や日光浴を取り入れて体内時計を整えることが効果的です。
さらに、布団に入っても眠れない時間が長いと、かえって不眠の不安を強めてしまうことがあります。眠れない場合は一度起きてリラックスするなど、「睡眠をコントロールしようとしない姿勢」も大切です。
年齢を重ねても、体に合った睡眠リズムを受け入れ、質を保ちながら快適な休息をとることが、健康長寿の基盤となります。
睡眠不足が招く5つの健康リスク:6時間未満の危険性

「忙しいから」「寝る時間がもったいない」といった理由で、6時間未満の睡眠を続けている人は少なくありません。
しかし、近年の研究では短時間睡眠が健康に深刻な影響を及ぼすことが次々と明らかになっています。厚生労働省の報告によると、日本人の約4割が平日の睡眠時間を6時間未満としており、その積み重ねが生活習慣病やメンタル不調の引き金になっているとされています。
ここでは、日本人を対象とした大規模な追跡調査や疫学データをもとに、睡眠不足が引き起こす代表的な5つのリスクを見ていきます。
1. 心血管疾患リスクが約5倍に上昇
最も注目すべきリスクの一つが、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患の発症リスクです。
日本人労働者2,282人を対象とした14年間の追跡調査によると、1日6時間未満の睡眠しか取らない人は、7〜8時間眠る人に比べて心血管疾患を発症するリスクが約4.95倍に上昇すると報告されています。※6
睡眠不足が続くと、交感神経の緊張状態が長引き、血圧や心拍数が上昇します。さらに、炎症性物質の分泌が増えることで血管の柔軟性が低下し、動脈硬化を進行させる可能性も高まります。
つまり、日々の「少しの寝不足」が長期的には心臓や血管の負担を大きくし、重大な疾患を引き起こすリスクを高めるのです。
2. メタボリックシンドロームと肥満のリスク増加
睡眠不足は、体重増加や代謝異常にも直結します。
日本人男性労働者約4万人を対象とした大規模調査では、1日5時間未満の睡眠を取る人は、7時間睡眠の人に比べて肥満リスクが1.13倍、メタボリックシンドローム発症リスクが1.08倍に上昇していることが確認されています。※7
その背景には、ホルモンバランスの乱れがあります。睡眠が不足すると、満腹感をもたらす「レプチン」の分泌が減少し、食欲を刺激する「グレリン」が増加します。その結果、夜間の間食や過食が起こりやすくなり、脂肪の蓄積を助長してしまうのです。
また、インスリンの働きが悪化することで、血糖値の上昇が続き、肥満や糖尿病への道を開いてしまうことも指摘されています。
3. 糖尿病発症リスクの上昇
睡眠時間が短い人ほど、糖尿病を発症するリスクが高まることが、国内外の研究で繰り返し報告されています。その主な原因は、ホルモンバランスと血糖コントロールの崩れです。
睡眠不足が続くと、体内でインスリンの効き目が低下し、血糖値を下げる機能がうまく働かなくなります。さらに、前述のレプチンとグレリンのバランスの乱れによって過食傾向が強まり、エネルギー過多の状態が続くことになります。※3
このように、睡眠の質と量は血糖値の安定に深く関係しており、慢性的な睡眠不足が糖代謝異常を引き起こすことが科学的に裏付けられています。
つまり、糖尿病対策には食事や運動と同じくらい、「十分な睡眠を取ること」が欠かせないのです。
4. うつ病などメンタルヘルスへの影響
睡眠不足は、心身のバランスを崩す最大の要因の一つといわれています。
特に、うつ病や不安障害などのメンタルヘルス不調との関係は深く、相互に影響し合うことが知られています。
厚生労働省の資料では、睡眠不足が続く人ほどストレス耐性が低下し、抑うつ傾向が強まることが示されています。※8
また、睡眠障害とうつ病は双方向の関係にあり、不眠がうつ症状を悪化させる一方で、うつ病が原因で眠れなくなるケースも少なくありません。
この悪循環を防ぐためには、早めの睡眠リズムの調整と、必要に応じた専門的なサポートが重要とされています。
5. 認知機能低下の増加
最後に見逃せないのが、睡眠不足による集中力・判断力の低下です。
睡眠が足りない状態では、脳の前頭葉の働きが鈍り、注意力や記憶力が落ち込みます。※5
わずか一晩の睡眠不足でも、反応速度は低下するともいわれており、複雑な判断を要する業務においては、睡眠不足が重大なミスや事故を招く危険要因となります。
「眠気を我慢して働く」ことは、一時的な頑張りに見えて、実際には大きなリスクを伴う行動なのです。
寝すぎも危険:8時間以上の長時間睡眠がもたらすリスク

「よく眠るほど健康に良い」と考えられがちですが、実は寝すぎも体に悪影響を及ぼす可能性があります。
近年の大規模調査では、8時間を超える長時間の睡眠が死亡リスクを高めることが報告されています。
特に国立がん研究センターが実施した10万人規模の追跡調査では、長時間睡眠の人々において、心血管疾患や脳卒中、さらには全死亡リスクが有意に上昇することが明らかになりました。※4
なぜ「寝すぎ」が危険なのか。その背景には、単なる休息時間の長さでは説明できない、体内の代謝や脳機能の変化が関係していると考えられています。
ここでは、長時間睡眠がもたらす3つの代表的なリスクについて見ていきます。
9時間以上の睡眠で死亡リスクが増加
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC Study)では、日本人およそ10万人を対象に10年以上追跡した結果、1日9時間以上眠る人は7時間睡眠の人に比べて全死亡リスクが明確に高いことが報告されています。※4
この傾向は、特に高齢層や基礎疾患を持つ人々で顕著にみられました。
研究者は、長時間睡眠が直接死因を引き起こすのではなく、体の不調や疾患のサインとして現れている可能性を指摘しています。たとえば、心不全や糖代謝異常など、慢性的な病気が背景にある場合、体が過剰な睡眠を求めることがあるのです。
また、長時間の睡眠によって日中の活動量が減ると、筋力低下や血流の滞りが生じ、結果的に生活習慣病の悪化につながることもあります。
つまり、「寝すぎること自体」が問題というよりは、長時間の睡眠が体の異変のサインであることを見逃さないことが大切です。
アルツハイマー病発症リスクとの関連
長時間睡眠は、脳の健康にも影響を及ぼすことがわかっています。
複数の研究によれば、8時間を超える睡眠を続ける高齢者では、アルツハイマー病やその他の認知症を発症するリスクが高まる傾向があるとされています。※5
その原因として、深い眠りの質が低下し、脳内の老廃物を排出する「グリンパティック系」の働きが十分に機能しないことが挙げられます。
本来、睡眠中には脳内に蓄積したβアミロイドなどの有害物質が除去されますが、過度に長い睡眠ではこのサイクルが乱れ、かえって老廃物が溜まりやすくなるという指摘もあります。
さらに、日中の活動量が少ない生活は、血流の減少を引き起こし、脳への酸素供給を妨げることにもつながります。
このような要因が重なることで、長時間睡眠は「脳の休息」どころか、認知機能低下のリスクを高める結果になりかねません。
睡眠時無呼吸症候群の可能性
「たっぷり寝ているのに疲れが取れない」「日中に強い眠気を感じる」といった場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性も考えられます。
この疾患は、睡眠中に呼吸が何度も止まることで、体が十分に休まらず、結果的に長時間眠っても疲労が残るという特徴があります。※10
無呼吸状態が繰り返されると、脳や心臓に酸素が届きにくくなり、高血圧や心疾患のリスクを高めることもあります。
さらに、SASの人は睡眠時間が長くなりがちで、平均的に8〜9時間以上眠っているケースも少なくありません。
しかし、その眠りは浅く断片的で、いわば「質の悪い長時間睡眠」といえる状態です。
もし長時間眠っているのに疲れが抜けない、いびきが大きい、朝の頭痛があるといった症状があれば、早めに専門医の診察を受けることが推奨されます。
適切な治療によって睡眠の質が改善すれば、自然と必要な睡眠時間も短くなり、日中のパフォーマンスも向上します。
睡眠の質を高める5つの実践的方法

睡眠時間の長さだけでなく、「どれだけ深く休めたか」も健康維持には欠かせません。
同じ7時間の睡眠でも、途中で何度も目が覚めたり、浅い眠りが続いたりすれば、翌朝の疲労感は残ったままです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠休養感”を高めることが重要とされており、生活習慣の見直しによって睡眠の質を改善できると報告されています。※1
ここでは、科学的根拠に基づいた「質の良い睡眠」を得るための5つの方法を紹介します。
1. 規則正しい睡眠スケジュールの確立
まず大切なのは、毎日ほぼ同じ時間に寝て起きることです。
体内時計(サーカディアンリズム)は24時間より少し長く設定されており、放っておくと日ごとにずれていきます。このリズムを整えるためには、就寝・起床時刻を一定にし、朝の光を浴びることが有効です。
週末に「寝だめ」をして平日の不足を補おうとする人も多いですが、これは「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」を引き起こす原因になります。※11
平日と休日で睡眠リズムが大きくずれると、月曜の朝に体内時計が再び乱れ、結果として疲労が取れにくくなるのです。
理想的なのは、平日と休日で起床時刻の差を1時間以内に保つことです。生活全体のリズムが整えば、自然と入眠しやすくなります。
2. 寝室環境の最適化:温度・湿度・光の調整
快適な寝室環境は、睡眠の深さを左右する大きな要素です。理想的な室温は夏場で26〜28℃、冬場で16〜19℃程度、湿度は50〜60%前後が目安とされています。※12
空気が乾燥しすぎると喉の不快感で眠りが浅くなり、逆に湿度が高すぎると寝苦しさを感じやすくなります。
また、光環境の整備も欠かせません。スマートフォンやPCから発せられるブルーライトは、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。就寝の1時間前にはデバイスの使用を控え、照明を少し落とすことで、自然な眠気を促せます。※9
さらに、マットレスや枕の選び方も重要です。体に合わない寝具は肩こりや腰痛を引き起こし、深い眠りを妨げます。体圧を分散し、寝返りがしやすいものを選ぶことで、睡眠の質をより高めることができます。
3. 夕食と入浴のタイミング調整
睡眠の質を左右するもう一つの要素が、就寝前の食事と入浴のタイミングです。
夕食を遅く取りすぎると、消化活動が続いたまま眠りにつくことになり、胃腸が休まらないため深い眠りに入りにくくなります。理想的なのは、就寝の3時間前までに夕食を終えることです。
また、入浴は就寝の1〜2時間前がベストとされています。お湯の温度は38〜40℃程度のぬるめが理想で、体を一時的に温めた後、深部体温が下がるタイミングで自然な眠気が訪れます。
逆に、熱すぎるお湯に直前まで浸かると、交感神経が刺激されて眠りにくくなるため注意が必要です。食事と入浴のリズムを整えることで、体の温度変化がスムーズになり、自然な入眠をサポートできます。
4. 適度な運動習慣の確立
日中の適度な運動は、夜の眠りを深くし、入眠をスムーズにします。
厚生労働省のガイドラインでも、定期的な身体活動が睡眠の質を高める有効な手段として推奨されています。※1
ウォーキングやストレッチ、軽いジョギングなど、30分程度の有酸素運動を週に数回取り入れるだけでも、深いノンレム睡眠が増える傾向があると報告されています。
ただし、就寝直前の激しい運動は逆効果です。体温が上昇しすぎると入眠が遅れ、交感神経が活発になるため、運動は就寝の3時間前までに終えることが理想です。
朝や夕方に体を動かす習慣をつけることで、体内時計も整いやすくなります。
5. カフェイン・アルコールの適切な摂取管理
最後に見直したいのが、カフェインやアルコールの摂取です。
カフェインは摂取後4〜6時間ほど体内に残り、眠気を妨げる作用を持ちます。コーヒーや緑茶、エナジードリンクのほか、チョコレートや風邪薬にも含まれるため、午後以降の摂取を控えることが望ましいとされています。※8
また、寝酒としてアルコールを摂る習慣も注意が必要です。
一時的に眠気を誘うものの、アルコールは夜中に代謝される過程で覚醒を促し、途中で目が覚めやすくなります。結果的に深い眠りが減り、翌朝の疲労感や頭の重さを引き起こします。
嗜好品を完全に断つ必要はありませんが、摂取のタイミングと量を見直すことで、睡眠の質を大きく改善できるでしょう。
自分に合った睡眠時間を見つけて健康的な生活を

一人ひとりにとって理想の睡眠時間は異なります。
一般的には6〜8時間の睡眠が健康的とされていますが、同じ長さでも体質や生活リズム、年齢によって最適な時間は変わります。重要なのは、「他人と比べて何時間寝ているか」ではなく、「自分がどのくらい眠れば心身が最も快調に過ごせるか」を知ることです。
そのためには、起床後の気分や日中の集中力、眠気の有無を観察し、自分に合った睡眠リズムを少しずつ見つけていくことが大切です。
また、睡眠の質にも目を向ける必要があります。どれだけ長く眠っても、途中で何度も目が覚めたり、浅い眠りが続いたりすれば、体の回復力は十分に働きません。
快適な睡眠環境を整えることも、質を高める大切な要素です。
さらに、温度や湿度、照明の調整に加えて体に合ったマットレスや枕を選ぶことも大切です。睡眠中の姿勢を安定させて深い眠りに入りやすくするためにも、寝具は単なる道具ではなく、健康全体を支える基盤といえるでしょう。
睡眠は、心と体の健康を維持する最も基本的な習慣です。自分にとって心地よい睡眠時間と環境を見つけ、毎日の休息をより質の高いものにすることで、生活全体のパフォーマンスも自然と向上します。
「よく眠ること」は、最も身近で確実な健康投資です。今日から、あなた自身に合った眠り方を探してみましょう。
<おうちでしっかり納得するまで120日間お試し!>
https://jp.koala.com/pages/120-night-trial?utm_source=blog
・参考
※1 健康づくりのための睡眠ガイド2023 | 厚生労働省
※2 良い睡眠の概要(案)| 厚生労働省
※3 令和5年 国民健康・栄養調査 概要 | 厚生労働省
※4 睡眠時間と死亡リスクの関連 | 国立がん研究センター・JPHC Study
※5 睡眠時間やその変化と要介護認知症との関連 | 国立がん研究センター・JPHC Study
※6 The effects of sleep duration on the incidence of cardiovascular events among middle-aged male workers in Japan | Scand J Work Environ Health
※7 日本人男性労働者における短時間睡眠と肥満・メタボのリスク | Sleep Medicine 2017
※8 一般成人における睡眠時間の不足とうつ病の関連について | 日本大学医学部
※9 メラトニン | e-ヘルスネット/厚労省
※10 睡眠時無呼吸症候群(SAS)| e-ヘルスネット/厚労省
※11 ソーシャル・ジェットラグの概念解説 | 大塚製薬 睡眠リズムラボ
※12 睡眠環境(光環境・温熱環境)| 日本睡眠学会










