ベッドの高さの目安は何cm?30・40・50cm別の選び方と安全ポイント
寝具コラム by 松本 恭2026年2月27日読了目安時間: 7

ベッドの高さの目安は何cm?30・40・50cm別の選び方と安全ポイント

松本 恭
コピーライター / 上級睡眠健康指導士

「健康の秘訣はぐっすり眠ること」がモットーで、これまでウォーターベッド、ウッドスプリングベッド、西式健康枕、ハンモックなどさまざまな寝具の寝心地を追求してきた睡眠マニア。偶然出会ったコアラマットレス®︎の快適さに感銘を受け、メンバーとして参加。上級睡眠健康指導士としての知識を通して、より多くの人に快眠を届けたいと願っている。

ベッドの高さは、見た目の印象だけでなく、毎日の起き上がりやすさや安全性、さらには部屋の使い勝手まで左右する大切なポイントです。私自身、以前「収納が増えるから」という理由だけで高めのベッドを選んだことがありますが、分厚いマットレスをのせた途端、思った以上に高さが出てしまい、夜中に寝ぼけて降りるときにヒヤッとした経験があります。そのとき初めて、カタログに書かれた数値だけでなく、実際に使うシーンを想像することの重要性を痛感しました。

本記事では、上級睡眠健康指導士でコアラマットレス社員の松本が、30cm・40cm・50cmといった代表的なベッドの高さごとの特徴を整理し、立ち座りのしやすさや収納性、圧迫感の違いをわかりやすく解説します。さらに、小さなお子様や高齢者がいるご家庭でも安心して選べる安全面の考え方まで触れていくので、本当にちょうどいい高さのベッド選びの参考にしてみてください。

ベッドの高さは何を指す?測り方と考え方

ベッド選びで意外と見落とされがちなのが、「ベッドの高さ」という言葉が何を指しているのかという点です。最初に押さえておきたい重要な前提があります。ベッドの高さとは、ベッドフレーム単体の高さではなく、「床からマットレスの上面まで」の総高さを指します。
なぜ総高さで考える必要があるのか、どこを測ればよいのかを具体的に説明します。

ベッドフレーム高と総高さの違い

家具店や通販サイトの仕様表に「高さ25cm」と書かれている場合、それは多くの場合、ベッドフレームや床板部分のみの高さを示しています。しかし、私たちが毎日座ったり横になったりするのは、あくまでマットレスの上面ですから、そこに厚さ20cmのマットレスを載せると、実際に体を横にする時の高さは床から45cmの高さとなります。

フレームの高さが同じでも、マットレスの厚みが違えば、立ち上がりやすさや出入りの感覚は大きく変わります。ベッドを選ぶ際には、フレームの高さにマットレスの厚さを足した総高さで考えましょう。

床からマットレス上面で判断する理由

では、なぜ判断基準を「床からマットレス上面」に置く必要があるのでしょうか。それは、日常の動作がすべてこの高さを基準に行われるからです。ベッドに腰掛けるとき、立ち上がるとき、シーツを替えるとき、寝入りや起床の動作まで、すべてマットレスの上面が起点になります。

メジャーの0cmポイントを床に当てて、マットレスの一番上まで垂直に測ってください。その数値がベッドの高さです。数値で確認することで、感覚だけに頼らない判断ができるようになります。

マットレス厚と沈み込みの影響

もう一つ注意したいのが、マットレスの沈み込みによる体感高さの変化です。マットレスが柔らかい場合、座ったときに数cm沈み込むことがあり、計算上は50cmでも実際に座ると45cm程度に感じることがあります。

特に腰痛がある方や、立ち上がり動作に不安がある方は、この沈み込みを考慮することが重要です。単に厚いマットレスを選ぶだけでなく、硬さや縁部分の支え方にも目を向けると、使用後の違和感を減らせます。数字だけでなく、体重がかかったときの状態まで含めて考えましょう。

関連記事:4.5畳の寝室でもラクラク!ベッド選びとレイアウト術

高さ別の目安とメリット・デメリット

ベッドの高さは、生活動線や体への負担、部屋の印象まで含めて考えるのがおすすめです。
床からマットレス上面までの総高さを基準に、低め・標準・高め・床面高という4つの区分を頭に入れておくと、次章の目的別の選び方が理解しやすくなります。それぞれの特徴と注意点について、見ていきましょう。※1

低め(20〜30cm目安)のメリット・デメリット

低めのベッドは、視線が低くなるため部屋が広く見えやすく、開放感を重視したい人に向いています。万が一転落した場合でも衝撃度が少なく抑えられるので、小さな子どもがいる家庭では安心感を得やすいという利点もあります。

一方で、床に近い分、低い位置から立ち上がる必要があり、腰や膝への負担が大きくなりやすいです。特に朝起きた直後は、思っている以上に体に力が入りにくく、「低さ」が不便に感じるかもしれません。ベッド下の空間が狭いため掃除がしにくい、通気しにくいといった点が気になる場合は、ベッド下の空間がない直置きタイプにすると使いやすいです。

標準(35〜45cm目安)のメリット・デメリット

35〜45cm前後の高さは、一般的に使いやすいとされる高さです。椅子に近い感覚で腰掛けやすく、立ち上がりも比較的スムーズなため、体への負担と見た目のバランスが取りやすい高さといえます。

高さ選びで迷った場合は、まずこの高さを基準に考えましょう。その上で、身長や体調、マットレスの厚さや沈み込み具合を踏まえて微調整していくと、大きな失敗はしにくいです。

高め(50〜60cm目安)のメリット・デメリット

高めのベッドは、ベッド下に十分な空間を確保しやすく、収納量を増やしたい人や掃除を楽にしたい人に向いています。立ち上がる動作も楽に感じやすいため、体力に不安がある場合は毎日の動作がしやすいと感じるでしょう。

ただし、ベッドは大型家具のため、高さが増すほど圧迫感が増して寝室が狭く感じやすくなります。使う人の身長によっては上り下りがしにくい、転落時の衝撃が大きくなりやすい点も無視できません。収納目的で選ぶ場合は、先に必要な収納量を具体的に見積り、必要以上に高くしすぎないようにしましょう。※3

床面高・ハイタイプ(収納重視)のメリット・デメリット

床面高タイプのベッドは、ベッド下収納を最大限に活用できるのが大きな利点です。その反面、ホコリが溜まりやすい環境になりやすい点と、日常的な上り下りに不安を感じやすい点に注意が必要です。

購入前には、床からマットレス上面までの総高さを必ず確認し、収納ケースの高さが無理なく収まるか、具体的な動作を想定しておくことが重要です。加えて、耐荷重やフレームの安定感もチェックしておきましょう。

目的別に迷わない5つの判断軸

ベッドの高さを考えていると、「どれも一長一短で決めきれない」と感じることが少なくありません。そんなときは、性能で比較するよりも自分が何を一番優先したいのかを先に決めると迷いにくいです。
そこでベッド選びの判断時期を5つに分け、有利になりやすい高さを示しました。優先したい内容をチェックしてみてください。

1. 立ち座りのしやすさ

毎日の負担を減らしたい人にとって、最も重要なのが立ち座りのしやすさです。特に腰や膝に不安がある場合、毎日の動作に影響を与えるベッドの高さは慎重に選ばなければいけません。

目安になるのは、ベッドの端に腰掛けたときの膝の角度です。太ももが床とほぼ平行、もしくは膝が90度以上になる高さであれば、立ち上がる際に余計な力を使わずに済みます。この条件を満たしやすいのが、総高さで40〜50cm前後の高さです。低すぎると、起き上がるたびに体への負担を感じやすくなるので注意しましょう。

2. 収納量とベッド下の使い道

ベッド下を収納スペースとして利用することを重視したい場合は、ベッド下に収納したいものの数と量を把握しておくことが重要です。

収納スペースとしてある程度の広さを確保したいなら、50cm以上の高さが必要ですが、高くしすぎると上り下りが怖くなったり、寝室に圧迫感が出たりする点に注意しましょう。安全性や使いやすさと収納力のバランスを意識して選んでみてください。

3. 掃除のしやすさ

掃除のしやすさを優先する場合は、使用している掃除機やロボット掃除機がベッド下に入るかどうかを基準に考えます。一般的なロボット掃除機は、10〜12cm程度の隙間が必要です。

直置きタイプならそもそもベッド下に空間がないため、掃除の手間はかかりません。脚付きタイプを希望するなら、ロボット掃除機が入る空間を確保できる高さを選びましょう。

4. 部屋の見え方

ベッドの高さは視覚的な印象に大きく影響するため、部屋を広く見せたい人やインテリアの雰囲気を大切にしたい人には気になるポイントです。高さを抑えた場合、天井までの空間が広がって視線も通りやすくなるため、開放感を得やすくなります。

特に6畳前後の寝室やワンルームでは、20〜30cm程度の低めのベッドを選ぶと圧迫感が軽減されるでしょう。立ち上がりや掃除のしやすさも考慮した上で、納得できる高さを選ぶことが大切です。

5. 安全性

小さな子どもや高齢者がいるご家庭では、何よりも安全性が最優先事項です。基本的に、ベッドの高さが高くなるほど転落時のリスクは大きくなる点を頭に入れておきましょう。

低めから標準程度の高さのベッドは、転落事故のリスクを下げやすいです。子どもの事故防止を考慮する場合、成長によって転落リスクは下がってきますので、一時的に落下防止ガードをベッドサイドにセットするなどの工夫をしてもいいかもしれません。

関連記事:布団とベッドの違いを解説:どっちが良い?それぞれのメリット・デメリットについて解説

身長・体格で決める「ちょうどいい高さ」の目安

ベッドの高さは「一般的な目安」だけで決めてしまうと、実際に使い始めてから違和感を覚えやすくなります。なぜなら、身長や脚の長さ、体格によって、腰掛けたときに楽と感じる高さが大きく異なるからです。
誰でも再現しやすい姿勢チェックを軸に、自分の体に合った高さを見つける考え方を整理します。

座ったときの姿勢チェック

自分に合う高さかどうかを判断するうえで、最も分かりやすいのが「座ったときの姿勢」です。まず、深く腰を下ろした状態で足の裏が床にしっかり着いているかどうかを見ます。そのうえで、太ももが床とほぼ平行、もしくは膝の位置が腰より少し低くなる状態であれば、比較的スムーズに使えるでしょう。

反対に、膝が腰より高い位置になり、体育座りに近い姿勢になると、立ち上がるたびに踏ん張る必要が出てきます。この「よいしょ」と力を入れる感覚があるかどうかが、合っているかを見極める重要なサインです。

身長別の簡易目安

姿勢チェックを補助する参考値として、身長別の簡易目安を知っておくと便利です。特に低身長・高身長の人はあらかじめ適正な高さの目安を把握してベッド選びに生かすとよいでしょう。

身長が155cm前後までの小柄な方の場合、35〜40cm程度に収めると、腰掛けたときに足が安定しやすくなります。50cmを超える高さになると、足が浮きやすく不安定になりますので注意してください。

175cm以上の高身長の方は、45〜50cm程度あっても問題なく使えるケースが多い半面、低すぎる高さは立ち上がり時に窮屈さを感じやすいです。前述した姿勢チェックを行い、立ち座りしやすい高さを体感でつかんでおきましょう。

腰・膝に不安がある場合の選び方

腰痛や膝の痛みがある場合は、見た目よりも体への負担を最優先に考える必要があります。基本的な考え方として、低い位置から体を持ち上げる動作は腰や膝に最も負担がかかりやすいため、足がしっかり床に着く範囲でできるだけ高めの高さを選ぶと立ち上がり動作がしやすいです。

また、高さだけでなく、マットレスの硬さや沈み込み具合も考慮しましょう。柔らかすぎて深く沈み込む寝具よりも、高反発など体を面で支えてくれるタイプのほうが、腰掛けたときの安定感を得やすいです。高さと寝具の組み合わせまで含めて考えると、体への負担を減らせます。

子ども・高齢者・介護がある家庭の安全基準

最後に取り上げるのは、ベッドの高さ選びで最も優先すべき「家族の安全」です。見た目や使い勝手とは切り分けて考える必要がある項目で、特に乳幼児や高齢者、介護が関わる家庭では、数cmの違いが事故の有無を左右することもあるため、一次情報に基づいたリスクと、その具体的な対策を解説します。

乳幼児の転落・すき間によるリスクと対策

乳幼児の場合、大人にとっては低く感じる高さでも、重大な事故につながる可能性があります。消費者庁の公表資料によると、0〜1歳児が大人用ベッドから転落する事故は、平成22年から29年の間に計564件報告されました。数十cmの高さであっても、頭部を強く打ち、頭蓋骨骨折などの重傷に至るケースが確認されています。※4 

こうしたデータを踏まえると、満2歳頃まではベビーベッドを使用することが最も安全な選択と言えます。やむを得ず大人用ベッドを使う場合は、転落時の衝撃を最小限に抑えられる低めの高さを選ぶことが必要です。特に月齢の低い乳児では、製品によっては使用が推奨されていないものもあるため注意が欠かせません。

さらに、ベッドと壁の間にすき間を作らない配置も必要です。大人から見れば小さく見えるすき間でも、赤ちゃんにとっては挟まりや窒息事故のリスクになりかねません。ベッドの高さ選びと周辺環境の整備は必ずセットで考えてください

高齢者の転倒・転落リスクと低床選択

高齢者が使うベッドでは、夜間のトイレ移動や起床時のふらつきによる転倒リスクが問題になりやすいです。一方で、低すぎるベッドは立ち上がリが難しい場合があり、単純に「低ければ安全」とは言い切れません。
NITEの注意喚起では、30cm前後の低床ベッドに衝撃吸収マットを組み合わせることで、転落時の被害を軽減できることが示されています。※5

高さだけに目を向けるのではなく、夜間の動線や足元灯の有無、ベッドサイドでつかめる支えがあるかといった環境面も同時に確認しましょう。寝室全体で環境を整えることで、転倒や転落のリスクを下げられます。

介助をする人の腰負担を減らす高さの考え方

介護が必要な家庭では、寝ている本人の出入りのしやすさに加えて、介助をする人の身体負担への配慮が不可欠です。低いベッドでの体位変換やオムツ交換は、介助者が前かがみの姿勢を取りやすく、腰痛の大きな原因になります。

研究報告では、介助作業がしやすい高さの目安として、介助者の身長のおよそ50%前後までベッド面を上げられることが有効とされています。※6 

身長160cmの人であれば、80cm程度まで昇降できる環境があると、作業時の腰への負担を大きく減らせます。この条件を満たしやすいのが、高さ調整機能を備えた介護用ベッドです。介護が前提となる場合には、一般的な家庭用ベッドとは別の介護優先の基準で検討しましょう。

まとめ

ベッドの高さ選びは、まず床からマットレス上面までの総高さで考えることが基本です。そのうえで、立ち座りのしやすさや収納、部屋の見え方といった目的に応じて低め・標準・高めを調整していくと失敗が少ないでしょう。

一般的には40cm前後が扱いやすい標準帯ですが、子どもや高齢者がいる家庭では、見た目よりも安全性を最優先に考える判断が欠かせません。

購入前には、実際に腰掛けたときの姿勢や足の着き方を確認し、必要に応じて安全マットや手すりなどの環境対策も検討してください。毎日使うベッドだからこそ、デザインと同じくらい「高さ」と「安全」に目を向けることが、長く安心して使うためのポイントです。

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・参考

※1 ベッドの高さを決める7項目|高さ別の特徴と向いている人を解説|EMOOR(エムール)
※2 理想のベッドの高さやマットレスの厚さはどれくらい?|RASIK(ラシク)
※3 ベッドの高さのおすすめは?最適な高さで快適に暮らす|a.flat(エーフラット)
※4 0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください|消費者庁(PDF)
※5 介護ベッドの事故防止対策報告書|NITE(製品評価技術基盤機構)(PDF)
※6 移動援助時におけるベッドの高さの違いが患者におよぼす影響について~頚部後屈角度・心拍数の観点から~|日本看護研究学会雑誌(J-STAGE PDF)