睡眠コラム by Koala Sleep Japan2026年4月13日読了目安時間: 3

【医師監修】寝起きが悪い原因と今日からできる改善法|医療機関を受診すべき目安も解説

後平 泰信

医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院(名称変更) 病院長 現職。

【研究分野】睡眠全般、睡眠時無呼吸症候群、内科全般、循環器内科、スポーツ医学、遠隔医療、地域医療

明るくハキハキとした話し方で、専門的な内容もわかりやすく伝える。特に睡眠医療の分野で多数の講演・メディア出演歴があり、CPAP治療やいびき・睡眠負債など、広く深い見識から生活に密着したあらゆる話題にも柔軟に対応。寝具などスリープテック領域の開発や監修にも多数関わった実績あり。

「アラームを何度鳴らしても起きられない」「十分寝たはずなのに朝がつらい」——そんな毎朝を過ごしていませんか?

寝起きの悪さを「自分の性格の問題」と諦めている方も多いですが、実は体や生活習慣が原因となっているケースがほとんどです。この記事では、寝起きが悪くなるメカニズムと原因、そして今日から試せる改善法を解説します。

寝起きが悪くなるメカニズム

自律神経失調症の状態では、起床しても交感神経が優位にならず、いつまでも脳が覚醒しない状態が続きます。本来は起床時に交感神経が働いて体温を上昇させ、神経や消化器の機能を活性化させますが、それらが機能しないために倦怠感が生じます。

寝起きが悪くなる主な原因

① 睡眠の質の低下

睡眠の質が低下すると、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが適切に機能せず、深い睡眠が十分に得られません。脳や身体が十分に回復できないため、朝起きても疲労感が残ります。睡眠中の中途覚醒や、騒音・光・温度などの環境要因も睡眠の質を下げる原因となります。

② 体内時計の乱れ(概日リズム睡眠障害)

メラトニンの分泌は光の影響を受けるため、夜遅くまでスマートフォンやパソコンのディスプレイなどの光を浴びているとメラトニンの分泌が抑えられ、体内時計が乱れる「概日リズム睡眠障害」につながることがあります。これにより望ましい時間に自然に寝付けず、起きられないという状態に陥ります。

③ 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が止まると血中酸素濃度が低下し、脳が覚醒信号を出して睡眠が中断されるため、深い睡眠が得られず、朝の疲労感・頭痛・集中力低下といった症状につながります。

④ 貧血

貧血になると、酸素を運搬する血中ヘモグロビン量が減少し、脳が酸素不足になります。その結果、十分な睡眠をとっても脳の疲労が蓄積して目覚めが悪くなることがあります。

⑤ 甲状腺機能の異常

甲状腺機能低下症では代謝が低下して疲れが取れにくくなり、十分な睡眠時間を確保しても寝足りず目覚めが悪くなることがあります。一方、甲状腺機能亢進症では夜に寝つきが悪くなり、昼夜逆転して目覚めが悪くなることもあります。

後平 泰信 医師
後平 泰信 医師
寝起きが悪い原因としては体内時計の乱れが考えられます。起床時間を一定にし、起床後は2時間以内に十分な日光を浴びることが大切です。規則正しい睡眠習慣を続けても改善がない場合は、睡眠の質が低下する疾患である睡眠時無呼吸症候群の可能性などもあるため、早めに病院を受診しましょう。

今日から試せる改善法

1. 起床後すぐに朝日を浴びる

起床後15〜30分以内に10分程度、朝日を浴びることで体内リズムが整い、セロトニンの生成も活性化されます。夜には睡眠ホルモンのメラトニン分泌につながるため、寝起きの改善だけでなく夜の睡眠の質も向上する好循環が生まれます。 Nihonbashi-nishikawa

2. 起床後にコップ一杯の水を飲む

夜間の睡眠中は約8時間にわたって水分補給がなく、体は軽度の脱水状態に陥っています。起床後すぐに水を飲むことで代謝が活性化し、脳に十分な酸素と栄養が届きやすくなります。また体温上昇を助け、朝の体内時計のリセットにも効果的です。

3. 起床時刻を毎日一定にする

毎日同じ時間に起きることが睡眠リズムを整える第一歩です。人間の体内時計は24時間よりも少し長めになっているため、毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びることで24時間周期に調整されます。

4. 就寝前のスマートフォン・カフェインを避ける

睡眠前のカフェイン摂取は脳を興奮状態にして寝つきが悪くなるほか、眠りが浅くなって途中で目覚める原因になります。就寝前は控えるようにしましょう。

5. 朝のストレッチで自律神経を切り替える

ベッドの上で背伸びや手脚をゆっくり伸ばす動作は、夜間に固まった筋肉をほぐして血流を促進し、自律神経のバランスを整えます。副交感神経から交感神経へのスムーズな切り替えを助けるため、朝の目覚めがより爽やかになります。

医療機関を受診すべき目安

以下に当てはまる場合は、生活習慣の改善だけでは対応が難しい疾患が背景にある可能性があります。早めに内科・睡眠専門外来・心療内科を受診してください。

  • 十分な睡眠時間を確保しているのに毎朝つらい状態が2週間以上続く
  • 大きないびきや無呼吸をパートナーに指摘されている
  • 朝起き上がると強いめまいや立ちくらみがある
  • 日中も強い眠気・頭痛・集中力低下が続いている

十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず寝起きが悪い場合には、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする病気の可能性を疑い、医療機関を受診することが大切です。睡眠時無呼吸症候群は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患のリスクを高める病気です。

まとめ

寝起きの悪さは「体質だから仕方ない」ではなく、生活習慣や隠れた疾患が原因であることがほとんどです。まずは朝日を浴びる・水を飲むといった小さな習慣から始めてみてください。それでも改善しない場合は、専門医への相談を検討しましょう。

参考文献

  1. べっぷ内科クリニック「寝起きが悪い原因や治療方法」https://www.beppu-clinic.com/sas/bad_wake_up/
  2. 寺田クリニック「朝起きれない(目覚めが悪い)のは病気のサイン?」https://www.terada-clinic.net/bad_wake_up/
  3. 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック「目覚めが悪い(原因)」https://www.heartsleep.jp/bad-awakening/
  4. 青山・表参道睡眠ストレスクリニック「朝、起きられないのは概日リズム睡眠障害か起立性調節障害か?」https://omotesando-sleep.com/blog/2548
  5. 日本橋西川「寝起きが悪い要因と対策|目覚めや寝つきをよくする方法を解説」https://www.nihonbashi-nishikawa.com/column/mattress/reasons-trouble-waking-up/

※本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医師にご相談ください。

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