睡眠コラム by 南 茂幸2025年12月29日読了目安時間: 5

寝る時の髪の毛ダメージを防ぐ!美髪を守る7つの夜ケア習慣とロングヘアの正しい結び方

南 茂幸
理学療法士/睡眠コンサルタント

理学療法士の資格を持つ睡眠コンサルタント。睡眠について数名から100名以上の規模でセミナー講師として登壇、他にもコンサルティング、ラジオ出演、睡眠グッズ監修等幅広く活躍。「睡眠の質が人生の質」と捉え、睡眠は自分への投資であると考え、現在出版準備中。

朝起きた瞬間、「あれ、また髪がボサボサ…」「毛先が絡まってほどけない」と感じたことはありませんか?ロングヘアの女性なら、寝癖やパサつき、絡まりによるダメージは毎朝の悩みのタネですよね。実はその原因、一晩に20〜30回も行われる寝返りによる“摩擦が大きく関係しています。

山田朱織枕研究所の調査では、寝返り回数は平均21.4回だったそうです。※1

寝返りのたびに起きる枕との摩擦は、髪のキューティクルを傷つけている一因と考えられます。また、日本人の約25.1%が慢性的な不眠状態にあることが分かっており、睡眠中の髪の修復が不十分なまま朝を迎えてしまう可能性も考えられます。※2

この記事では、髪の毛のダメージに悩んでいる方に向けて、就寝中に 髪の毛が受けるダメージの理由について科学的データをもとに解説したうえで、今夜からできる7つの夜ケア習慣髪の長さ別の寝方・結び方をわかりやすく紹介します。睡眠中の髪の状態を整えることで、朝のスタイリングが驚くほどラクになるはずです。

 

なぜ寝る時に髪の毛がダメージを受けるの?3つの主な原因

髪の毛はどのようにして睡眠中にダメージを受けるのでしょうか。その科学的メカニズムを「摩擦」「乾燥不足」「睡眠不足による不十分な修復」の3つの観点から解説します。それぞれの原因がどのようにキューティクルを傷つけ、髪の毛の健康を損なっていくのかについて、正しく把握しておきましょう。

1. 寝返りによる摩擦でキューティクルが傷つく

髪の毛の表面は「キューティクル」というウロコ状の保護膜に覆われています。ところが、寝返りで髪の毛が枕とこすれるたびにキューティクルは少しずつはがれ、表面が傷んできます。枝毛や切れ毛が起きるのもキューティクルのはがれが原因です。

特に、髪の毛の表面にある「MEA(18-メチルエイコサン酸)」という成分が失われると摩擦が急増し、わずかな力でもキューティクルがダメージを受けやすくなることがわかっています。

2. 濡れた髪のまま寝るとキューティクルが剥がれやすい

髪の毛が濡れていると、キューティクルは柔らかく反った状態になり、保護力が大幅に低下します。また、髪内部の水素結合が切れ、髪自体が非常に脆い状態になってしまうのです。

摩擦によって受ける影響が増えるだけでなく、頭皮に湿気が残ることでマラセチア菌(皮膚に常在する真菌)が増えて皮膚炎を起こしやすくなるリスクも知られています。

3. 睡眠不足で髪の毛の修復が不十分になる

入眠後30分ほどで始まる成長ホルモンの分泌は、1~2時間後にピークを迎えます。髪の毛の修復に欠かせない成長ホルモンのおかげで、肌や髪の毛の修復が行われます。

しかし、睡眠時間が短いと、成長ホルモンによる髪の毛の修復が不十分なまま朝を迎えてしまいがちです。

 

寝る前にできる髪の毛のダメージ対策7選

就寝中の髪の毛のダメージを軽減するためには、寝る前のヘアケアが重要です。ここでは、寝る前にできる髪の毛のダメージ対策についてヘアオイル、ナイトキャップなど7つの方法を紹介します。

1. 髪の毛を完全に乾かしてから寝る

前述した通り、濡れた髪はもっともダメージを受けやすい無防備な状態です。髪の毛をしっかり乾かすことで、キューティクルが保護できて髪の毛のダメージが抑えられます。雑菌の繁殖も予防できますので、必ず完全に乾かしてから寝ましょう。

髪の毛の乾かし方のポイント

  • まずタオルドライで水分をしっかり取る
  • ドライヤーは10cm以上離して髪の毛の根元を中心に風を当てて乾かす
  • 仕上げに冷風を当ててキューティクルを引き締める

これだけで髪の毛のハリやまとまりが大きく変わります。

2. 髪質に合わせた正しい結び方

ロングヘアはそのまま寝ると摩擦が増えるため、軽くまとめてから寝るのがおすすめです。

おすすめの結び方

  • ゆるいお団子:髪全体を包み込むため摩擦が減る、髪が肌につきにくい
  • 低めの三つ編み:朝の髪の毛の広がりを防ぐ、柔らかなウェーブがつく
  • シュシュでゆるくまとめる:ゴム跡を作らず優しく固定できる

ポイントは「絶対にきつく結ばないこと」です。強い締め付けは寝返りの際に摩擦を強くし、髪の断裂につながりかねません。

3. 夜用ヘアオイル・トリートメントの活用

夜専用のヘアオイルは、髪の表面に保護膜を作り、摩擦を大幅に減らします。特に枝毛やパサつきが気になる人に効果的です。

使う量は毛先を中心に1〜2プッシュで十分保護効果があります。つけすぎると逆に根元が重くなりべたつきやすいので注意しましょう。

4. ナイトキャップの選び方と使い方

シルクのナイトキャップは、枕との摩擦をほぼゼロに近づけ、保湿までしてくれる優秀なアイテムです。

選び方のコツ

  • 天然シルク100%
  • 顔周りに余裕がある
  • 内側に滑り止めが少しある(ずれにくい)

すでにナイトキャップを使用していて就寝中に外れやすいという人は、軽く三つ編みにしてから被ると安定します。

5. 枕カバーをシルクに変える

ナイトキャップが苦手な場合は、シルクの枕カバーを取り入れましょう。コットンの約半分と摩擦が極めて少ないシルクなら、キューティクルが傷つきにくいだけでなく肌の乾燥対策にも有効です。

6. 寝室の湿度管理

湿度が低いと髪の毛の水分が奪われ、パサつきが悪化しますので、加湿器を使って髪の毛の保湿を行い、翌朝の広がりを防ぎましょう。ただし、湿度が高すぎると雑菌が繁殖しやすくカビが発生する可能性が高まりますのでバランスが大切です。

理想の湿度は50%前後ですから、湿度計を使って調整してください。

関連記事:「加湿器 寝る前」

7. 寝る前のブラッシング

髪の毛の絡まりをほどいた状態で寝ることで。就寝中の摩擦を減らせます。

正しいブラッシング

  • 毛先 → 中間 → 根元の順で髪の毛をとかす
  • 無理に引っ張らない
  • クッション性のあるヘアブラシを使う

髪の表面を整えてから寝ると、翌朝の髪の毛の扱いやすさが大きく変わります。

 

髪の長さ別・おすすめの寝方と注意点

続いてショート、ミディアム、ロングヘアの髪の長さ別に適した寝方と、避けるべき習慣について紹介します。髪の長さによって受けるダメージリスクが異なるため、自分の髪の長さに合わせてチェックしてみてください。

ショート〜ミディアムヘアの寝方

ショートヘアやミディアムヘアで寝癖がつきやすいのは、髪が頭の形に沿って押しつけられやすいからです。寝る前にはヘアワックスなどスタイリング剤をしっかり落とし、枕との接触面を意識して仰向けに寝るのがおすすめです。

枕カバーを摩擦の少ない素材にするだけでも、翌朝の髪の毛の広がりがかなり抑えられます。

ロングヘアの寝方と結び方のコツ

ロングヘアは髪をどのようにまとめておくかが重要です。

おすすめの方法は次の4つです。

  • 髪を背中ではなく 頭の上側にふわっと流す
  • 低めの位置でゆるく結ぶ
  • 寝相が悪い人はゆるい三つ編みで固定
  • 枕が当たらない頭のてっぺんでお団子

髪全体を体の重みから守ることで、切れ毛や絡まりを減らしましょう。

避けるべきNGな寝方

以下の寝方はダメージを加速させます。

  • 髪の毛が乾ききっていない状態で寝る
  • ゴムなどできつく結ぶ
  • フード付きパジャマで寝る(首周りの摩擦・圧迫が増える)
  • タイトなお団子で寝る

いずれも髪表面のキューティクルを傷つける原因になり、ダメージリスクが高まります。

睡眠の質を高めて髪を健康に保つ方法

髪の毛のツヤやハリを保つだけでなく、健康な髪の毛をつくるためには、良質な睡眠が大切です。ここでは、良質な睡眠をとるための環境や改善方法を解説します。特にマットレスや枕の選び方、理想的な睡眠時間の確保方法について説明します。

適切な寝具選びのポイント

質の良い睡眠には寝具選びも欠かせません。選び方のポイントを押さえておきましょう。

チェックポイント

  • マットレスは寝返りしやすい「やや硬め」
  • 枕は首を支えつつ沈み込みすぎない、かつ幅60cm以上

柔らかすぎるマットレスは体が沈みやすいため、寝返りがしにくく髪の毛の摩擦や寝癖の原因になります。それだけでなく、睡眠の質が下がる可能性もあるので要注意です。

関連記事:自分に合うマットレスは柔らかめ?硬め?上級睡眠健康指導士がじっくり解説!

理想的な睡眠時間と成長ホルモンの関係

美髪のために欠かせない睡眠時間は、6〜8時間が目安と言われています。※3

特に入眠後最初の3時間は成長ホルモンが多く分泌される時間帯ですから、深く質のよい睡眠を取れるかが髪の毛の健康にも影響します。夜遅くのスマホやカフェインの摂りすぎを避け、眠る前のルーティンを整えて髪の修復につなげましょう。

 

まとめ:今夜から始める美髪習慣まとめ

寝る時の髪の毛ダメージを起こす原因のほとんどは、摩擦・乾燥・睡眠不足の3つです。今日から取り入れてほしい最重要ポイントをまとめます。

  1. 髪を完全に乾かす
  2. ゆるくまとめる or シルク素材で守る
  3. 寝室環境(湿度・寝具)を整える

この3つを組み合わせて実践すると、翌朝の髪の毛のまとまりが劇的によくなります。そして、良質な睡眠は髪だけでなく肌や体の健康にも直結する要素です。毎日の“夜のひと手間”と十分な睡眠を習慣にして、美髪を育てていきましょう。

 

参考

※1 山田朱織枕研究所 寝返りを打つ理由と効果、3つの役割を解説

※2 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要

※3 健康づくりのための睡眠ガイド2023

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