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監修者

森田 麻里子
医師・小児スリープコンサルタント・睡眠専門家
2012年東京大学医学部医学科卒。
亀田総合病院にて初期研修後、2014年仙台厚生病院、2016
「最近よく寝不足で、鏡を見るたびに目の下のクマが気になる」「何日かしっかり寝れば消えると思っていたのに、なかなか薄くならない」——そんな悩みを抱えていませんか。
実は、目のクマ=単なる寝不足とは限りません。血行不良による青クマ、色素沈着による茶クマ、影で黒く見える黒クマなど、原因はさまざまです。日本国内研究では、クマが目立つ人の目の下では血流の停滞やメラニン量の増加が確認されております。※1
また、クマに悩んでいる、またはクマができやすい女性のアンケート調査では「寝不足のときにクマが出る」と感じる人は8割以上にのぼることが分かっています。※2
本記事では、こうした一次データや医学的なメカニズムをもとに、寝不足とクマの関係を科学的に整理しながら、「自分のクマは何が原因で、どうすれば改善できるのか」を具体的に解説します。
寝不足でクマができる理由
寝不足が続くと、なぜ目の下のクマが目立つのでしょうか。結論から言えば、血行不良と肌状態の悪化が同時に起こることが大きな原因です。
クマが目立つ女性の眼下部では、
- 血液量が多い
- しかし血流速度が遅い
- メラニン量も増加している
という特徴が確認されています。つまり、「血は集まっているのに流れが悪い」状態です。
寝不足は自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させるため、血流停滞を引き起こします。その結果、酸素を失った暗い色の血液(ヘモグロビン)が透けて見え、青黒く見えるのです。
また、厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、成人は6時間以上の睡眠を目安に確保することが推奨されています。6時間未満の睡眠が慢性化すると、クマだけでなく、顔全体のくすみや老化印象にもつながりやすくなります。
血行不良による青クマの仕組み
青クマは、寝不足と最も関係が深いクマです。血流が滞ると、静脈血に含まれるヘモグロビンが増え、皮膚の薄い目の下ではその色が透けて見えます。特に冷え性、長時間のデスクワーク、運動不足の人などもともと血行不良を起こしやすい人は、寝不足が引き金となって青クマが急に濃くなることがあります。
寝不足でクマが目立ちやすくなる他の理由
睡眠不足は、成長ホルモンの恩恵が減少し肌の修復時間を奪います。ターンオーバーが乱れると、角質層の水分保持力が低下して乾燥し、ハリや弾力も失われます。その結果、血行不良によってできた青クマが目立ちやすくなり、「昨日よりクマがひどい」と感じる原因になります。
スマホ疲れとクマ悪化の関係
寝不足の人ほど、就寝前までスマートフォンを見ている傾向があります。スマホを長時間見続けると、瞬きが減り、目の周囲の筋肉が緊張し、血流が低下します。ブルーライトも睡眠の質を下げる要因です。目の疲れだけでなく、睡眠の質や量の低下による血行不良が強くなり、クマがより悪化するという悪循環に陥りやすくなります。
クマの種類と見分け方
目の下のクマには、大きく分けて4種類があります。正しく見分けるためには、原因を理解することが改善への第一歩です。
青クマ:血行不良タイプ
青クマは、目の下を軽く引っ張ると色が薄くなるのが特徴です。寝不足、疲労、冷えなどで悪化しやすく、生活改善とセルフケアで薄くなる可能性が高いクマです。
茶クマ:色素沈着タイプ
茶クマは、引っ張っても色が変わりません。メラニンによる色素沈着が原因で、目をこする癖や紫外線ダメージが関係します。寝不足そのものより、刺激の積み重ねが主因です。
黒クマ・赤クマ:影・炎症タイプ
黒クマは、たるみや凹みによる影が原因で、加齢の影響が大きいタイプです。一方、赤クマは炎症や毛細血管の拡張による赤みが目立ったり、目の下の筋肉が透けて見えしまっている状態と考えられています。寝不足はこれらを悪化させる要因にはなりますが、根本原因は別にあります。
寝不足の青クマを改善する方法5つ
トレンダーズ株式会社の調査では、目元のクマやたるみに悩む人の8割以上が「セルフケアによる効果を実感していない」と回答しています。大切なのは、原因に合った対策を選ぶことです。ここでは青クマ改善のための方法を5つピックアップします。
① 睡眠時間を確保する
まずは、6時間未満の睡眠が続いていないか見直しましょう。できれば7時間睡眠を目標にしてください。数日しっかり眠るだけでも、青クマは薄くなることがあります。
何日で治るかは個人差がありますが、血行由来のクマなら3〜7日程度で変化を感じることもあります。
② スマホ使用を控える
就寝1時間前からスマホを見ないだけでも、睡眠の質は改善します。目の疲れを減らすことで、クマの悪化を防げます。
③ 目元を温めて血流を改善する
蒸しタオルや市販のホットアイマスクで目元を温めると、血流が促進されるため即効性があります。仕事終わりのケアとしても有効です。
④ スキンケアで乾燥対策する
寝不足のときほど、目元の保湿は重要です。アイクリームや美容液で水分と油分を補うと、乾燥を防ぎます。目元の皮膚がふっくらし、血管の透けを軽減できます。
⑤ 日中の生活習慣を整える
軽い運動や正しい姿勢、カフェインの摂りすぎを避けることも血流改善につながります。生活全体を見直すことで、クマは徐々に戻りにくくなります。
まとめ:クマの原因を理解して、今日から改善を始める
クマは「とりあえず高いアイクリーム」で消えるものではありません。種類と原因を理解すれば、無駄なケアを減らし、効率的に改善できます。
- 寝不足によるクマは主に血行不良による青クマ
- 睡眠不足が続くと悪化しやすい
- クマの種類を見極めることで、改善策は明確になる
- 生活習慣と睡眠の質改善が最も再現性の高い対策
青クマは体からのサインでもあります。「ただの寝不足」と軽視せず、できることから整えていきましょう。




